【ハンドボール部】あふれる喜び 39年ぶり 1部昇格
1部昇格。誰もが待ち続けていた瞬間だった。リーグ戦全勝優勝と、破竹の勢いで迎えた入れ替え戦。昨秋もこの舞台に到達しながらも昇格を果たせず。今季は国武大との延長に及ぶ激戦の末、39年振りの1部復帰を決めた。また、8月に行われる東日本学生選手権大会への出場権も獲得した。
響き渡った歓声
入れ替え戦独特の緊張感が漂う中、運命の試合が幕を開けた。今シーズンを通して、立大の武器として確立した「守って速攻」がさえ、2点リードで前半を終える。後半に入っても果敢に攻め、一時は最大5点のリードを奪ったが、残り2分を切ったところで逆転を許す。万事休すか――。しかし、選手たちは諦めなかった。前節でも決勝点を挙げた新井(コ4)が、またしても土壇場でゴールを決め、同点に追い付く。勝負の行方は5分ハーフの延長戦へ。
開始2分、リーグ戦チームトップの得点を挙げた松井(営2)が2分間の退場を命じられる。その後立て続けに失点しチームが浮足立つ中、主将の石井龍(済4)は「今までやってきたことを徹底しよう」とチームを鼓舞した。自分たちを信じ、ひた向きにプレーを続ける選手たち。
ついにその時が訪れた。延長後半2分40秒、GK今野(コ2)が前線へロングパス。走り込んでいた玉城(コ3)にボールが渡ると力一杯に腕を振り抜く。固唾(かたず)をのんで見守る中、チームの思いを乗せたボールはゴールネットに突き刺さった。――逆転。誰もが待ちわびた瞬間だった。その後松井がダメ押しの追加点を挙げ、勝利を決定づけた。試合終了のブザーとともに、喜びの声がコートに響いた。
今、再び1部へ
1部の背中を追い続けた数ヵ月。「去年以上にコミュニケーションを深めていく中で、したいことの意思表示ができていた。そこがチームとして成長できたところ」と石井龍は今季の躍進について振り返る。その裏には、部員一人一人に浸透していた「守って速攻」と「闘争心」というスローガンがあった。今年からこの言葉を体育館に掲げ、常にチームの目の届く所に配置、練習中から意識を高く持ち意見をぶつけ合った。「いつの間にか合言葉になっていた」と部員が口をそろえるほど。何よりリーグ戦総得点1位、総失点2位という結果がチームの成長ぶりを物語っている。
ハンドボール部は一時部員も少なく関東学生の下位リーグに低迷していた。先輩たちが、代々引き上げてきたからこそ今がある。39年ぶりの復帰は現チームだけでなく過去の支えあってのものだ。現4年生が1年次にアスリート選抜入試が導入され「僕たちが入ったことで試合に出られない先輩たちもいた。プレー以外のところでそれぞれができることを一生懸命やって、チームをまとめてくれた」と石井龍は感謝の気持ちを語った。思いは一つになればかなう。今、再び1部に到達した。(堤美佳)
【ソフトテニス部女子】 半世紀の思いが今―― 創部史上初 1部昇格
創部から約半世紀の歴史の中で、ようやくたどり着いた「1部昇格」。2部全勝優勝が、この快挙に弾みをつけた。部は人数不足による低迷期を乗り越え、近年は着々と実力を上げてきた。そして、このチームが始動するとき揚げたのは「団体戦に強いチーム」。それが今、達成された。
昇格への切符
初戦からの4戦を全て3-0で勝利を挙げた立大。ヤマ場は最終戦・和洋女大だ。1部から降格してきたチームで「2部のほかのチームとはプレーや気迫が全く違う」と相川(コ2)は言う。しかし、ここでは負けられない。全勝同士の優勝決定戦が始まる。
一番手は出身高校の後輩と先輩ペアの薄葉(現1)と相川。薄葉は立大期待のルーキーで、1年生としては唯一リーグ戦のレギュラーに選ばれた。相川は今回全試合に出場した実力のある選手だ。ミスを誘う配球や体を張ったボレーなどで順調にゲームを取り、まずは1試合を先取した。
続いて、永見(現3)が二番手として出場。彼女に勝利の鍵となるシングルスを任せた。ゲームを取るごとに追いつかれ、手に汗握る展開でファイナルゲームまでもつれ込む。ここで光ったのが、彼女の“走り”だ。根気強くボールを追い続け、好リターンを連発。ポイントを重ね、最終ゲームを制した。決めた2部優勝。そして、入れ替え戦への道を切り開いた。
主将・渡辺(現4)の目には涙が。「ほっとした、っていう涙です」。彼女が入部してからの歴代の主将は、昇格を決めて引退しており、プレッシャーがあったという。
優勝はあくまで通過点。昇格のチャンスはもう、すぐそこまで来ていた。