ラグビー部 〜ALL OUT(後編)歴史を刻む時〜 |
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この夏、彼等は長野県にある菅平高原にいた。毎年夏になると日本全国のラグビー部が集まるこの場所で、第三次合宿をしていたのだ。8月19日、佐久山荘グラウンドで行われた中京大との練習試合、アップの段階から本学の士気は高まり、全員が勝つことに集中していた。結果は22−5の大勝。昨年、同じ菅平で17−56というスコアで敗退している相手から奪ったこの勝利は、本学の大きな成長を示していた。小雨が降ると思えば突然突き刺さるような日差しの差し込む高原の空。変わりやすい天気のなかで、本学の選手たちは毎日のように楕円を追い、スクラムを組み、志を曇らすことなく走り続ける。 そして夏は過ぎ、ついに対抗戦が幕を開けた。
そして2戦目は昨年度、対抗戦準優勝の慶大との戦い。開始早々本学のペナルティから相手のラインアウトにつながり、先制される。しかしそこから30分は何度も敵陣に攻め込み、引き締まった試合を展開。0−19で前半を終えた。後半は立ち上がりでマイボールを失い、トライを奪われる。本学も何度もライン際まで攻め込むもののあと一歩のところで得点ができず0−52でノーサイドとなった。試合後西田は「研究していたのでアタックなど、やってきたことはできた。前半の終了間際、0−12が0−19になったが、そこを5−12、7−12にしていくことができればもっと戦っていけたし、勝てる」と語った。 次に長野で行われた帝京戦。長野県、松本平アルウィンで行われた試合。前半は前にでるディフェンスで敵陣に切り込み、何度も攻め込むもスコアは0−19。後半、つよい相手FWに攻められ、スクラムトライなどを奪われる。終了間際に立て続けに4トライをきめられ、0−62で試合を終えた。西田は「慶大戦と同じような展開。BKではやられていなかったが、FWはやはり慶大よりもさらに圧力が大きく強かった」と振り返った。 「関東大学対抗戦Aグループ」、そこは「勝ちへの執念」と「伝統校の誇り」がぶつかり合う激戦の地だ。
これからの彼らの試合予定は以下のとおり。 10月23日 対筑波大 熊谷ラグビー場 12:00〜 11月 6日 対日体大 熊谷ラグビー場 12:00〜 11月13日 対明大 秩父宮ラグビー場 14:00〜 12月 3日 対青学大 熊谷ラグビー場 14:00〜 今年で本学ラグビー部は創部82周年を迎える。81年の歴史を背に82年目を紡いでいく彼らの足取りは確かだ。 この文章をここまで読んでくださった方に、心からお願いしたい。西田創の息遣いを、武藤和秀の切る風を、高橋務の声の響きを、その場で共有してほしい。一度その空気を感じてしまったら、もう離れられなくなるはずだ。なぜならそれは、82年の歳月の一番先頭でひた走る男たちのかけがえのない「今」であり、その一つ一つこそがやがて濃紺の歴史となっていくものだから。 見にいらした方は後悔しません。 残る4試合、濃紺の戦士たちは絶対にいい戦いを見せてくれます。 一番先頭を全速力で駆けるダークブルーのジャージを、一緒に応援してください。
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