悔しさ残るインカレ後、4年生は引退し、新たなチーム体制になった。主将は小野(H21年度卒)から江守へと引き継がれ、アイスホッケー部は再び歩み始める。
江守は幼い頃からアイスホッケーをやっていたわけではない。祖父や父がやっていた影響、そして何気なく行った練習がきっかけとなって、大学から始めることになったという。経験者が多くいる中の初心者。やはりそこには大きな壁があった。しかし、彼は必死に練習を重ね、経験者と肩を並べ試合に出場し、徐々に活躍するようになっていく。そして主将を任される存在へと成長を遂げた。 彼は、動き始めたチームに「みんなにもっと頑張ってもらいたい」と感想を漏らした。チームには立教大学に入って満足している選手も多いという。だが、「その考えがすごく嫌だ」と彼ははっきりと語る。それは、大学で一からアイスホッケーを始めた彼だからこそ感じるものであり、選手たちの可能性を誰よりも信じているからこそ、出てくる言葉に違いない。 自身のプレーの目標を聞くと、「試合には常に出たい」としながらも、「プレーよりもチームのことの方が大事」と話した。主将になって間もない彼だが、現役最後の1年間をチームのために捧げる、そんな決意がこの一言に表れていた。 昨年1部Bブロックに昇格し「挑戦者」として挑んでいった立教。そして今年は、その真価が問われる年だ。彼らは一つのことに集中して取り組むという意味の「一心精進」というスローガンを掲げ、さらに上へ、1部Aブロックを目指していく。 同期について尋ねると、一人一人の役割がはっきりと見えていた。プレーで引っ張るのは、副将となった佐久間(営4)。主務として裏側から支えるのは、阿部(文4)。後輩のフォローをするのは、平林(済4)。三年間共に過ごしてきた信頼し合える同期だからこそ、4年生という部を引っ張っていく立場となった時、個人のやるべきことが明確にわかるのだろう。 受け継がれた「絆」を武器に、挑戦は終わらない。そして、彼らの「絆」はさらに深まり、アイスホッケー部は強さを増していく。 (第四回・4月7日)
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