【自転車競技部】
絶対王者へギアアップ! 高木 全日本学生RCS 総合 3位
内に秘めたる熱い思いをペダルに込めた! 全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ(以下RCS)にて、高木三千成(みちなり=理2)が堂々の3位。地道な努力が結実し、新たな目標に向けて確かな手応えを感じた。
掴んだ自信
全国から強豪が集うRCS。年間全13戦で獲得したポイントの合計点で頂点を争われる。険しい山道から市街地まで多彩なコースが選手たちを待ち受ける、苦戦必至のシリーズだ。
ロードレースは非常に奥が深い。風、気温、路面状態。全ての要素が結果に影響するため、臨機応変な走りが鍵を握る。高木は昨年の経験を生かし、レース状況を冷静に分析。長期戦に必要な精神力も場数を踏むことで培っていった。
ターニングポイントとなった第6戦は総距離164`の過酷なコース。高木は昨年完走できなかった悔しさからレース本番を想定し、練習を積み重ねてきた。
その努力が功を奏し、レースは序盤から好位置をマーク。リタイアする選手が続出する中、粘りの走りでトップ争いに食い込む。最後の上りでアタックを仕掛けた高木は先頭集団を振り切り、スパートをかけた。
ゴールを間近にプロ選手・福島(NIPPO)との一騎打ちに持ち込むも、相手のスプリント力に圧倒され、敗北。それでも一流選手と張り合えたことは、彼の持ち味である積極的に攻める姿勢に自信をつける。
常勝へ
このまま勢いに乗るかと思われたが、シーズン中盤の大事な時期にまさかの故障。思うように練習できない日々が続く。「体は元気なのに…」。自転車に懸ける思いが人一倍強い分、もどかしさが一層募った。
それでも悩んでいる暇はない。その日、その時に持てる力を出し切ろうと決めた結果、尻上がりに調子は回復。終盤の行田ラウンドでは安定したレース運びでポイントを伸ばし、最終戦での逆転優勝に望みをかけた。
しかし、レースは雪の影響で異例の中止。順位を上げるチャンスを逃がし、3位という悔しさの残る幕切れとなった。
この1年、つらくて苦しくて、何度も諦めそうになった。それでも応援してくれる人、一緒に走る選手の存在があったからこそ、高木はシーズンを笑顔で終えられた。
彼の次なる目標はRCS年間王者だ。今シーズンは登坂力や持久力に磨きをかけたものの、苦手とするスプリントを克服できず、涙をのむことが多かった。「年間を通して勝ち続けないと」。どんなレースでも勝つことができるオールラウンダーに近づいたとき、表彰台の頂点は確かなものとなる。(平野美裕)
酷道を越えて
同大会を総合4位で終えた森田(文3)。主将として挑んだシーズンだったが、結果は満足のいくものではなかった。
それでも悩んでいる暇はない。その日、その時に持てる力を出し切ろうと決めた結果、尻上がりに調子は回復。終盤の行田ラウンドでは安定したレース運びでポイントを伸ばし、最終戦での逆転優勝に望みをかけた。
第1戦では得意のヒルクライムを制し、優勝。快調なスタートを切ったが、その後彼を待っていたのは度重なる敗北。一番の目標だったインカレでも完走できずに苦汁をなめた。
彼の競技人生競技はこれで終わりでは決してない。過去には多くの大会で入賞した実力者。後輩の高木も尊敬する一人として名を挙げるほど。
部を支えた彼も今春で引退の時を迎える。全身全霊をかけ、最後のレースへ――。苦しんだ経験は、無駄にはならない。