ホッケー部男子

みち

 3部降格から2ヶ月。どれほどの練習を積んだのかわからない。一つだけ確かなのは、彼らは涙を無駄にはしなかったということだ。                               
 8月25日に行われた東日本インカレ2日目。2ヶ月前誰よりも涙した小沼(経3)がこの試合、ショートコーナーから2点を叩き込んだ。そして試合終了のホイッスルと同時にDF星田(文4)の自身初得点でだめ押し。春に敗北を喫した武蔵大を相手に3−0と完勝する。さらに一つの白星に満足することなく、次の日にも中央大を2−0で下した。
 約1年ぶりの勝利。この大きな前進の裏には中軸を担う2人の2年生の存在がある。春までセンターハーフを務めていた小久保(法2)がセンターフォワードに、空いた位置に桑原(社2)が入った。ともに1年次からレギュラーとして活躍する選手。彼らに、中央でのボールキープ時に周りを見渡す余裕ができたことが、攻撃にリズムを与えている。特に桑原の成長ぶりには目を見張るものがある。「センターハーフの方が俺には合ってる気がする」。小久保はそう自らを分析する。だがすでにチームの中心の一人である彼ですら、簡単には奪回できないような気にさせる勢いが、今の桑原にはある。センターハーフとは、名実ともにチームの中央に位置する。ポジション争い。大いに歓迎だ。どちらが勝ってもどちらが負けても、チームにとってプラスになる。
 1年間、負けゲームばかりを追ってきただけに、これほどのホッケーを見せられては秋への期待は膨らむばかりだ。わずか2ヶ月でのこの変貌ぶり。そんな彼らの未知なる可能性が、おのずと2部昇格への道となる。(写真=チームの核になりつつある桑原)
 
                                                       
(安部)