ここでは心理学を全く知らない人のために簡単にどんなことを扱う代物なのか説明します。


心理学そのもの全般
について言うと・・・
「心理学とは行動の科学」
などと言われてます。
簡単に言うと,「人間というのはこういうものだ!」というのを追求するもの。

 心理学科などの心理を専攻するところを志望したとき,心理はだいたい文系として扱われ、大学受験に必要な科目は文系科目をがんばれば行けるようです。心理学は文字通り「心の理学」なのでどちらかというと理系の科学的な思考を必要とするものですので,科学の一領域と考えるのが妥当でしょう。
でも実際科学的なことをしたくて心理学科などに入ってくる人は少ないようで(これを書いてるHP管理者もその一人)入学してから苦しむ人は少なくない…はず。

 
 心理学の全般的な説明は以上のような感じで,もう少し詳しく見ていくと心理学はさらにいくつかの分野に分かれています。その代表的なものをここでは説明します。

 分野それぞれを説明する前に心理学の研究おける5つの考え方(アプローチの仕方)について書かせていただく。
その5つとは,
1.生物学的なもの
(神経や脳など生物学的に研究)
2.行動的なもの(観察可能な行動を研究)
3.認知的なもの(知覚や記憶の心的過程について研究)
4.精神分析的なもの(無意識について考える)
5.主観主義的なもの(現象学的なことについて考える?←よくわからないので誰か教えてください)

となってるらしいです(『ヒルガードの心理学』より)。
 どんな心理学の分野でもこの5つのアプローチのどれかを時には折衷して使い,研究しているのがほとんどみたいです。


それではそれぞれの心理学の分野の説明に行きます


1.学習心理学

 基礎心理学の一つ。基礎心理とは社会にそのまま応用するように研究するのではないという感じの意味といえばよいのでしょうか。あまりいい説明ができませんが。基本的な内容で簡単だとか入門的なものとかといった意味ではなさそうです。
さて,この学習心理学ですが行動分析と呼ばれるものがこれに相当しますので,まさに行動の科学です。結構,多くの人に支持が得られる分野で人気があるような気がします。私の周りではとくに男性にファンが多い。

 内容としては行動は刺激の後のその反応であるという考えからひたすら人間の行動を説明したりします。ハトなどの動物を使った実験による研究が多く,その内容は極めて科学的で数字をもって人間の行動が解明されることが多いため納得しやすいものです。
本気でやるには動物を使うので心理学研究会ではこの分野を研究するには教授の方々との交渉が必要かも・・・

有名な理論や実験:パブロフの犬(心理学者じゃないけど),ソーンダイクの効果の法則、スキナーの考えの全て

もっと知りたい人は「条件付け」について調べてみてください


2.知覚心理学

これも基礎心理。人間における刺激の知覚について研究する。私の周りでは不人気な心理学。
内容が他の心理学に比べ難解でわかりづらいものが多い。しかし,その分理解したときの嬉しさは異常。

人間の五感というものはいかにして知覚されるか生物学的な方法でメカニズムを示すとともに,科学的にこう感覚されるであろうというものと実際の人間の感覚の違いなどを発見したりする。

例:錯視・・・見えているものが実際のものと違って見える。視覚は脳(心)が作り出した幻想なんだ!みたいな(言い過ぎか)。

他にも高いビルがあるところと無いところでは月の大きさが変わって見えるとか(まわりの物体で大きさを比較できるから?)です。


3.認知心理学
これも基礎心理なはず。記憶や思考について扱う。人間をコンピュータと考えて入力と出力みたいな風に考えたりもする。

記憶のメカニズムを解明したいとか人間の思考過程に興味があるという人にはたまらないでしょう。

代表的な理論
・ギャンブラーの誤謬…例えばサイコロを振ったときずっと「3」の目が出たから次は「3」以外のものがでるだろ,と考えてしまうこと。常に確率は6分の1です。


4.発達心理学 
乳幼児期から老年期までの人間の発達過程というものに着目して研究するもの。
赤ちゃんや子供を扱う研究がほとんどのような気がする。
具体的にはどの成長段階でどんな能力がつくのかとかを扱う。

例:ピアジェの発達段階説及び保存の実験
 2〜7, 8歳の子供は思考が知覚に支配されているので,同じ量の粘土のかたまりを2つ用意して1つを長く丸太状に引き伸ばすように丸め,2つのうちどちらの粘土が 多いか聞くと長い方が多いと答えてしまう。ぱっと見の見た目で判断してしまうってこと。成長すれば長くとも細いことに気づいてくる(相補性)。


5.社会心理学

人間の人とのかかわりなどの社会的活動について研究する。
日常で使えるものや見られるものを扱うためかなり多くの人に親しまれやすいもののように思う。
具体的に説明しようとするといろいろありすぎて難しい。日常の人間行動や現象に疑問が浮かんだらとりあえずそれは社会心理の扱うものとしてよいのではないだろうか。人はなぜブランドものを買うのか?とか。

有名な理論など
ジ ンバルドの囚人実験…一般の実験参加者を募り,囚人と看守に別れて擬似的に監獄を再現。どう行動するか見たら看守役の人は囚人役の人に対して攻撃的な感じ になり(虐待とかが見られた),囚人役の人は服従的になっていったという実験。人は与えられた役割に適応していくということ。ちなみにこの実験は「エス」 というタイトルで映画化されてます(内容は面白くするため脚色され暴行により死者が出たりしてますが)。

ミルグラムの服従実験(アイヒマン実験),アッシュの同調実験といったものが有名で実験に面白いものが多い。


6.臨床心理学

カウンセラーとか言ったらわかりやすいのだろうか。心の病気とかに対するいわば現場の心理学。
常 に有効性を求めるので科学的でないものもある。科学にとらわれていては人間一人ひとりの心の理解は難しいからという理由がある。心理療法を扱うので一般の 人とは縁があまりない。臨床心理士などそういう職につくことを考えている人にしか人気はない(でもそういう職を目指す人は多い)。
性格診断などのアセスメントもこれに入ると思われる。

有名なもの
内田・クレペリン検査…地道な算数の計算をひたすらやらせてその人の特性を測る。就職試験などで使われたりする。やると腕がかなり疲れる。

バウムテスト…樹の絵を描いてその人の心の状態を診断するテスト。熟練したセラピストにしか診断できないけど。

精神分析…フロイトにはじまる臨床心理の基礎。無意識の存在に着目して心の異常をどうにかする。今ではもう古い学問とか言われたりしている。夢分析とかはこれ。



心理学はもういい