【陸上競技部】
今年マジ半端ないって
下馬評覆すんやもん?そんなんできひんやん普通
「最高だった」監督最後の関カレ
昨年17位からの大躍進
目前に迫る51年ぶりの”1部昇格”
男子2部
総合4位
昨年の男子2部総合17位から大ジャンプ!49年越しの4強へと名を挙げた。新主将・松浦岳(コ3)を筆頭に8種目で10人が入賞した。総合得点は2日目で昨年の17.16点にほぼ並び、4日間で43点を獲得。半世紀の時を超え、1部昇格が見えてきた!
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前主将・轟木を中心に3枚の賞状と部旗を掲げ満足げな笑顔を見せる選手たち【撮影・小西修平】 |
49年越しの金字塔
「最高の布陣だったが取れるとは思わなかった」。 新主将・松浦は振り返る。終わってみれば48年ぶりの男子2部総合4位。偉業の裏には10人の立役者がいた。
かつてない程に層が厚かった。高校時代にインハイ・国体2冠の板東(営1)は走高跳びで5位入賞。増井(営2)は昨冬からの好調を保ち初出場ながら800bで4位に入った。また、昨年けがに苦しんだ東川(済3)は100bと200bの両種目で決勝進出し雪辱を果たした。松浦は十種競技で鉄人ぶりを発揮。5位入賞で1人の選手としても役目を果たした。得点に絡める選手が確実に得点を重ねていった。
メダルの数も増えた。110bH連覇に挑んだ井口(営4)は格上相手に健闘し2位。4年目の正直で初めて「3」の台に上った走高跳びの杉本(観4)。 そして、執念の走りで文字通り3位に転がり込んだ4×400bリレーの4人だ。表彰台に立ったのは昨年の1人から、3種目で6人に増えた。会場に響く応援が力となり、総合4位を呼び込んだ。
不鮮明だった「1部昇格」が現実味を帯びていく。返り咲くための総合力は確かについてきた。代が替わり、その力は次の世代へ託される。
98代目を伝説に
新主将・松浦は「高校生らしさ」のあるチームを理想とした。仲間のために声を張り、喜びを分かち合える一体感が必要だと考える。ただし「やり方を大きく変えるつもりはない」。 土台になる考え方は、あくまで先代が目指したチーム像だった。
前主将・轟木(とどろき=コ4)は「当たり前のことを当たり前にできるように」と言い続けた。その前の主将、酒井(17年度卒)は「自己形成と他者の理解」を合言葉にしてきた。どちらも個を育てて集団を強くする目標だが、全体に浸透させるのは彼らにも難しかった。
だが、松浦になら実現できるかもしれない。そう思わせる強みがあった。それは「走る・投げる・跳ぶ」全ての種類を兼ね備えた十種競技の選手であることだ。十種目を練習するため多くの部員と練習する機会ができ、全体を把握できる。長く先代たちが届かなかった理想のチームへの糸口がついに見えてきた。
2部4位から2歩に迫る昇格へ。「非強化校」でくくられる立大にとってその2歩は遠い。しかし、半世紀近い時をかけて前へ進んだのは紛れもない事実だ。バトンを受け取った異色の新主将は、さらに先へたどり着けるのだろうか。(中野陽太)
【ボート部】
「めちゃくちゃ悔しい」
角谷
予選・準決で圧勝もロンドン五輪代表に3秒及ばず
全日本軽量級
銀
立大ボート部を背負うエース・角谷真緒(コ3)がシングルスカルで自身初の2位! 決勝で社会人の福本温子(トヨタ自動車A)に3秒差で惜敗し「まだまだだな」。 新たな課題が見つかった試合となった。
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決勝のレースを終え、表彰台で写真撮影に応じる角谷(左)【提供・ボート部】 |
父への銀メダル
表彰式直後、角谷は父の首に銀メダルをかける。だが、彼女の表情はどこか曇っていた。レース直後に込み上げてくる感情は、「悔しい」。 ただそれだけだった。「次は一番いい色のメダルをかけてあげたい」。 いつもレースに来てくれる父のために―。
予選、準決勝ともに1位通過だったものの「納得のいかないレースだった」。 角谷は中盤の500b〜1500bを強みとする。しかし、2日目の準決勝では体力も尽き思い通りにいかないレースになった。「決勝はもう次につながらないから」失敗しても成功してもやるしかない。気持ちで自分自身を切り替えた。
「朝来ちゃった」。 快晴の空とは裏腹に気分は晴れず緊張が襲う。「本番ではいつも自信が持てない」。 そもそも、シングルスカルでの出場は1年ぶり。今大会で今の実力を知りたかった。レース中盤、五輪経験者の福本を相手におじけづき加速するところも遅れてしまう。ラストは勢いを上げることができたものの追い上げることができなかった。力不足を痛感した。
優勝すれば立大史上初だったがあと一歩届かなかった。だが、学生の中では圧倒的1位。父からは「お疲れ様、ありがとう」。
安心の源
勝ちにこだわるのには他にも理由がある。寮生活を始めて3年目。食事の用意から朝練のビデオ撮りまで、いつも近くで自分を支えてくれたのはマネジャー。その存在は試合前に自信が持てない角谷にとって安心できる源だった。
ボートのレースは後ろ向きにこぐため、自分より上位の姿は見られない。だから「自分の位置が分からず不安」。 頼れるのは選手の横を並走する自転車の声援だけ。「あと何艇身」の声で相手との差を知ることができた。「できるぞ! いけるいける」。 こう声をかけられると、弱気な自身を奮い立たせることができた。
「結果で恩を返したい」。 いつしか角谷はマネジャーに対しそう思うようになっていた。「自分がただ勝ちたいだけ」と思っていた1年生の時とは違う。今は誰かのために勝ちたい―。
今年の目標は、インカレと全日本でW優勝。今大会ではそれらに向けてさらなる「体力強化」という課題を見つけ自分自身の状態も知ることができた。支えてくれる人に結果で恩を返すため、今日も角谷はこぎ続ける。(林朋花)