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英語の名詞をきわめる --可算名詞と不可算名詞の使い分け-- 小林悦雄 |
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補遺 1 | 補遺 2
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1. 複数名詞(plural nouns) the creeps/goose bumpsなど
2. potato chipsは複数名詞か?通例は複数で使われる名詞: surroundings,elevensesなど
3. We have a nose.かWe have noses.か。They shook their head/heads?
4. Englishes
5. Fruit and Food
6. Energy and Power
7.Savings
8.Distributive Singular and Distributive Plural(配分単数と配分複数) Children must be accompanied by parents/a parent?
9. 複数形に見える単語
debris
summons
10.単数形を使うべきか。複数形を使うべきか。 Congratulation!/Congratulations! meet expectiation/expectations? 頭がよいはa good brain/good brains?
11. Staffについて
12. We are a star.について
13. rashは可算。diaper rashは不可算?
14. cattleの複数はcattleそれともcattles?(アマゾンのカスタマーレビューに関連して)
15.cattleはどうやって数えたらよいのか。
16. 可算でもあり、不可算でもあり、複数名詞でもある mass
17. soupは物質名詞か。演繹と帰納
18. 不規則複数形:genusの複数形は?
19. Elementary, my dear Watson.
sidekick?

20. homeworks とwaterworks
21. have a sniffle
22. Kazuo Isiguro 浮き世の画家
23. belongings
24. tatterかtattersか?
25. the small of my back?
26. 海賊はpirate、では山賊は?
27. 外反母趾という語句は?
28.名詞としてのrightとwrong
29.名詞としてのgoodとbad
30.physician extraordinaryと発音.帰国子女
31. on a first name basis=on first name ?
補遺 (2)

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まめこさん、コメントありがとうございます

剛田雅史さん、2016年8月5日付けのコメントありがとうございます。

がっかりさせてしまって申し訳ありません。
名詞に関する法則は伝統文法の中で確立されていると思います。(可算、不可算、抽象、物質など)日本語ではこの法則を使う必要がありません。例えば、
ひとつ大きな宿題/問題が残った。
のように、homeworkもproblemに相当する名詞も同じように扱えます。英語的に言えば、日本語の「宿題」は可算名詞でもあり、「宿題はきらいだ」のように抽象的な不可算名詞でもあります。
宿題が数えられるか数えられないかなどとは考える必要がないため、英語のhomeworkの扱い方をあらたに理解しなくてはいけません。新しい名詞に出会うたびに検証していかないと正しく使えません。
英語母語話者も法則を自分で確立しながらひとつ一つの名詞についてことばと実際の対象とを照らし合わせながら経験的な学習過程を経て来ていると思います。
この本は大学での英文法と英語学と言語修得論そして言語教育法の基礎的概念を融合しようとしたものです。高校生が英語についての理解を深めることもできます。概念的な理解が具体的な名詞を通して法則につながることを希望します。理解と使用の間を行ったり来たりしながら、習熟していくための学習経験が必要です。一度の理解だけで満足してしまうのがこれまでの語学学習だったように思います。これまでの入試は理解力を試す問題がほとんどですからそれでよかったのですが、実際に使えるかどうかを試される試験に対しては不十分でした。そうは言っても、日本では日常的に英語を話したり書いたりする必要がありませんから、習熟という段階に至るのは難しいことです。毎日英語で日記を書いたり、英語の文章を音読する。そういう基礎的な練習の中で語彙を増やし、語法を学び、表現を学ぶしかありません。私の本は学習者は文法の理屈はもう分かっている筈だから、個々の単語をもっとたくさん学んで欲しいと思いながら書きました。
中学高校で学んだ基礎的な語彙の外側にある単語に焦点を当ててみましたが、その単語の周辺にまだまだたくさんの日本人に取って未習熟の語がありますので、この本を参考にさらに周辺語彙を理解修得してください。

映画「探偵物語(1983)」と立教大学池袋キャンパス

複数名詞(plural nous)

greens(菜っ葉系の野菜)

青い(緑の)葉っぱや茎の部分です。
生、あるいは調理した青野菜の意味もあります。

Eat up your greens.(野菜を残さないで食べなさい。)

greensは単数形にしてa greenということはできません。でも間違えて使う人は少なからずいるようです。世界中の人が気にせずに使っていれば、いずれ準正用法になるでしょう。

*Spinach is a green.

