立教スポーツ第136号

<4月5日更新>

奮戦 全日本6位入賞 ─馬術部―


 昨年、35年ぶりの1部昇格を果たした本学。勢いをそのままに彼らは最終戦に乗り込んだ。
 JRA馬事公苑において11月1〜5日に行われた平成12年度全日本学生馬術大会。総合力を要する今大会で6位入賞。また、続いて行われた25、26日の全日本学生女子選手権大会でも久々の入賞者を出す目覚ましい活躍を見せた。

悔い残る6位



 主戦メジロワースを欠きながらも、本学馬術部は地区予選を見事突破し全日本に挑んだ。初日・2日目に行われた障害飛越競技大会。1回目の走行では、出場した主将・安藤(経4・メジロカイザー騎乗)、中里(理4・聖陽騎乗)、柳沢(法2・ファーストレコード騎乗)の3人がそれぞれの実力を存分に発揮し、強豪校を脅かすところまで迫った。だが、2回目の走行では好調を保てず、団体入賞を逃してしまう。
 迎えた3日目、本学が例年最も苦手としている馬場馬術競技大会には、蔵本(文4・メジロマッキャロン騎乗)が出場した。馬自身の経験が浅いというハンディを、「1カ月ぐらい前から息が合ってきた」と言うまでに克服した蔵本。個人13位入賞という素晴らしい結果を出した。
 そして最終種目の総合馬術競技大会。調教審査を他大と互角の成績で終え、続く耐久審査。安藤、高木(経1・聖冠騎乗)の目を見張る活躍で、上位入賞も夢ではなかった。しかし、余力審査で馬を思い通りに操ることができず安藤がまさかの三反抗失権。須磨(社3・ロングスパイク騎乗)、柳沢、高木が粘りを見せたが、またもや団体入賞を逃した。
 「(全日本の)独特の雰囲気にのまれてしまった」と部員たちは声をそろえて悔しがったが、結果は三大会の総合で6位という好成績。また高木も、総合馬術競技大会で個人14位に入賞し、安定した内容を示した柳沢と共に、新しい力の躍動と確実な成長ぶりを感じさせてくれた。

4年間の結晶

 馬術部の女子部員で、唯一全日本女子に出場を果たした蔵本。最後の大会ということもあり、試合に臨む姿勢には特別なものが感じられた。
 この大会は、4人一組でポイントを競い、上位2人が勝ち進むトーナメント制になっている。蔵本は危なげなく1回戦を突破したが、続く2回戦は接戦となる。専大の選手と同点になり、これを審判の総合的な判断にゆだねた結果、見事準決勝進出を決めた。
 準決勝では、終盤で馬との呼吸が合わず落馬するというアクシデントに見舞われ、決勝への道は惜しくも閉ざされる。とはいうものの、7位に食い込む健闘を見せ、4年間の締めくくりにふさわしい出来となった。
 馬術部は、女子部員が少ない。その中で頑張ってきた彼女の願いは、全国レベルの大会に、より多くの女子部員が出場すること。蔵本は4年間練習を重ねて結果を出した。きっと彼女の後輩たちも、大きな舞台で活躍してくれることだろう。


(写真=軽やかに馬場を駆け抜けるエース安藤とメジロカイザー)



(藤島・漆山)
〜記事抜粋〜

 

昇格への格闘 執念の2位−ラグビー部−

「今度こそAグループへ―」。
一昨年、目前に迫りながら果たせなかったここ数年来の悲願。これを胸に本学ラグビー部は関東大学対抗戦Bグループに挑んだ。
 開幕から苦戦が続き、上智大、成蹊大に敗れ苦境に立たされる。しかし、チーム全員の力を結集し、5勝2敗の2位でシーズンを乗り切り入れ替え戦にコマを進めた。

試練のリーグ戦

 なんとしても入れ替え戦に進みたかった。そのためには一つでも多く勝たなければならない。しかしそれは簡単ではなかった―。
 昨年9月17日〜11月26日、本学富士見グラウンドなどで関東大学対抗戦Bグループの試合が行われた。
 一昨年、全勝優勝を果たしている本学。ベストメンバーのうち2人がけがで抜け、不安の残るまま開幕を迎える。本学の動きは精彩を欠き、一昨年のように力でゲームを支配する事ができない。結果的には3連勝。だがいずれも5点差以内の辛勝だった。そして次の上智大戦で、さらに苦しい戦いを強いられた。
 本学は試合開始直後から積極的に攻撃をしかけ、先制トライを奪う.。その後も前への展開を図るが、その半面防御にはすきが生じていた。後半に入り、相手に一方的に得点を許し、18−28で敗北。一昨年圧勝している上智大に対する認識に「甘さがあった」と主将・光山(法4)は言う。
 痛恨の一敗。だが、この敗北を引きずるわけにはいかない。続く明学大戦に勝ち、4勝1敗。そしてここまで1敗で並ぶ成城大と対戦する。この勝負は絶対に譲れない。本学は試合前から気持ちが高まっていた。高橋(経3)が難しい角度からのゴールを決めるなど、勝負強さを見せる。10−12で迎えた後半、PGを決めて逆転すると、徐々に相手サイドに迫り、後半35分、トライを奪って突き放した。気迫でつかんだ勝利。光山も「ベストゲーム」と評する大きな白星となった。
 最終戦で敗れるなど、最後まで苦しみながらも2位で入れ替え戦出場を決めた本学。昇格への一歩を踏み出した。

