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公開講演会レポート


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[公開講演会]

 

 

講演者 小島 貴子(本学ビジネスデザイン研究科特任准教授/コオプ教育・インターンシップオフィス オフィス長補佐) 他
パネリスト

西崎 大(本学キャリアセンター職員)

山中 淑江(本学学生相談所カウンセラー)

鈴木 佳子氏(東京経済大学学生相談室カウンセラー)

三川 俊樹氏(追手門学院大学心理学部教授、キャリア開発部長)

日時

2008年1月26日(土)13:00〜17:00

会場 立教大学池袋キャンパス 太刀川記念館3階多目的ホール

 立教大学では学生部学生相談所による「学生相談を核とした全学的学生支援の展開−学生と大学をつなぐ『よろず相談』の活用」の取組が、2006年度文部科学省「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」に採択され、その補助事業として、本年度も昨年度に引き続き公開シンポジウム「これからの学生支援ー大学におけるキャリア発達支援ー」が開催された。

 本シンポジウムは、学生相談と学生支援についての情報を学内外に発信し、学生あるいは大学の可能性を多角的に捉え、現代の学生のニーズに応えるとともに学生の成長を促す学生支援の方途を模索しようとしたものである。

 

I.基調講演

「今、何故大学にキャリア発達支援が必要なのか」とのタイトルで、小島貴子氏(本学ビジネスデザイン研究科特任准教授、コオプ教育・インターンシップオフィス オフィス長補佐)による基調講演が行われた。

 

 小島氏は、まず自身の様々な経験を話しながら、現代における発達支援の前の「発達促進教育」について考察した。「キャリアというのは仕事だけではなく、人が生まれてから死ぬまでのすべての道筋。4年間の学びを、具体的な人生設計にどう結びつけるか、どう考えていくのかを支援する教育」と位置づけ、具体的な授業プログラムの実践を提示した。

 次に、<キャリア教育の家庭への普及の必要性と教職員の係わり>という視点から、自らの生き方を選択決断する力を持てるよう支援することが「キャリア教育」=「自立教育」であり、教職員は学生一人ひとりの「自立する力」を促進支援するプログラム協働者であると論じている。

 また、卒業段階での意思決定の支援については、「充実した人生への欲求」という観点から行っていることを、豊富な事例と分かりやすい図示に従い提示した。

 そして、学生が自信を持ちにくいコミュニケーションについては、<コミュニケーション不全の根源>として、これくらいは分かってくれるだろうという「説明不足」と言わなくても気づいてくれるはずという「甘え」であると指摘し、健全化するための方策を事例を通して提案した。

 最後に、学生のキャリア発達の促進について以下の5点を示した。

@ 学生一人ひとりが育っていくことを促進・支援する教育

A 一人ひとりのアカデミック目標(何を学び成長するのか)

B 一人ひとりのソーシャル目標(社会的な自分がどのようになりたいのか)

C 一人ひとりのパーソナル目標(自分自身がどうありたいのか、ありたいのか)

D 学生の発達を促進するために必要な「体験の場」と「支援スキル」の構築

 

II.シンポジウム

 シンポジウムは「個別ニーズに即したキャリア発達支援」をテーマに3名の話題提供者と指定討論者によるコメント、そしてフロアとの質疑応答が行われた。

 

 西崎大氏(本学キャリアセンター職員)は、「キャリア相談の現場から」のテーマでキャリアセンターの行っている学生のキャリア支援について報告した。

 本学のキャリア支援は2002年に「就職からキャリア支援へ」、という理念に基づき組織改変がなされた。現在キャリアセンターでは、キャリア支援のグループワークと体験プログラムをコアとしつつ、2006年度には延べ8,148件を数えた”個人相談”を特色とした学生のキャリア支援を行っている。そして個人相談の事例を紹介しながら、学生の発達の歩みに沿った個別相談の必要性及び学内の学生支援部署との連携の重要性について示した。

 山中淑江氏(本学学生部学生相談所カウンセラー)は、「学生相談の現場から」の視点で、本学学生相談所の特色である「よろず相談」を通して学生に対するカウンセリングとガイダンスの経験から抽出された、学生の状況や発達についての理解をベースに、全学的学生支援方策の発信、すなわち学内他部署との連携について報告した。

 学生の相談内容別来談者数のうち「将来・進路」に区分される人数は、2006年度は4.6%と少なく見える。しかし、来談時にほかのテーマを中心とする学生からも、必ずといってよいほど将来や進路のテーマが出てくるというデータに基づき、次の点を今後の課題として掲げた。すなわち、学生の成長プロセスに沿った個別支援体制の充実、社会人モデルとしての教職員の活用などである。特に後者は学生が学内で関わる教職員は、その関わり自体が学生にとってロールモデルになる、という点で示唆に富む指摘であった。

 鈴木佳子氏(東京経済大学学生相談室カウンセラー)は、「プログラム実践から」のテーマで学生相談が担当するキャリア発達支援における心理教育的プログラムについて報告した。学生相談におけるキャリア発達支援とは、学生自身が自分のキャリアを見直す作業をサポートすることであり、個人の生涯というスパンのなかでの過去・現在・未来を見つめる作業を通して、学生である今できることを検討し、実行することの意義について明らかにした。またワークショップ形式のプログラムは、体験的学びの機会であり、また仲間体験を通して自他の差異に気づくことで自分自身のユニークさ(独自性)に気づく機会となることをプログラム実践例を紹介しながら示した。

 指定討論者の三川俊樹氏(追手門学院大学心理学部教授、キャリア開発部長)からは、上記3名の報告受けて、大学生という発達期を捉える視点の重要性、学生の個別性についての自覚とそれに基づく対応、大学コミュニティにおける教職員の協働、学生に与える親世代の影響力を考慮する必要、の4点が効果的な学生のキャリア発達支援には欠かせない視座であることが示された。

 

【シンポジウムの成果】

 現代の大学生へのキャリア教育の実情とその必要性に関する理解に基づき、キャリア支援、学生相談の個人面談とプログラム実践の3つの立場から、それぞれの取組が事例を交えて具体的に紹介され、課題が挙げられた。大学全体の様々な視点から連携、協働してキャリア支援を行う必要性と可能性が論じられた。

 参加者からは以下のような感想があり、本学のみならず他大学の学生支援にも役立てていただけるものと考えられる。

  • ・一人ひとりの学生と向き合った対応の重要性がよくわかった。
  • ・キャリア発達支援が就職活動と結びつくのが理解できなかったが、全て払拭された。
  • ・大学の役割を見直すきっかけを与えられた。
  • ・キャリアセンターと学生相談部署との連携による、学生支援の新しい展開の方向性が見えてきた。
  • ・連携とは人とのつながりであり、信頼感を持ち合うことと学んだ。
  • ・事例紹介など非常に参考になった。
  • ・一人ひとりのシンポジストから学生を思う熱意が伝わってきた。

 

【今後の事業への反映】

学生の視点に立った支援のあり方が、参加者個々の現場での実践に反映されるとともに、大学教育のひとつの側面として学生支援を考え、大学施策に反映されることが期待される。

 

【参加者数】

 156名

 (本学教職員30名、他大学学生相談関係教職員45名、他大学教職員35名、学生7名、一般13名、不明26名)

 

(2008.2.掲載)

 

 

昨年のシンポジウムの様子はこちら

 

 

 

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