立教スポーツ第133号 <7月5日更新>
準硬式野球部
4季ぶりAクラス
予想以上の大健闘―。主力選手の引退で、大幅な戦力ダウンを余儀なくされた今春の本学準硬式野球部。だが、ニューパワーの台頭と選手達の結束力が今年のチームを強くした。
4月15日〜6月4日、早大東伏見グラウンドなどで東京六大学春季リーグが行われた。接戦の連続の末、勝ち点3で4季ぶりのAクラスとなる3位に食い込んだ本学。その熱く激しい戦いの軌跡を、今振り返る。
熱戦の連続 法大戦(1勝2敗) 4月22日 3−6●
23日 4−0○
24日 2−8●
去年の秋の覇者・法大が相手の初戦。本学は初回に先制したが、結局逆転負けを喫してしまう。しかし翌日、連投のエース・絹田(法4)が散発4安打に抑える好投を見せ見事今大会初勝利を完封で飾った。3回戦は主将三ツ木(社4)が本塁打を放ったものの法大の猛攻に遭い大敗。勝ち点こそ取れなかったが、昨秋全勝優勝の法大に対して1勝したことはチームにとって大きな自信となった。
東大戦(2勝0敗) 4月29日 8−4○
30日 9−4○
第1戦、前半に4点を先取するも6回に2点を返され、流れは東大に傾きかけた。だが、本学は七回、四番山内(経4)の満塁本塁打で決着をつける。勢いに乗る本学は第2戦にも勝利し、勝ち点1を得た。
慶大戦(2勝1敗) 5月13日 4−1○
14日 1−10● 15日 7−3○
2回に守備の乱れから慶大に先制を許した初戦。だがすぐに絹田自身の犠牲によって同点とし、五回に3点を取り勝利した。しかし2戦目を落とし、勝負は第3戦へ。その試合は、初回に先制したものの八回に3点を取られ1−3。迎えた九回、土壇場で追いつき延長十三回の死闘の末、本学が勝利をもぎ取った。
明大戦(2勝0敗) 5月21日 2−0○
22日 5−1○
第1戦は初回に山内の適時打で早々と先制。四回に同点とされるが永谷(経3)のスクイズで再び勝ち越す。絹田も踏ん張って、粘る明大を振り切った。波に乗った第2戦は二回に瀬尾(経4)の2点適時打などで3点を先制し、快勝。連勝で勝ち点を3にするとともにAクラス入りを決めた。
早大戦(0勝2敗) 5月27日 2−6●
28日 4−8●
早大はここまで全勝、すでに優勝を決めている。本学はこのカードに早大の全勝優勝阻止と2位の座を懸けて臨んだ。だが初戦は序盤に6点を取られ、早々と勝負が決まってしまう。後がない2戦目、意地を見せたい本学は、二回に先制されたものの6回までに4点を取り4−1とした。 しかし全勝優勝を狙う早大はすざまじい反撃をみせる。九回に同点に追いつかれ、延長十回には4点を取られ逆転負け。ここまで精神力で力投を続けてきたエース・絹田だったが、早大の激しい粘りの前に遂に力尽きる。こうして春季リーグ戦の幕は閉じた。
結果、7勝5敗、勝ち点3の3位。2位こそ逃したが、1998年秋以来のAクラス入りを果たした。
(女良) 〜記事抜粋〜
結実の秋へ 今季予想外の好成績でリーグを終えた本学だが、秋に向けて課題もまたはっきりと見えてきた。
中でも深刻なのが、投手の人材不足だ。今季本学の快進撃の裏には、先に述べた通り、エースの絹田のフル回転があった。しかし、それは逆に苦しい時には絹田に頼らざるを得ないというチーム状況を如実に表しているとも言える。また捕手も、後継者問題に悩むポジションの一つだ。永谷が絶対の存在である為にかえって若手の育成が困難となっている。戦術面では相手チームに応じた戦い方を考える必要があることも分かった。
しかし、課題ばかりではない。長いリーグ中には、チームにとって大きな収穫もあった。若い選手の台頭である。堅実な守備で相手にすきを与えない大山(経2)、昨年秋季からクリーンアップをまかされている西澤(経2)、今季全試合スタメン出場を果たした結城(経2)、この2年生トリオの成長振りは目覚しい。そのほかに目を引くのは貴重な左腕投手の砂押(経2)だ。好不調の波はあるものの、それを克服すれば、来季必ずやチームにとってなくてはならない存在となることだろう。
このような下からの底上げでチーム内の競争意識も高まりつつある。三ツ木の主将としての自覚と奮起も今季はベストナインという形になって表れ、不動の四番・山内も安定感をさらに増した。
「勝利の後に順位はついてくるものだ」という絹田の言葉通り、着実に白星を重ね3位という結果を得たが、この順位に満足の色を見せるものはいない。片岡監督いわく「まだまだ発展途上のチーム」だけに、夏の成長次第では来季の優勝も夢ではない。「部員全員が勝つことの喜びを得られるチームを作りたい。これからは技術面に加え精神面の強さも求めていく。」そう語る三ツ木の目は真っ直ぐに「優勝」の二文字を見つめていた。
