インカレ特集
現役編 インカレ2回戦、対慶大。試合時間残り5分。 1−4と3点差を付けられていた。もう後がない――。 しかし松ヶ崎(社4)の得点を皮切りに、怒涛(どとう)の反撃を仕掛け始める。 「この3年間で見たことのない追い上げだった」
最後の1秒まで諦めることなく粘り続け、力を出し切った。 4−5と惜敗はしたが、彼らの表情は実に晴れやかで、充足感に満ちていた。 その時の心境や、引退を迎えた4年生について、そして来季のチームについて、水谷(社3)、松ヶ崎、高橋栄(文3)、有田(営3)の3年生4人と、インカレ3得点と大活躍を遂げた山田(コ1)に語って頂いた。
水谷:1Pが0−1で、2Pは1−2で、3P入って先に向こうに入れられて1−4になった。 高橋:1−4か! お前(松ヶ崎)、1−4になった時よく諦めなかったね。 松ヶ崎:キルプレーでも攻めたからね。得点に繋がって良かった。結果オーライ。 水谷:1−4から追い上げたね。 高橋:振り返ってみるとさ、やっぱりハードな試合だったね。有田どうだった? 有田:俺? 全然ハードじゃなかったよ。ドア開け閉めしてただけだもん(笑) ――松ヶ崎さんが決めた2点目は審議が行われましたが、どのような状況だったのですか? 松ヶ崎:詳しく説明すると、本当に入っていたんですよ。入って『よっしゃー!』と思ったのに、チラッと後ろ見たら、『入ってない入ってない』みたいな感じで、いや、入ってたっしょ!(笑) ――2分後に山田さんがロングシュート決めましたが 山田:この試合は自分自身、まともにシュートを打つことができなかったので、自分のところにパックが来たら、絶対に決めてやろうと思って振り抜いたから決めることができました。気持ち良かったですね。昨日(同大戦)も2点決めましたし。 松ヶ崎:リーグ戦は1点しか決めてないのに。 全員:(笑) 高橋:インカレ大臣だな(笑)
高橋:伝説のシュートね! 水谷:エンプティー決められて、頑張った結果だよね。 高橋:だってDF3人くらいいたんだよ! 水谷:入るとは思わなかった。 高橋:有田、あの芸術的なゴール見てどう思った? 有田:俺にはできないなーって思った。 高橋:いや、俺以外にはお前しかできないよ(笑) ――3Pのこの終盤の心境はどうでしたか 高橋:一番頑張っていたのはセイゴー(松ヶ崎)なんだよね。な。 松ヶ崎:3Pの最後になって、もう守りはいいやって思って。 高橋:でも、エンプティー決められた時は泣きそうだったよ。 有田:もう1−4の時に負けたなって思ったもん。普通。 高橋:お前だけだよ! エンプティーの時、俺、DFみたいな感じだったけど、6人攻撃してるって分かってなくてシュート打たせてもくらいのスタンスだった。 水谷:俺も分かってなくて、笛鳴ったのは慶応のペナルティー取ったのかと思って。 高橋:もったいなかったな。でもこれがなかったら俺たちの芸術的なゴールはなかったな! 水谷:そうだね。 高橋:やっぱりこの時は夢中だったね。疲れとかも感じなかったし。1、2Pは辛すぎたけど。 水谷:3Pはこの3年間で見たことのない追い上げだったし。こんなんできるんだ、俺ら!みたいな(笑) リーグ戦よりも覚醒してたね。
高橋:とりあえず負けてたから、落ちないように俺は盛り上げようと思った。 水谷:大河も何か言いたがってたよね。 山田:掛け声しましたよ。 水谷:今やっといたらいいんじゃないの? 山田:バカじゃないですか(笑) 高橋:試合前の円陣で、いつもは宅馬さんがやるんだけど、今日は大河が出てきて。2Pと3Pの間も『てめぇら勝つ気あんのかー!」とか言って(笑) 全員:(笑) 高橋:あとインターバルが15分で長くて、立教にとっては2セット回しだったし有り難かったね。 「“立教ホッケー部=4年生”」
