弓道部
〜自分との戦い〜

 

弓道――それは心身を鍛錬する武道だと言われている。9月21日〜10月19日、東京外大弓道場などで女子部リーグ戦が行われた。35中、45中、47中と徐々に調子を上げる本学は、一戦も落とすことなく一橋大とのリーグ最終戦を迎えた。入れ替え戦出場の成否が決定する大一番。昨年入れ替え戦で実力を発揮できず昇格を逃していただけに、戦いに懸ける思いは強かった。

本学は1立目で12中と好調な滑り出しであったが、2立目は8中に留まる。女子責任者・豊川(済4)は「相手は自分だと思って強気で弓を引くように」と選手たちの士気を高めた。一方の相手は抜群の安定感でリーグ戦を勝ち抜いてきた実力校だけあって、着実に的中を重ねていく。静寂の弓道場に矢が的を射抜く音が響き渡り、歓声が上がる――。その全てが重圧となって本学の選手たちにのしかかっていった。弓を引く者も控えの選手もいっそう精神を研ぎ澄ませて一射一射に集中するが、相手の勢いに飲まれて42中―50中で敗北。ただ沈黙して唇をかみしめる選手たちのほおに涙が伝った。

弓道において勝利のために不可欠な2つの要素。それは仲間を信じる気持ちと自分に打ち勝つ精神力であり、本学に足りないものは後者だと言える。弓を引く緊張感と矢を放った後の解放感の連続の中で、自分をコントロールするためには強じんな精神力が求められる。加えて、ルール改正により今リーグから競技時間が長くなったことで、集中力と体力の強化が必須条件となり、より厳しい状況の中で競技することになった。

今季で引退する4年生は後輩たちに以下のようなメッセージを送る。
◇女子責任者・豊川
「試合には負けてしまったが、部員全員が一つになっているのが分かったから心強く思っていた。今は後輩や同期への感謝の気持ちでいっぱい」。
◇女子主務・小澤(コ4)
「同期が3人という厳しい状況の中やってきたけど、この3人だったから言いたいことも言い合うことができた。後輩たちにはどんな時でもやってきたことを信じて強気で射位に立ってほしい」。
◇副女子責任者・田中(観4)
「弓道は自分を写す鏡。自分のだめなところも嫌なところも見て、それにとことん向き合って強くなってほしい」。

4年生が残したメッセージは、すでに後輩たちの道標となり本学の行く手を照らし始めている。その言葉が体現された時、彼女たちはさらに上のステージへ進むだろう。 

                               (2008年12月26日・西村(彩))