硬式野球部

01東京六大学野球春季リーグ戦
前半戦総括・後半戦展望

 
 東京六大学野球春季リーグ戦も3週目を終えて、各校とも2カードを消化した。本学は開幕カードの明大戦で勝ち点を落としたものの、慶大戦は連続完封で連勝。3勝2敗の勝ち点1で法大と共に2位につけている。3季ぶりの天皇杯奪還のためにはもう勝ち点は落とせない。そこで、前半戦の戦いぶりを総括するとともに、後半戦の展開を占ってみた。

残塁の多かった前半戦

 攻撃面で目立つのがなんといっても残塁の多さだ。初戦から12、13、11、9、11と合計で56残塁。9回平均で約11個と、毎回走者を出しては残塁している計算になる。ここ数年は少ないチャンスを得点につなげていたが、今年はチャンスは作るもののなかなか一本が出ていない。昨年とは違い上位打線は固定されたものの、まだまだ本調子でないことがその大きな原因といえるだろう。さらに二死からの出塁が多いこと、走者が出て下位に回ることも残塁を増やしている大きな要因だ。
 その打線だが、一番渡辺(経3)は2安打ながら四死球での出塁が多く、5試合連続安打の二番荒木(法3)と共にチャンスメーカーの役割をしっかり果たしている。打線の軸となる四番には、期待されてきた和田(コ4)が5試合連続安打と結果を出しようやく定着した。三番に入る今村(観4)は対明大2回戦、対慶大1回戦で先制打を放つなど勝負強さは相変わらず。ただ肩痛を抱える五番松倉(経3)は波が激しく、自打球を当てた六番内田(コ4)と共に乗り切れていない。
 一方の下位打線は日替わりメンバーとなっている。徳田(観2)、深谷(社3)、杉野(社3)、阪長(経2)らが左翼、右翼を争うが、決め手に欠けたままだ。
 死球の影響の残る渡辺に、松倉、内田とけが人多い本学。日替わりメンバーもその一端だ。それだけに、この空き週の持つ意味は大きい。しっかりと休んで個々のコンディションを万全の状態に近付けられる。戦列を離れていた長距離砲・清水(経3)も復帰するなど、打線は確実に上向いている。
(写真=勝負強さが光る今村)
   

キーマンは上重

 肩の故障から完全復活を果たした多田野(観3)の安定感は六大学随一。5試合中4試合に登板、25回1/3を投げて防御率は0.36と驚異的だ。開幕の対明大1回戦も延長十回まで零封しただけに、先発した試合は実質「2試合連続完封」ということになる。打線が1点取れば勝てる投手。信頼感は抜群だ。
 その一方で、もう一本の柱・上重(コ3)はいまひとつ乗り切れていない。先発した2試合いずれも5回1/3で降板している。自責点こそ1で防御率は0.66と数字だけ見ればよいが、制球が悪い。初先発の対明大2回戦では5四死球。フォームのわずかな乱れが修正し切れておらず、直球の球速も昨秋より5`ほど落ちている。そのため斎藤監督も全幅の信頼が置けないようで、2試合続けて早目の早目の継投となった。空き週、東大戦と続くこの2週間でどこまで矯正できるかが今後の鍵となる。

全日本投手との対決

 第5週は東大戦。昨年の春、明大が初戦を落として優勝を逃したこともあるだけに、油断せずに連勝したい。特に打線は浅岡、加治佐を打ち崩して勢いをつけたい。また上重には信頼を取り戻す投球が要求される。体力面では不安がないだけに、昨秋の直球の伸びと制球を取り戻せるか。

 第6週の早大戦からはいよいよ正念場だ。初戦、早大の先発は全日本代表の左腕和田が予想される。驚異的な奪三振率を誇るこの左腕をどう攻略するのかが見物。和田の対本学の成績は1勝2敗と負け越しており、完封もないなど本学から見れば相性は悪くはない。和田に相性の良い清水の復帰も大きなプラスだ。
 多田野は対早大2勝0敗、上重も1勝0敗と相性はまずまず。ただ、打率.571、2本塁打で二冠王の四番鳥谷と、同じく2本塁打・七番比嘉の2年生コンビは要注意だ。甘く入れば一発持っていく力は十分なだけに、投げそこないは命取りになる。

 第7週はいよいよ天王山となる法大戦。法大のエース土居は本学が最も苦手とする右腕だ。和田同様に全日本代表に選出されている。対本学の成績は3勝0敗で、本学にとって相性の悪さでは池田(明大)以上。少ないチャンスをどれだけ生かせるか。一死からでも走者が出れば徹底して犠打で送ることが予想されるだけに、しっかりとバントを決めたいところだ。
 法大打線は広瀬(現広島)、阿部(現大阪近鉄)、日橋(現トヨタ自動車)が卒業し、昨年ほどの迫力はない。多田野、上重共に0勝2敗と唯一勝ち星を挙げていない相手だが、打ち込まれたというわけでもなく、意識はするもののそれほど相性の悪さはない。

 いずれのカードも打線が投手陣をどれだけ援護できるかにかかっている。特に初戦、早い回で先制し逃げ切れれば、早大、法大共に先発二番手に不安を抱えているだけに、大きなアドバンテージを得られる。両校とも絶対的な一番手に比べ、不安定要素が多い。早大は法大戦で通算2勝目を挙げた江尻、法大は東大戦で初勝利を挙げた奈須といったところか。本学は昨秋以来2戦目には無類の強さ(7カード連続勝利)を誇るだけに、初戦をとれば勝ち点、優勝が大きく近付く。
(写真=復調が待たれる上重)
   
東京六大学野球春季リーグ戦日程(第4週以降)

5月 5日(土) 慶大−明大 早大−東大
    6日(日) 東大−早大 明大−慶大
   12日(土) 明大−法大 立大−東大
   13日(日) 東大−立大 法大−明大
 ☆19日(土) 慶大−法大 立大−早大
 ☆20日(日) 早大−立大 法大−慶大
   26日(土) 立大−法大 明大−東大
   27日(日) 東大−明大 法大−立大
6月 2日(土) 慶大−早大
    3日(日) 早大−慶大

第1試合は12時開始。☆はプロ併用日で第1試合は11時開始
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(坂本)