春季リーグ戦2011

―小室正人の歩む道―


 昨秋(防御率1.40=リーグ3位)・今季(6勝=リーグ1位、ベストナイン)と2季連続で機能し、結果を出した小室(済3)。エースに上りつめるまでの過程と目指す新境地を探る。




 まさに圧巻の投球だった。東大一回戦。東大打線を8回被安打5、奪三振4で無失点に抑えリーグ戦6勝目を飾った。立大での1季6勝は59季ぶり81年秋、野口(元西武)以来の快挙であった。

 以下今季の結果である。

試合 打者 投球回 安打 四死球 三振 自責点 防御率
10 267 662/3 52 22 43 10 1.35




 昨秋リーグ終盤戦、炎症を起こし、無念の戦線離脱。そのため冬には肩・肘のインナーを鍛え、走り込みを増やしスタミナ強化を図った。迎えた今季も「去年まで空き週は休んでいましたが、今季は投げ込み、トレーニングなど強化期間に充てました。シーズン中もシーズン前と変わらぬ練習をしましたね」と今季から就任した立花コーチ(元ロッテ)のもと精力的に取り組み、体重が1kgほど増量した。また後半戦カギとなった新球種のチェンジアップについては、「アドバイスをし、今季開始時までには遊べるようになっていました」と監督は評価する。昨春終了時から練習し続けていたチェンジアップが持ち球に加わり、その他ストレート・カットボール・スライダー・カーブで勝負。前半戦はストレートとスライダーを軸に、後半戦はストレートとチェンジアップを中心に凡打の山を築いていった。象徴的な試合は早大三回戦。試合後「チェンジアップを多用しました」と速球を痛打された2回以降は修正。リーグ戦初バッテリーを組んだ山田(コ3)との相性も抜群だった。早大打線を手玉に取り、立大の勝利に貢献した。

「6勝できたことは自信になりますが、2敗したことが悔しいです」と唇を噛みしめた。2敗したのは慶大三回戦と明大一回戦。「最終回の先頭打者は死球。その打者の前の打席を見ると内角に投げる必要があったのかなと。配球面で冷静さを欠いていましたね」とサヨナラ打を喫し勝ち点を落とした慶大戦をこう振り返る。それでも三連投で139球を投じた明大戦。初戦は敗れたものの「2・3回戦は冷静に考え、抑えることが出来ました」とプロ注目の右腕・野村に投げ勝った。敗れた2戦を糧に白星を重ねていったのだ。

 「野村さん(明大)よりも四死球が多い。無駄な走者が多かったです。終盤戦、変化球に頼りすぎているところがあったので、自信を持ってストレートを投げられるように、伸び・キレ・コントロールの精度を上げていきたいですね」と飽くなき向上心を見せる。2年春から中継ぎで結果を出し、新人戦優勝、秋でも1勝ながら防御率1.40(リーグ3位)、今季も6勝(最多勝)・防御率1.35(リーグ2位)・ベストナインに選出。まさに立大の顔になりつつある。「優勝に近付けたことは秋に向け自信になります」。取り組んできたことは間違いではなかった。慶大戦では終盤まで立大ペースで試合を進めただけに悔いが残る。「勝ちゲームを勝てないのが響いてしまいました。接戦をものにできるチームを目指していきたい。個人的には連投できる体力を付け直すことです」と力強くそう語ってくれた。

 "負けない投手になる"

 優勝の瞬間、マウンドに立っているのは背番号13の小室正人なのかもしれない。

(7月7日・石井文敏)


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