では、one of the greensはどうでしょうか。それもだめです。複数名詞は不可算名詞ではありませんが、いつも複数形で使われる名詞です。oneはone greenということですから使えません。しかし、現実にはそういう間違いは見つかりますので、話す時にはあまり気にすることはないのですが、書く時には気をつけてください。

*Spinach is one of the greens.

数える場合には、数詞を避けて、many, some, any, a lot ofなどのおおざっぱな形容詞を使います。指示代名詞はtheseとthoseの複数形を使います。

We are growing many greens.
私達はたくさんの(種類の)葉っぱ系の野菜を作っています。
These greens originate in Mexico.
これらの葉野菜はもともとメキシコが産地です。
*This green tastes like spinach.
-->These greens taste like spinach.
Spinach is a type/kind of green vegetable.
ほうれん草は葉っぱ系の野菜です。

辞書の定義は次のようになります。
コリンズ
“The edible leaves and stems of certain plants, eaten as a vegetable. plural noun”

調理したものについても使えます。
⇒ You must eat your greens.(野菜を残してはだめだよ。)
(http://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/greens)

ケンブリッジ
“The leaves of green vegetables such as spinach or cabbage when eaten as food.”
(http://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/green)

travels(旅行)やmanners(作法/行儀/マナー)が単数に分けることのできないように、greens(緑色野菜/青野菜)も単数に分けて使えない名詞です。vegetableでしたら可算名詞ですから単数で使えます。


greensを数えたければ、量で表現します。
a pot of greens
a small amount of greens
a lot of greens
eat tons of greens

Spinach is a type/kind of leafy green vegetable.

Spinach is a vegetable.

複数形ですから、動詞も複数呼応となります。

たとえば、mustard greens とは芥子菜(からしな)のことです。西洋芥子菜と日本芥子菜は葉っぱの形状が少し違いますが、ぴりっとした辛みがあるのは同じです。アブラナ科です。leaf mustardとも言います。

Mustard greens have a lot of vitamins.
芥子菜はいろいろなビタミンが豊富です。

Leafy greens contain nutrients good for the eye.

Which leafy greens are the healthiest?
Some say mustard greens are. They have a lot of vitamins.
単数で使いたければ、a green (leafy) vegetableとすればよいのです。

Spinach/Lettuce/Cabbage is a green (leafy) vegetable.
Spinach, lettuce and cabbage are green/leafy vegetables. They are called greens.
しかし、これもまちがえやすいため、a greenが使われる例を見かけることでしょう。話し言葉の時はそれほど気になりませんが、書く時には気をつけましょう。
*Spinach is a green.=>Spinach is a leafy vegetable.
greensは複数で、これを菜っ葉形の野菜の意味で単数形にして使うことができませんので、one of the greensという言い方もできません。しかし、one of ~の形で複数名詞を使うとなんとなくいいかなという感じになってしまうことは確かです。
*Spinach is one of these leafy greens. Spinach is one of these leafy vegetables.


Leafy vegetables are spring greens, winter greens, spinach, etc.
Some greens are sweeter than others.

色としてのgreen(緑色)は可算にも不可算にもなります。
a mixture of greens and blues
a mixture of greens and one blue


travels

これも分けることができない複数名詞です。日本語的感覚では分けてもよさそうなものですが、分けられません。
a series of travels
a photographic journal of travels
It’s a book of travels by a Danish diplomat when he was stationed in Calcutta.
on my travelと単数形にしたい場合には、travelを形容詞的に扱ってもうひとつ名詞句を持って来なければいけません。
You can see all my travel adventures in this movie.
Morocco is definitely on my travel bucket list.
I posted a new article on my travel blog.
次のような文はときどき見かけます。

? *On one of the travels, I met a former Japanese prime minister.

違和感をほとんど感じませんが、よくよく考えるとoneがone travelとなってしまってよくないのです。travelsやgreens, rapids, mannersなど、あるいはまた海域のwatersなどの複数名詞はもやもやとした連続した不可分の構成素で成り立っていて、細かく分けることができないからです。
分けるとしたら、ある範囲とか種類とか、ボリュームとか重さなどで分けることはできます。

manners
mannersは質的な複数名詞ですから、数えることがあまりないようです。a variety ofとかa lot of、manyなどは使おうと思えば使えます。a kind of/a list of/an example ofなどが使われます。

There are so many manners we have to learn.
There are two important kinds of manners in this house.
Here is a list of good manners.