熱き挑戦

 冬晴れの熊谷ラグビー場。関東大学対抗戦入れ替え戦が12月9日に行なわれた。Aグループ昇格を懸け、本学は日体大に戦いを挑む。
 前半2分、本学はいきなりバックス安川(経3)が独走し、トライを奪い先制する。幸先良いスタートに、応援席もわいた。しかしその数分後こぼれたボールを拾った日体大にトライを決められ、得点を返されると、流れは日体大に傾いた。スピーディーな攻撃に、本学は追い付けない。前半終了間際にトライを取り反撃を加えるも、10−43と大差をつけられ前半を終えた。
 もう後がなくなった後半、本学は全力で日体大の攻撃に食らいついていった。15人の選手達は、あふれる気合をむき出しにして相手にぶつかる。体当たりの防御だった。しかし、日頃並み居る強豪校と戦っている日体大との経験の差、技術の差を埋めることは難しかった。幾度か攻撃の機会が訪れても、敵陣深く切り込んでいくことができない。相手は次々と得点を挙げる。そして、10−74でノーサイド。昇格は成らなかった。
 シーズンを通して最高の状態を保つ事は難しい。「上手く調整できなかった」と光山は言う。勝つことの厳しさをあらためて感じた本学ラグビー部。だがその経験は昇格への原動力に変わるはずだ。悲願達成の日まで、彼らの戦いは続いていく。

(岩田)

(写真=ボールを奪って駆け出した石原(観3)。敵陣に向かい突進する)

 

威風堂々 応援団第38回「十字の下に」

―応援団―  

 驚嘆と感動と、そして熱狂のステージを―。
 昨年12月9日、本学タッカーホールにて立教大学体育会
応援団団祭第38回「十字の下に」が行なわれた。普段は彼
らだけにスポットが当たることはない。だがこの日ばかりは吹奏楽、チアリーディング、リーダー各部が華々しく主役を演じた。
 特にリーダー部は、少人数でも人の心を揺さぶる応援が出来ることを、このとき証明してくれた。

華麗なる団祭

 盛り上がっている場内が静まり、そこに太鼓の音が響く。リーダー部演舞の始まりである。4年部員にとっては最後の大舞台。動きの一つ一つにおのずと力が入る。松本(社4)は第一応援歌「行け立教健児」や「伝統勝利の拍手」などを熱演。また第二応援歌「セントポール」を小平(理4)が演じ、彼らのリーダー部員としての誇りを見せつける。そして、団長・菊地(文4)による校歌「栄光の立教」の演舞。その姿は威厳に満ちていた。菊地には応援にかける情熱と4年間苦楽を共にした仲間への感謝がある。彼はすべてを出し切って、最高の演舞を見せた。
 こうして「十字の下に」は深い余韻を残し、終演した。
 母校の勝利を願い、応援し続ける彼ら。その魂はこれからも生き続けるはずだ。

変革宣言

 近年、リーダー部は人数の減少に苦しんでいるが、昨年の6人に続き今年はさらに少人数でスタートを切る。
 それでは、神宮球場での硬式野球部の応援はどうなるのか。あるいは団旗を誰が持つのだろうか。新団長の宇津(社3)に語ってもらった。
「確かにリーダー部は少ないけど、応援団全体が少ないわけじゃない。団旗も、リーダー部がいなければ吹奏楽部員が持つだろう。団旗はリーダー部の物じゃなくて応援団の物だから。団旗が競技中の選手から見えて『あそこには立教の応援団がいる』と思ってくれればうれしい」。
 また今年も応援団は多くの部の応援に行くことを目標にしている。硬式野球部だけではなくスキー、テニス、相撲などの応援にも行くそうだ。このように広く体育会の奮起のために努力し続ける彼らに対して、各部からの信頼も厚い。硬式野球部新主将の今村(観3)も「一緒に優勝を目指そう」と激励する。
 「応援団も変わらなきゃ」と宇津は繰り返し言った。伝統と現実問題のはざま
で揺れる応援団の今後に、エールを送りたい。

(写真=幾多の勝利を呼び込んできたエールも今日限り。
 団長・菊地が完全燃焼した。)

                                    (佐藤、新里)
〜記事抜粋〜







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