一戦必勝―硬式野球部インタビュー―

<坂口監督>

―2月の下旬に行われたアメリカ遠征についてうかがいたいのですが大体いつごろから決められていたのですか。
いつもは三年に一度おこなわれるが今回は9.11テロなどのために今年になった。

―この遠征の主な目的は何だったのでしょうか。
野球全体のレベルアップと本場であるアメリカの野球にふれることによって原点に戻ること。

―初日にレジー・スミス氏から指導を受けられたそうなのですがどのような感じだったのでしょうか。
レギュラーの選手を中心に一人ひとり丁寧に教えてもらったよ。

―遠征の後すぐに静岡キャンプが行われましたがどのような課題に取り組んだのでしょうか
バッテリーと守備力の強化に取り組んだ。

―選手たちには遠征の疲れは見られましたか。
飛行機の中でずっと寝ていたからそこでゆっくり休めたよ。

―ご自身の理想の監督像とはどのようなものでしょうか。
理想の監督像というものは持ってはいない。だが選手たちに生活をきちんとしていくようにと教えることを心掛けている。しっかりとした生活ができていなくては大学で野球をする意味がないからね。あと一試合ごとに成績を貼り出している。そうすればユニフォームをもらえない選手も納得できるからね。

―ご自身が現役のころと比べ選手たちが変わったなと思うところはございますか。
みんなよく勉強するようになったよ。授業にも出ているしね。あと眼鏡をかけている子が多くなったよ。

―次に今年の六大学リーグのレベルについてうかがいたいのですが。
高いよ。社会人のチームとやっても勝つのだから大学トップクラスだよ。

―四連覇を達成した早稲田についてはいかがでしょうか。
まだやってみないとわからない。だけど主力が抜けたとはいえまだまだ強いと思うよ。去年のチームは打撃のチームだったから抑えようと思えば抑えられたよ。現にうちも七回までは3点くらいに抑えられていたからね。おととしは和田がいて投手力、打撃力ともに優れていたからね。おととしは本当に強かったよ。

―MAX154キロのストレートを持つ明大の一場投手への対策などはしてあるのでしょうか。
対策はしてある。150キロのバッティングマシーンで打ち込んでいる。だが、いつも150キロ台で投げてくるわけではない。140キロ前後で三振をとってくる和田(現・ダイエー)のほうがよっぽどすごい投手だ。

―次に立教の勝つスタイルというものはどのような感じでしょうか。
大体3−2だね。大川や小林などの投手陣に完封を求めるのはかなり酷なことだ。打線の十分な援護があってこそうちの勝つスタイルだよ。



<多幡主将>
―今年は多幡選手にとって大学最後の年ですが、個人的にどのような年にしたいですか。
今年は4年で主将でもあるので、個人のことよりもチームとしていかに勝つかが大事だと思っています。六大学で優勝して、日本選手権でも優勝し、日本一を目指しています。

―ご自身のバッティングの調子はいかがですか。
例年より調子はいいです。

―ベストナインについてはどう考えていますか。
ベストナインは他人が選ぶものなので、あまり意識はしていません。結果としてついてくるものだと思います。

―(六大学の)他大にライバルはいらっしゃいますか。
同じセカンドで主将ということで、早稲田の田中選手や明治の西谷選手は意識しています。

―主将、バッティングの要という重役にプレッシャーはありますか。
特に感じてはいません。

―坂口監督も現役時代はセカンドを守っていらっしゃいましたが、何かアドバイスはありましたか。
ポジショニングについて教えてもらうことが多いです。自分でわかっているようでわかっていないところを教えて下さいます。

―セカンドにどのようなやりがいを感じていますか。
セカンドならではの動きですね。いかにセカンドと連係プレーがとれるかが重要だと思います。

―主将になられて、監督と選手のコミュニケーション、選手同士の相互理解を深めることが大切だとおっしゃっていますが、具体的にどのようなことを心掛けていますか。
いかに話し合うかが大切だと思っています。坂口監督もコミュニケーションをとるようにしてくださるし、自分も悩んでいるときは監督と話すようにしています。

―主将の目から見て今年のチームの不安な点はありますか。
ピッチャーですね。うちには絶対的なエースがいません。エースがいないと勝てませんから。
野手に関しては(リーグ戦)経験者も多く残っているのであまり心配はしていません。

―今年のチームの持ち味というのは何ですか。
例年よりバッティングがいいことです。1試合に3〜5点は獲りたいと思っています。うちは逆転できるチームですね。

―「主将」についてどうお考えですか。
一番うまい人がキャプテンになるべきだと思っています。プレーでチームを引っ張っていきたいです。

―優勝に自信はありますか。
自信というより、一戦ごとの積み重ねが大事だと思います。去年は5位だったのでとにかく下から行かないと、と思っています。
                             (2004年4月21日・金澤、若林)