方法、やりかた、態度などの意味ではmannerは単数形でも使えます。wayよりも固い表現です。
Do you always handle the requests from customers in that manner?(そういうやり方で客に応対する。)
She sometimes treats people in a fake-polite manner.(慇懃無礼な扱いをする。)

rapids(早瀬)

a set of rapids
We entered the new set of rapids.
There are at least ten sets of rapids.
There are different types of rapids here.
There are six types of rapids.
These two stretches of rapids are most dangerous.

*one rapid, *two rapids, *three rapidsなどのように数詞は使えませんが、goodsと同じように具体的でない数を示す形容詞や形容詞句のmany /a lot of/tens of/dozens of /hundreds ofなどは rapidsに使えます。

The Rio Grande has a lot of/hundreds of rapids.

種類やひろがりなどによって分類します。
You can see all sorts/kinds of rapids.
There are a number of rapids in this river.
You will know that there are various types of rapids.
Now can you see those rapids? Six different areas of rapids are expected to emerge near the bridge.
These types of rapids are usually accompanied by whirlpools.
There are two sets/series/stretches/sections of rapids.
There are six types of rapids in this river.
The length of the rapids is about 20 feet.
The size of these rapids is larger than the others.
The total length of the rapids is 800 meters.

呼応について

上記のrapidsの例文でもお分かりのように、複数名詞は複数動詞あるいはthese/thoseなどの指示形容詞と呼応します。
watersも同じです。ただし、主語がrapidsやwatersなのか、あるいはそれらのサイズなどなのかどうかを注意してください。
例えば、a stretch of watersは、厳密には複数として扱われるはずなのですが、stretchに焦点を当てて単数で呼応することがあります。この辺はstretchかwatersのどちらかが意識にあるかで決まるでしょう。
厳密な文法ではwatersは複数として扱います。a large number of peopleを例に取ればなぜだか分かるかと思います。しかし、どのくらい多いというのかという疑問文はnumberに焦点を当てて、How large is it?であって、How large are they?ではありません。
This is/These are the most dangerous stretch of waters.

そして、その海域の広さはと聞くような場合には、主語が広さ(size)となりますから、その場合はwatersが主語でなく、sizeという単数主語との呼応関係となります。
What is the size of the waters?
What is the name of the waters?



remains

これも複数名詞です。意味は3つあります。

残り物
遺跡、遺物
遺骨、遺体


残り物はひとかたまりになっていてひとそろい、一組と考えられます。

Mike gave the remains of the meal to his hens.
マイクは食事の残りを彼の雌鳥に与えた。

遺跡もひとつひとつ数えればpiecesとかpillar(柱)などが見分けることができる名詞ですが、遺跡はそういうものがいっしょになっててひとつの場所となっていますから、小さく分けることができません。

They excavated the remains of a Roman temple.

遺骨も一組ということになります。

The University Leicester discovered the remains of Richard III in August 2012.

The remains of Buddha were cremated and the ashes were divided and placed in eight stupas.
仏陀の遺体は火葬に付され、灰は分けられ八つの納骨堂に納められた。(stupaはサンスクリット語に由来する語。日本語では卒塔婆になった。)

Kazuo Ishiguroさんの小説にThe Remains of the Day (1989)というのがありました。邦題は「日の名残り」です。 一日の残りというとどのあたりになるのでしょうか。午後から夕方だと考えられます。小説では主人公の晩年の人生という意味で使われています。

We spent the remains of the day wining and dining.
(一仕事終えた後)その日の残りの時間はワインを飲んでおいしい物を食べて過ごした。

この単語は連続する時間を表したり、一組とかひとそろいの印象がありますから、なぜa remainという単数形が使えないか少し理解できるような気がしますが、皆さんはいかがでしょうか。

その他の複数名詞

outskirts

police

goods: We have many goods. We have many kinds of goods.

contents (中身、内容)(含有量、要旨の意味ではcontent)

looks:have good looks(容貌)しかし、(目つき、顔つき)は、a look

My father had a worried look about my job, but remained silent. (心配そうな顔つきだった。)
=My father looked worried about my job.

He didn’t care about losing his looks.
(容貌が衰えて行くのを気にしなかった。)

arms(武器):We have many arms. We have many kinds of arms.

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March 11th, 2016




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