スケート部アイスホッケー部門

「氷上にかける想い」

 ここ数年3部に低迷する本学に即戦力が加わった。期待の新人・夏川戸(文1)である。現在、彼は本学で唯一の経験者。昨秋のリーグ戦でも昇格には至らなかったが、今後彼の存在が現状を打破するための要(かなめ)になることは間違いない。
 夏川戸がアイスホッケーに出会ったのは7歳の時。青森県八戸市に育った彼に、それは必然の出来事だったのかもしれない。以来、これといった目標を見出すこともなく、日々は過ぎていく。
(写真=ここからどう展開するか一瞬の判断がものをいう)

 そんな彼に転機が訪れたのは高校に入ってから。入学した八戸高のアイスホッケー部の部員はわずか9人。試合こそ出来るものの、完全なセット(FW3人、DF2人の5人が基本。複数のセットを交替させながら試合をする)を一つしか作れない人数である。ここでも「ただ何となく」アイスホッケーを続けるのかと思ったが、意外な展開が待っていた。
 「インターハイに出場したい」。先輩が突然言った唐突な一言。この言葉に刺激され、気持ちに変化が起こった。「ただ何となく」から抜け出した瞬間だった。うまくなりたい―。アイスホッケーにかける「想い」が彼の心に芽生えたのだ。
 当時を振り返って「中学生までの(向上心のなかった)自分を後悔している」と語る。しかし今、「続けてきたこと」に最大の意味を見出せるのではないだろうか。なぜなら彼の12年間の経験は彼自身の財産であるのと同時に、ほかに経験者のいない本学にとってもかけがえのない財産であるのだから。

 昨秋のリーグ戦は、まさに「不満の残るものだった」と夏川戸は総括する。第1戦から経験と実力を買われ第1FWにつく。しかし様々な要因が重なりFWの役割を果たせずにいた。そのジレンマはプレーにも時折影響し、試合中敵の正当なタックルにいら立ちを隠すことができない。今までにない経験だった。そしてリーグ戦を通して見えてきたものは「メンタル面の弱さ」だと彼は言う。氷上の格闘技とさえ称されるほど、激しくぶつかりあうアイスホッケー。メンタル面の強化は体を鍛えることに増して不可欠なものなのかもしれない。
 5試合無得点が続いたが最終戦で初得点を挙げ、経験者の「意地」を見せつけた。それでも彼にとっては遅すぎる初得点。「もっとリーグ前半から点を取っていきたかった」と悔しさをのぞかせた。
(写真=敵と競り合う夏川戸)

 4年生が抜け新チームの得点力の低下は否めない。今年いやが応でも彼の双肩にのしかかる期待は大きくなる。しかし「これからは自分が働き掛けてのチームのレベルアップを図りたい」と闘志を見せる彼に、その重圧をはねのける力は十分にあるはずだ。
 「(昇格して)2部でプレーしたい」。大学で得た新たな目標。よりハイレベルな境地へチームを引っ張っていく夏川戸。その「氷上にかける想い」を思う存分プレーにぶつけていって欲しい。
(江幡)