生活と防災についての市民意識調査
ご回答へのお礼と結果のお知らせ(速報)
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2012年1月
調査主体 東京都豊島区西池袋3-34-1
立教大学社会学部教授 間々田孝夫
調査担当 准教授 村瀬洋一
e-mail murase○rikkyo.ac.jp
仙台市青葉区荒巻字青葉 東北大学情報科学研究科
政治情報学研究室准教授 河村和徳
先日は、私どもが実施いたしました調査にご協力いただき、まことにありがとうございました。みなさまのご理解により、貴重な調査結果を得ることができ、深く感謝しております。仙台市全域の2100人を対象として実施し、これまでのところ1532人(回収率73%)のご回答をいただいております。これは、主な項目について結果を要約したものとなっております。
なおご回答いただいた方には、印刷した速報を2月初めに郵送でお送りしましたが、表札がない場合など、郵便で届かないことが一部あるようです。大変申し訳ありませんが、ご連絡いただければ郵送のものもお送りいたします。内容は、以下のものと同様となっております。
今後数年かけて、調査結果をさらに分析し、復興政策に生かすよう努力し、学会や学術論文にて発表していく予定でおります。この調査に関するご感想や、より詳しい分析結果等に関してお問い合わせがありましたら、上記担当者までご連絡いただけますよう、お願い申しあげます。
調査実施の概要
2011年11月23日 学生が訪問して調査票配布
11月24日以降 学生調査員が訪問して回収
立教大学と東北大学の共同での社会調査
予算 立教大学内の震災関連研究費(研究代表者 社会学部教授間々田孝夫)
調査実施担当 立教大学社会学部准教授 村瀬洋一
母集団 仙台市全域の20歳以上の男女
標本抽出法 無作為抽出法(確率比例2段抽出法、層化はしない)
選挙人名簿の人口分布に基づき仙台市内の70地点を抽出
1地点から30人の個人を抽出
調査対象者数 2100人
有効回収数 1月31日現在 1532人 回収率73%
回収期間 2011年11月24日から11月27日
回収法 留め置き調査法 事前に配布した調査票を、11月27日まで学生が訪問して回収
その後に郵送で返送していただいた回答者もおり、1月前半まで回収継続
1.一般的な社会意識について
1.1.生活満足感
現在の自分の生活について、「満足」と「どちらかといえば満足」を会わせて、男性では8割、女性では8割以上が、生活に満足していると回答。女性の方がやや満足感が強い。
周囲の人間関係については、多くの人が満足と回答。
1.2.社会への不公平感
今の世の中について、「公平だ」と「だいたい公平だ」を会わせて、男性で2割強、女性でほぼ2割が公平と回答。男女とも、不公平という答えの方が、圧倒的に多い。生活満足感と比べ、社会に対する評価は厳しいようだ。女性の不公平感は男性よりも強い。女性の方が、社会の中で多くの不公平を感じていることの反映であろうか。
1.3.国や地方の仕事
国の仕事ぶりへの満足感は、男女とも2割前後と弱い。市や県については4割前後で比較的満足感が強い。
1.4.地震の時にいた場所
男性で8割、女性で9割ほどは、仙台市内にいたと回答。男性で、仙台市外にいた人は女性より多い。
1.5.被災者としての認識
男女とも5割近くの人が、自分を被災者と思うと答える。思わないという人は男性で26%、女性で18%である。どちらともいえないも3割前後ある。
2.生活への不安感
2.1.将来への不安感
今後の生活について不安を感じる、という問に対して、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」を合わせて、男性6割以上、女性7割以上が、不安を感じると答えている。全般的に、将来への不安感が強い。
今後の収入見通しについても、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」を合わせて、男女とも6割近くが、下がる可能性が高いと答えている。
2.2.不安感と仕事上の状態との関連
働き盛りの40代、50代に絞って、不安感と従業先の企業規模の関連について分析した。将来への不安感は、男性では自営業や中小企業勤務の人が強く、自営業では7割以上が不安を感じると答えている。女性では自営業者の不安感は小さい。小企業勤務者は8割以上が不安感を感じると回答し、大企業や公務員は75%である。しかし女性は、パートなど非正規雇用の人も多く、回答者が多様なので分析が難しい。
2.3.政府への不信感、近所づきあい変化
震災後の、国や政府への不信感は、男性より女性がやや強く、女性でほぼ8割が、震災後に不信感が強くなったと答えている。
近所の人達とのつきあいについて、男性でほぼ5割、女性で6割が、震災後につきあいが深まったと答えている。震災後に、何らかの変化があった人がいるようだ。
3.近隣との人間関係
町内会役員とのつきあいに関しては、男女差はあまりなく、「かなりつきあいがある」、「少しはつきあいがある」を合わせて、男女とも3割以上が、つきあいがあると答えている。女性の方がやや多い。
地方議員とのつきあいは、男性で1割強、女性で1割弱がつきあいがあると回答。人間関係の保有は、地域社会に関するもの以外では、男性の方が多いようだ。
4.地震による被害
震災による被害は、自宅の建て替えは数%だが、自宅の修理は5割前後ある。家の中のものが壊れた人は、男性7割強、女性8割強である。自分自身がけがをした人は数%だが、友人知人のけが、死者はある程度がある。
損害金額は、男性60代が253万円と、もっとも多い。若い人は、保有財産が少ないためか、損害も少ない。
停電や断水、ガス停止の数字に誤りがありました。一旦削除します。失礼いたしました。
5.生活の変化や節電
支出の変化について、貯金や財産を切り崩していると答えた人が2割ほどいる。レジャー費切りつめは約3割、洋服代の切りつめは、女性で4割近い。今後の景気への影響が予想される。
節電については、冷房や照明など、何らかの努力をしていた人が多い。とくに行わなかった人は、男性は7%と、女性よりやや多い。
震災後の収入については、「減った」「少し減った」を合わせて男性で24%、女性で32%が減ったと答えている。
震災後も仕事が変わっていない人が多いが、変わったという人も4%いる。
治安が悪くなったと答える人は少ないが、男女とも1割ほどいる。
震災後しばらく、よく眠れないことがあったという人は3割ほどで、男女差は少ない。
寒さ対策に苦労したり、体調を崩した人は、女性の方が多い。
6.回答者の基本属性
男性の40代、50代の働き盛りは、女性と比べて比率が少なめである。
男女とも約4割が高卒。男性の大卒以上は4割、女性は2割である。女性は短大高専が15%、専門学校卒も2割ほどいる。
住居の形態は男女とも持ち家の一戸建てが6割ほどである。仮設住宅は1%ほどである。