アメリカンフットボール部 「魅せる」ポジションWR=ワイドレシーバー WR(以下レシーバー)はOFチームのポジションのうちのひとつ。攻撃陣は11人で構成され、5人をOFライン、1人をQBとして置き、残り5人をチームカラーや戦術、戦況によってポジションから選手まで1プレー1プレー変化させながら戦う。そのためレシーバーは人数を固定されない。 そんなレシーバーに与えられた役割はパスキャッチ。アメフトの華ともいえるOFだ。アメフトの攻撃とはボールを護りながら前に進むこと。そのため、実はアメフトのOFの本質は守備なのである。むしろDFの選手が攻撃役といっても過言ではない。ただ一瞬見せるOFの攻撃的一面、リスクを負ってでもより前に進むことをチームが選んだとき、そこがレシーバーの出番だ。先陣を切って自陣を広げるレシーバーはまさに開拓者。
「Do your best, and it must be first class!(何事にもベストを尽くせ、そして一流であれ)」
「憧れはレシーバーの先輩」と昨年のインタビューで佐藤は語った。今、佐藤はその憧れの先輩になっている。後輩レシーバーの#87 WR中山(法2)は「bQ(※1)の先輩レシーバーとしてずっと見てきたのは匠さん。いろいろと指導してもらってます」と語った。同じく大谷は「アメフトに対する理解力がすごい。高校まではただ身体能力でやってるやつも多かったけど、そういう姿を見てると考えようと思わされる」と語る。普段からしっかりとした幹部像を守る、知性派レシーバーな佐藤。彼のスタイルは長身を生かしたパスキャッチもさることながら、インサイドに切り込んでのキャッチング。決められたルートをレシーバーが走り、パスの成功率を高めるパッシングツリー。佐藤の正確性を感じさせられる魅力にあふれたプレーだ。またチームのパントキッカーも務め、器用さも兼ね備える。「レシーバーはずっとやりたかった。努力の成果が記録として残るのがいい」と大学からのレシーバー生活をとても楽しんでいる。 ※1…レシーバーは大きく分けると、サイドライン際つまりワイドに広くフィールドを使ってプレーするレシーバーとOLのすぐわきにセットして比較的インサイドに展開するプレーをするレシーバーがいる。ここでは前者が1、後者が2。
「一流である」こと。各々が抱くそれに対するイメージも様々だ。しかし、ことこの2人に限って、一流のレシーバーとはの問いに同じように答えをくれた。 それは「魅せる」レシーバーであるということ。試合で持てる力をすべて発揮してベストを尽くすということ。そのために普段の練習から手を抜かずに100%で挑み、チームメイトからの信頼を勝ち得るということ。自分を信じて相手に関わらずひとつひとつのプレーをやりきること。そして結果を出すこと。しかし、それだけではまだ足りない。重要なのはチームのために「魅せる」こと。レシーバーは試合のでき、結果という部分では明暗がくっきりと分かれる。パスをとれば100、落とせば0だ。それは選手たちでなくともしっかりとわかる。だからこそ 「中途半端はダメ、レシーバーのことはみんなが見ている」(重松) 「上級生として、自分のプレーはいろんな部分でチームに影響を与える」(佐藤) レシーバーとして、4年生として、そのプレーで観客を魅了するだけでなく、それよりももっと大きな存在のために彼らはそのプレーでチームを魅了する。
Q.誰にも負けたくないことは? 「あいつならとってくれると思ってもらえる安定感」(佐藤) 「パスをとること、とり続けること」(重松) それが彼らの「魅せる」レシーバーなのだと思った。 (11月7日・粟ヶ窪勇大) |