ホッケー部男子

『チームプレー』

 今年、新たなチームとして出発したホッケー部男子。しかし春季リーグでは2部の舞台で苦戦が続いた。初戦の武蔵大戦こそ引き分けたものの、その後の試合は負けがかさんでいく。そして必勝を期した2部3部入れ替え戦でも無念の敗退。1勝もできぬまま春季リーグは終わった。


 だが今考えてみると、春の時期、彼らは本当に苦しかったと思う。昨年まで数々の好プレーでチームを支え続けた小沼と石村が抜け、戦力低下は避けられない状況。さらに今年の3月まで、試合出場に最低限必要な11名の選手が確保できなかった。ようやく人数が揃ったとき、リーグ初戦まで残された時間は1ヶ月足らずだった。そうした非常に厳しい状況を経て戦った春季リーグだった。

 「春はチームで戦うという意識を作る」。春季リーグ直前に主将・桑原(社4)はそう語っていた。選手たちは1試合1試合を戦っていく中で、チームの形を模索し続けた。始めは個人プレーしかできなかったが、次第にチームは組織的に動き始め、確実に成長していった。しかし、思うような結果が出せない。
 本学にとって春季リーグは新たなチームを作るための土台だったのかもしれない。


 この夏、選手たちは貴重な経験を積んだ。

 8月20日、東日本インカレ。ここで本学は1部に所属する山梨学大と対戦した。「1部校は体力面でも技術面でも格段に上」という桑原の言葉通り、山梨学大は自由自在にパスを回し、一瞬のすきを狙ってシュートを放ってくる。本学は試合時間のほとんどを自陣の守りに充てるしかなかった。70分間の試合で奪われた得点は17点。惨敗だった。
 思うようにシュートを決められてしまい、反攻の機会を見出せなかった本学。試合後の選手たちの表情には疲労が色濃く残っていた。
 
 この戦いで、彼らは言葉にできないほどの悔しさを味わったに違いない。しかしこの試合で学ぶことも多かったはずだ。その悔しさと経験が秋季リーグへの原動力となってくれることを願う。


 発展途上。
 春の段階では彼らにはその言葉が一番似合っていた。しかし、東日本インカレと夏合宿を越えた今、彼らは春とは見違えるほど成長したことだろう。

 10月3日から本学の秋季リーグは始まった。秋の戦いは入れ替え戦を含めてもわずか4試合しかない。一戦一戦がとても大事な試合となってくる。春に出すことのできなかったチームの力を思う存分に出して欲しい。

 探し続けたチームの形。きっと彼らはもう見つけ出しているだろう。
(2004年10月9日・大野)