高橋:じゃあ一人一人言っていこう! まず久遠(麻田=社4)についてセイゴーから! 松ヶ崎:彼はやはりチームに居た方がいい存在ですし、やっぱり上手くもないんですけど(笑)、本当に元気な人だし。 全員:(笑) 松ヶ崎:チームにはいた方が良い人でした。 有田:上からだねー、お前(笑) 高橋:じゃあ健太(北原=コ4)について! 有田:まあ…デカイよね。健太さんは怖い人なのかと思ったんだけど、本当は面倒見の良い人で、チームではホッケーが1、2番くらいに上手いし、僕は4年生の中では好き、慕っていた存在です。 高橋:後輩に慕われた存在、と。お前が好きとかどうでもいいんだよ(笑) 山田:戸津(文4)さんいいですか? 戸津さんは、少ないDFの中で一番安定していたし、冷静に物事を判断できて、とても尊敬する先輩であり、とてもチームに必要な先輩だと、思っております。 水谷:裕馬(石川=済4)さんは、ゲームキャプテンとして練習メニューを考えていました。それでたまに他の部員からわーわー言われていたんですけど、キャプテンはそういうものなので。自分のプレーよりもチームのことを考えていた人だと思います。見習うべきかなと思います。 高橋:大輔(井上=法4)さんは4年生が考えていること、たとえば宅馬さんと裕馬さんとか厳しく言うじゃん。それで後輩は不満を持ったりするじゃん。それをつなげる役割なんだよね。プラス、後輩の面倒見がいいから慕われる。普段はチャラチャラしているけど、結構そういうことを考えている人なんだよね。あとは宅馬(鈴木=社4)さん。みんなで言おう! まあキャプテンらしいことは何もしてないかな!(笑) 水谷:まあホッケーに関して(技術力があるの)は言うまでもない。 高橋:もちろんそうだよ。その存在はデカイ。 有田:キャプテンとして言うことはちゃんというから、嫌われ役に徹していたかな。 水谷:1年生としてはどうだった? 山田:ホッケーに関しては、人数の少ないチームで一生懸命プレーして、結果的にリーグ3位というのを残せたのは宅馬さんがFWやDF関係なく中心となって引っ張ってくれたからだと思います。 高橋:学年としては一人一人のキャラが濃いから、“立教ホッケー部=この6人”みたいな。だから抜けた後どうするのかがこれからの課題なんだよね。 有田:アスリート1期生でっていうのもね。 「3−2で勝ち、同期との連携を取る。
厳しいことも言える仲良いチームに。」
高橋:とりあえずキーパーが未経験だからね。来年はリーグ落ちるか落ちないかの戦いになるのかな。セイゴーさんはそんなに心配しなくていいって言ってたけど。 松ヶ崎:相手もそんなに強くないし。 高橋:お前の眼は節穴だわ。来年、本当に怖いね。 水谷:やってみないと分からない。 ――どういうチームにしたい、とかは考えてますか? 高橋:じゃあ良い場だから言っていこう。 松ヶ崎:いいチームにしたいです。 高橋:うわー、もう俺コイツと一緒にやるのヤダ。 松ヶ崎:目標としては3−2で勝っていくチームにしたい。攻撃も守備も強いチームではないので、3−2がベストな感じかと。 有田:とりあえず、この学年がうまく連携をとっていきたい。俺らは人数少ないし、後輩の意見をくみ取って、バラバラにならずにまとまっていければ。未経験者をチームに何人か入れないといけないので、俺はその子たちのケアを同じ立場からしたい。 山田:一致団結できたらいいと思います。来年はキーパーが未経験者ということで、失点が多くなると思うんですけど、そこをDFやキーパーのせいにするのではなく、修正点をどうしていくのかチームで考えて、行動できればいければいいと思います。 高橋:いいこと言った! 水谷:上下関係もある程度はありつつ、仲良いだけでは厳しいことも言えないので、そういうのも言っていって。チームとして機能するように、ホッケーが自由にできるように、試行錯誤しながら頑張っていきたい。 高橋:チームとして機能することで、仲良くなっちゃうのが難しい。俺、高校のとき仲良くなりすぎてインターハイ一回戦敗退したの。どっちかにするかは難しい。どういうチームにするかはこれから考えるとして、総括すると、3−2で勝てる、同期が仲良いチームということで。 「4年生が抜けた後、どうするのかが課題」(高橋)。この言葉通り、アスリート選抜一期生である4年生の存在は非常に大きい。この4年間、中心となってチームをけん引し、数々の歴史を生み出してきたのだ。 大黒柱が引退し部員数もさらに少なくなるが、だからこそ今後のチーム作りに期待がかかる。すでに3月からオフが開け、新チームが始動している。さらなる躍進を目指すアイスホッケー部を、これからも追い続けたい。 (3月10日・小澤かほり)
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