Power of Diversity

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ごあいさつ

 このホームページは多様性を力とするための協働研究プロジェクト活動の経過と成果を報告するために作られています。この研究プロジェクトにおいて「多様性」という言葉は当初言語的文化的多様性を持つ子どもたちに特化して使われていましたが、現在では障がいを持つ子どもたちを含め、より多くの人々を包括する概念として使われています。教育(pedagogy)では常に何かを教えることが基準となるため、一つの価値に向かって進もうとするところがあります。しかし、一人一人の学習のあり方は多様であり、それぞれの成長はそれぞれに固有な学習過程を通してなされるものです。また、学習は教授に従うだけの受動的な過程でもありません。学校教育を中心とした教授は学習を支える資源を提供しますが、同時にそれを抑圧するものとなりやすいこともよく知られているところです。この協働研究プロジェクトでは多様性に配慮した学習環境をデザインしていくため、学習と教授の概念的再考を進め、同時に実際に多様性を重視した学習プログラムの開発を行っています。

 既に第一期(https://sites.google.com/site/podiversity/home)が終わり、現在二期目に入っていますが、重視しているのはパフォーマンス・アートに媒介された学習活動の研究です。ここでいう学習活動とは学校における教科知識の獲得に限定されず、自らの発達を促す、主体に変化を促す活動のすべてを指します。知識獲得は社会的関係の構築や自己のアイデンティティの交渉と密接に絡み合っており、この三者の統合的な学習を可能にする活動こそが発達を推し進めることができると考えているからです。私たちは海外にルーツを持つ子どもたちが学ぶ場、あるいは市民の生涯学習の場、さらには障がいを持つ子どもたちの成長支援の場など、まさに多様な子どもたちを社会的に包摂する学習実践団体と協働しながら、パフォーマンス・アートに媒介された学習活動の研究を進めています。

 ホームページ上にその経過と成果を公表するのは、研究成果を社会に還元し、多くの関係者の皆さんから批判的検討を受けるためです。おそらく同じような思いを持つ教育実践者、教育研究者は少なくないはずです。緩やかな形で多くの方々と協働し、それぞれが持つ多様性を自らと社会を豊かにしていく力とするには何が必要なのか、一緒に考えていきたいと思います。パフォーマンス・アートに媒介された学習支援プログラムの開発に向けて、実践現場の人たちと協働しながらアウトリーチ活動も積極的に行っています。本研究に関心がある方、実践団体は是非気楽にお問い合わせ下さい。

2017年9月7日
    
研究グループを代表して 石黒広昭(立教大学)


(現在)言語的文化的に多様な子どもたちのパフォーマンスアートに媒介された学習活動の研究 (科学研究費助成事業 基盤研究(B)17H02710)

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