春季リーグ戦2011

―岡崎啓介のラストイヤー―


 主将として迎えた今春、まさに激動のリーグ戦となった。今春の岡崎(コ4)を語る上で欠かせないキーワード、それは"怪我"と"復活"の2つ。これをもとに振り返っていきたい。



 「柱が抜けたので頭が痛かった」(監督)とリーグ戦前から不安視していたことが現実となってしまった。岡崎の戦線離脱だ。慶大との二回戦。センターに抜けるあたりを岡崎がダイビングキャッチを試みるも失敗。右中指剥離(はくり)骨折の怪我で戦線離脱を余儀なくされた。さらに一回戦勝利した立大だったが、守備のもろさから逆転負け。勝ち点を奪われ最悪のスタートとなった。

 それでも短い期間に気持ちの統一・優勝の瞬間をイメージさせたという。「岡崎は怪我をおして頑張ってくれました」(監督)、「怪我は自分にとっても無駄ではなかったです。(怪我があったから)チームが1つになってくれました」(岡崎)との言葉通り、立大の快進撃が始まった。岡崎不在の中、首位打者となった那賀(社4)を筆頭にリーグ戦通算300奪三振を成し遂げた野村を擁する明大から勝ち点を奪ったのだ。

 早大一回戦から復帰した岡崎はというと、三回戦で猛打賞を放ち、チームの勝利に貢献。さらにカギとなった法大戦でも勝負強さを魅せた。試合後、「負けたら優勝戦線から脱落することもあり、自分でもあまり覚えていないくらい集中して打席に入れました。打ててよかったです」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。法大二回戦では3点ビハインドの9回に1点差に迫る左翼本塁打。那賀の値千金となる本塁打につなげた。三回戦でも延長10回に中前打を放ち、サヨナラ勝ち。見事復活を遂げた。

 リーグ戦を振り返ってもらうと、「嬉しさ半分悔しさ半分です」。入部して初めての2位なので嬉しさもあるが、大学選手権を見ていると慶大が決勝まで行っているので、悔しさも残ったリーグ戦だったという。
以下、今春の成績である。

試合 打数 安打 本塁打 打点 四死球 打率
11 39 11 .282


 記者の方たちが決めるベストナインに選ばれ、第38回日米大学野球選手権大会の大学日本代表にも選出。「上手くアピールして、頑張りたいです」と抱負を語った。7月3日(日)〜8日(金)に米国で開催される予定だ。最後にラストシーズンに向けてのチームと個人的な目標を聞いてみた。「チームは2位になって自信がついたと思うのですが、それが過信にならないことが大切。今まで以上にポイント、ポイントを押さえた練習をしていきたいです。個人的には怪我なくやりたいですね。今まで7季戦ってきて先輩たちの涙を見てきたので、チームの勝利で終われればこの上ない喜びだと思うので、頑張りたいです」と彼は言った。

 ――最後に笑う

 ラストシーズンに向け、今から動き始める。

次回は那賀裕司(社4)選手です。

(7月3日・石井文敏)


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