フェンシング部
〜念願叶える一撃〜


  2008年。日本中を熱狂させた北京オリンピックでは、太田雄貴選手が銀メダルを獲得し日本中に感動を与えた。彼の活躍によりフェンシングが注目を集めている一方で、立教大学フェンシング部もそれに劣らぬ盛り上がりを見せている。
  昨年10月2日に行われた関東学生選手権大会。大勢の実力者が集結し、幾多の接戦が繰り広げられた。その激戦を闘い抜いたのは本学の主将・宮下(理3)。見事ベスト16に入り込み全日本大学対抗選手権大会(以下インカレ)への出場を決めた。
  満を持して迎えた11月14日。大山崎町体育館で行われたインカレに宮下は挑んだ。目標は「トーナメントへ進出すること」。予選から早くも白熱した戦いが始まる。特に3戦目は今大会で最終的に2位となった村上(中央大)と対決し、大きなヤマ場となる。試合開始から村上の鋭い突きに苦戦するも、積極的に攻めてくる相手をかわして応戦。同点に並び、先に突きを入れた方が勝利するという場面まで持ち込んだ。緊迫した空気に包まれる中、宮下は守りに徹し攻撃の機会をうかがう。わずかに隙が生まれた瞬間を宮下は見逃さず、一気に攻め込んだ。左腕から放たれた剣撃が村上の体を捉え、試合終了。見事5−4で勝利を収める。残りの試合も落ち着いたプレーで善戦し、結果4勝1敗で予選を通過した。続いて臨んだ本選2回戦。この試合に勝利すればベスト16が決まる。序盤は自らが得意とするカウンターでリードしたが、その後は相手の激しい攻撃に自分のペースを崩され、惜しくも敗退した。「心から満足する結果は残すことができなかった」と語る宮下。しかし目標である予選突破を成し遂げたことは大きな収穫となっただろう。
  今回の宮下の躍進の裏には共に戦った他の部員たちの存在があった。インカレには男子エペ個人で宮下の他に赤池(済2)、鈴木(崇)(済2)の2名が、男子フルーレ団体でも袴田(社4)、鈴木(太)(法3)が出場している。「エペ個人も3人で出場したのでリラックスしてできた」と宮下も仲間たちの存在の大きさを実感していた。また本学は普段男子部員だけでなく、女子部員も一緒に練習を行っている。 「強い練習相手がいると充実した練習が行える」と話すように部員全員が互いに実力を高め合ってきた。そのことも宮下の活躍の原動力となったようである。
  宮下は春のリーグ戦について「エペで昇格する」ことを今後の目標として掲げている。実力のある選手が揃った今こそ、高みを目指し部員が一丸となるとき。輝かしい成果を残し、共に笑い合う日はそう遠くない。

 

                                (2009年3月19日・折原)




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