(寺岡) 〜記事抜粋〜
(写真上=勝利へ躍動 エース絹田
写真下=来季も期待の2年生トリオ
左から西澤・結城・大山)
400Mリレー 立大記録連続更新
−陸上競技部−
5月14日、国立競技場で行われた関東学生陸上競技対校選手権(関カレ)2部四百bリレー予選。レースはスタートダッシュの良い第一走者の岸(社3)が周囲の期待に応える好スタート。第二走者の岸本(経4)とのバトンリレーが合わないが、大きな遅れにはならない。第三走者・村上(理2)、第四走者・福山(経4)は問題のない走りでゴール。結果は自分たちが4月の東京六大学対抗陸上競技大会で作った立大記録を0秒40更新する好成績で予選を終えた。予選を四位で通過し、メダルも十分狙える位置にある本学。レースを通じて見つけた課題を修正し、6日後の決勝を待つのだった。
トラックに水がたまりだす強い雨の中、舞台を横浜国際総合競技場に移し2部四百bリレーの決勝が5月20日に行われた。本学は一番走りにくいと言われている一番外側の第9コースで走ることになった。一斉に走る体勢に入る。一瞬の間をおき、岸が絶妙のスタートを見せた。予選では合わなかった岸本とのバトンリレーも決った。しかし、村上と福山の間でバトンミスが起きてしまう。それが響き、結局7位という結果に終わった。
レース後、選手たちが口をそろえて言ったのは、「立教記録を更新した事は誇りに思う。しかし、最後の最後でミスをするところが強い大学との差」ということだ。
本学の短距離の歴史に新しい名を残した今大会。この結果が本学陸上競技部の1部復活への大きな一歩になってもらいたい。
(長井)
〜記事抜粋〜 (写真=新たな歴史を作った4人。
右上から時計回りに岸本・岸・福山・村上)
燃える応援魂 第47回「六旗の下に」−応援団−
母校の勝利を願う熱い六つの魂が、ひとつの地に結集する。それが、東京六大学応援団連盟祭「六旗の下に」である。47回目にあたる今年は6月10日、日比谷公会堂において開催され、多くの観客が六大学それぞれの個性あふれる熱演に酔いしれた。
連盟委員長・武内(明大)のあいさつの後、いよいよ第T部のステージドリル&チアリーディングステージが始まった。これは、吹奏楽部、チアリーディング部からの数名ずつで構成されたひとつチームが華やかな舞台を繰り広げるものである。チアリーダーたちのダイナミックな技、吹奏楽部員たちの息の合った演奏とステップに観客は大いに感嘆し、盛大な拍手が沸き起こった。
さらに会場の熱気を高めたのが、第U部の各校校歌、応援歌、拍手紹介である。東大早大の後に登場の本学は、小平(理4)による第一応援歌「行け立教健児」の演舞で始まった。見る者の胸を熱くするような力強さに、観客から大きな声援がとぶ。その勢いに乗るかのように、次の第二応援歌「セントポール」で、松本(社4)は迫力の演舞を見せた。その雄々しい姿に、一段と会場は盛り上がる。
続く応援曲メドレー。これは神宮球場での東京六大学野球で、本学がチャンスを迎えた際に一気に流れを引き寄せるためのである。団長・菊池(文4)小平、松本の4年団員によって演じられたこのメドレーは、突撃タンクに始まり、新応援曲、ファイトオン、立教ポパイ、第一応援歌、そして本年度から新たに「SPサンバ」を加え、まさに圧巻だった。
ライトにより赤く染まった舞台にリーダー部長・松本が登場すると、次は立教の勝利を祝し、勝者をたたえて舞う「伝統勝利の拍手」である。一拍子、二拍子、三拍子、三・三・七拍子と流れよくまとめ上げられ、すべての拍子において「静」と「動」の両極を表現するこの拍手は、卓越した体力と精神力を必要とする。それは立教のリーダー部長にのみなせる技である。中でも、背中を床すれすれまで近づける姿は観客の目をくぎ付けにし、大きな歓声が会場に響きわたった。
そして、校歌「栄光の立教」を最後にふさわしく団長・菊池が指揮をとり、迫力ある、パワフルに披露した。その姿に神宮球場とは違ったりりしさと、観客への感謝の気持ちが感じられた。
学生生活の貴重な青春のひとときを「応援」にささげる、彼らの母校愛は深い。選手、学生の心に届く応援とはいかなるものか―応援団の誇りを胸に彼らはこれからも切磋琢磨し続ける。
(佐藤、河野) 〜記事抜粋〜
(写真=圧倒的な迫力の4年団員。
上から松本、菊地、小平)
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