男子ホッケー部「涙の後には」2部リーグ最下位に終わった本学は6月23日、残留をかけて慶応日吉グラウンドにいた。いつ崩れてもおかしくない空模様。そんな中、試合終了後に振り出した大雨は、天の創造物ではなく、選手たちの瞳が織り成すものであった。 「練習でできていたことが試合で出せなかった」。若くして新チームのセンターハーフを任された小久保(法2)は語る。とにかく点が獲れない。いや、シュートまで持っていけないと言った方が正確か。リーグ全試合を通しても得点はわずかに1。やはり、昨年の主将・篠原の抜けた穴はあまりにも大きかった。 だが、輝きもあった。昨年ベストイレブンに選出されたDF・石村(経4)は、相変わらずの体を張ったプレイで敵の攻撃陣をシャットアウトする。また常に最後尾からチーム全体を見渡し、一人一人にゲキを飛ばすといった精神的支柱としての役割も担った。叱るときは叱る、褒めるときは褒める。その徹底ぶりは、一観客からしても好感が持てる。さらにGK・山中(法3)は随所でスーパーセーブを披露し、小沼(経3)は得意のドリブルで何度も場内を轟かせた。「秋は、『上がりたい』とかじゃなくて『上がる』」。この言葉、発したのは小坂(法2)だが、部員全員の一致した想いと言い切って相違ない。(写真=「願いも届かず…」) 来季からは3部。男子ホッケーリーグに存在するのは3部まで。失うものは何もない。ひとしきりの雨の後澄み渡った晴天が広がるように、悲哀の涙のその先には歓喜の笑顔が待っている。 (安部)
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