硬式野球部

秋季リーグ特集@ 
監督・選手インタビュー 
―「常勝」への道―

  
 <未完のエース>
 今春は5位と低迷した本学。チーム打率はリーグ2位の2割6分5厘を記録したが、防御率はリーグ4位の3.47であった。上位進出のためには、投手力の向上が不可欠といえる。
 
 今秋、齋藤監督がエースに指名したのは大川(経2)である。今春も期待の声を受け6試合に登板した大川だが、勝ち星を挙げることができなかった。そんな大川を指揮官はこう評する。「あいつはまだ完成されていないが、1勝さえすればトントン拍子で勝てると思う」。
 
 大川の武器といえば、MAX148キロのストレートだ。監督も「球の回転がいいし、切れもある」と高く評価する。しかし、同時に不安材料も挙げた。それは、カーブとスライダーの区別がつかないこと。「スライダーの球速を上げ、曲がりをもっと小さくすることでカーブとの違いをはっきりさせることが課題だ」と監督は言う。

 大川は東京六大学リーグのレベルについて、「それなりに高いとは思うが、実力を出し切れれば通用する」と自信をのぞかせた。


<頼れる主砲>
 本学の打線を引っ張るのは、紛れもなく四番・多幡(経3)である。二塁手にコンバートした今春は思うような成績を残せなかった。それでもスランプが長く続かないことが多幡の魅力。今季に向け、アウトコースの球を引っ張るバッティングに取り組み、調子を上げてきている。「常に課題を持っていないと成長しない」という言葉からは、四番としての自覚がうかがえた。また、「(二塁手としての)守備も慣れてきた。面白いです」と話した。

 常に前向きな姿勢で野球に取り組む多幡。監督やチームメイトからの信頼も厚い。頼れる四番の秋への想いは人一倍だ。多幡のバットが、本学を上位へと導く。


<For the team>
 「一人ひとりが大きくならなくてはならない」「なんで野球をやっているのかみんなに考えてほしい」と、個々人のレベルアップの必要性をしきりに説くのは、主将・阪長(経4)である。主将のチームメイトに投げかける言葉には、チームを想う気持ちが詰まっている。阪長は、「自分が試合に出ていないときは声を出すことが大事だし、試合に出たらバントでも四球でもいいから塁に出ることが大事。とにかくチームに貢献したい」とチームのことを誰よりも考えている。

 今春、リーグ第10位の打率を残した友永(観3)も常にチームのことを考えている。春にマークした3割5分7厘の打率について尋ねると、「打率よりも打点がほしい。打点をかせげればチームのためになるので」という回答だった。今季はよりコンパクトな打撃を心掛けるという。

 ときには自分を犠牲にしてでもチームのために戦う。この“For the team”の精神がチームを一つにする。


<意識改革>
 今年の本学にとって一番の痛手は、今春リーグ第5位の打率を記録し、チームの要として活躍した捕手の高橋泰(コ2)の負傷である。

 「捕手の中では高橋泰が一番いい」と監督も期待の声を寄せるだけに、残念な事態である。そして、監督の口から続けて出た言葉は、驚くべきものだった。なんと、「鈴木宏(法2)をレフトで起用する」という。鈴木宏は、昨秋一年生ながら正捕手に抜てきされ、規定打席には達しなかったものの4割5分8厘の高打率をマークした選手だ。監督はその非凡な打撃センスを見込んで、左翼手への転向を決意したようだ。「高橋泰が復帰したら、どちらか(高橋泰か鈴木宏)が(捕手として)死んでしまう。それはもったいない」と監督は言う。

 鈴木宏が外野に回ることで、外野手のレギュラー争いが熾烈(しれつ)さを増す。足のある阪長、1番として定着してきた高橋佑、今季クリーンアップの一角を担う藤森慶(経2)をはじめとし、福井(観4)、出口(法4)、手塚(法3)らがしのぎを削る。

 監督がチームとして一番大きな課題として掲げたのが「走塁」である。「タイムリーはなかなか出ない。一つ一つの走塁を大事にしなくては」とその大切さを語った。練習でも、走塁に多くの時間を費やしてきたという。走塁練習の中心にいたのは、やはり阪長である。阪長は、「走塁は本当に大切。練習している意味を一人ひとりが考えないといけない」と話す。積極的な走塁によってチームが勢いづけば、得点力のアップにもつながる。

 激しいレギュラー争い、そして走塁に対する徹底的な意識改革。これによりチーム力が底上げされれば、本学は常勝チームになり得る。監督はそう確信しているようだった。

 王座奪還―。その鍵は一人ひとりが握っている。

(2003年9月22日・大場)