初戦の慶大から勝ち点を落としたものの、明大から勝ち点を奪い、勝ち点1(6試合3勝3敗、勝率.500)でリーグ前半戦を終えた立大。今回はそのリーグ前半戦を振り返る。 [慶大戦] ビックイニングを生むが、「1点」に泣いた立大 第1回戦:○立 4−2 慶● 第2回戦:○慶 6−4 立● 第3回戦:●立 4−5 慶○ (1勝2敗・勝ち点0) 1回戦では平本(コ2)の中前打を皮切りに、平原(文2)・長谷川(コ4)も続き、6連打で一挙4得点。打線のつながりでビックイニングを生み、「いいスタートが切れました」(松本=コ3)と開幕戦に勝利した。2回戦でも相手のミスにつけ込み、打者一巡で4得点を挙げた。しかし、2連敗で勝ち点を逃してしまった。その理由を考察してみたい。 「立大 .218慶大 .301」、この数字は三試合でのチーム平均打率である。イニング別にチーム打率を見ていくと、あることが浮き彫りになる。
後半に逆転されてからの追加点が挙げられなかったことだ。しかし逆に考えてみると、「あと1点」をとることができていれば勝利していたかもしれないのだ。実際に立大は、4回以降に得点したのは一度だけ(第三回戦の5回)。対する慶大は平均的に得点を上げていた。 [明大戦] エース・小室 "誕生"で立大勝ち点奪取! 第1回戦:○明 3−1 立● 第2回戦:○立 4−3 明● 第3回戦:●明 1−3 立○ (2勝1敗・勝ち点1) 1回戦を落とし、後がなくなった立大。2回戦では西藤(コ3)・那賀(社4)・大林(コ4)のマルチ安打を含む10安打で4得点、「ちょっと早かったですけど、勝負どころだったので」(監督)と5回2/3・自責点2で先発・斎藤(社4)に替え、小室(済3)が救援し勝利した。迎えた3回戦の相手は1回戦同様、六大学No.1投手・野村。「少ないチャンスをものにして、守りをしっかりしていきたいです」(西藤)との言葉通り幸先良く先制すると、先発の小室も「初回に点をとってもらい、楽に投げることができました」と139球の力投を見せ、3−1で勝利した。
(前半戦通算:5試合に登板し2勝2敗。登板イニング33回2/3で奪三振は25。防御率は1.93) ◆小室投手・試合後コメント◆ 1回戦:「1、2点以内で抑えられればいいという感じでマウンドに上がりました。今日は踏ん張ることができませんでした。全員でやっているので野手がエラーした時は、自分が頑張らなければならないです」 2回戦:「リードをしてもらって斎藤さんから託されたので、丁寧に投げることを意識しました。(6回のピンチの場面では)速球を少し抜いて、打者のタイミングをずらすことができました。勝てて良かったです」 3回戦:「(1回戦でタイムリーを打たれたところが)高めに浮いてしまったので低めに気を付けて投げました。相手投手がいいので先に点を取られないことだけ考えていました。1週間休みなので、万全の状態で早大戦に臨みたいです」 《後半戦も俺に任せろ!》 前半戦で特に輝いた2人の選手を紹介する。 那賀裕司(社4)(前半戦通算:24打数10安打6打点、打率.417) 昨年までの3年間通算成績は25打数6安打2本塁打3打点、打率.240。定位置争いが厳しい外野で苦しんできた。それでも「チーム1」と言われる練習量で今年右翼手のポジションを勝ち取った。3試合目から岡崎(コ4)の怪我もあり、4番に入っている彼。「(4番については)特に意識はしていません」と言いながらも今春は大爆発し、チームをバットで牽引している。明大戦でのチーム得点の半分を叩き出すなど、勝負強さも際立っている那賀。後半戦も彼が試合を決めてくれるだろう。 西藤隼人(コ3)(21打数7安打1打点、打率.333) 今春は1番・中堅手、俊足巧打のリードオフマンとして活躍している西藤。昨春は2番・右翼手でリーグ戦出場し、打率.379(リーグ2位)の成績を残した。今季も6試合中3度のマルチヒットを放つなど好調だ。その好調の要因については「初球から甘いボールはどんどん打っていこうという意識でやっています」と語る。後半戦も彼の走攻守に期待がかかる。 悪夢の敗戦から立て直し、明大から勝ち点を上げた立大。空き週には個々が技術向上のため練習に励んでいた。優勝に向け上昇気流に乗ることができるか、早大(30日〜)との戦いを見逃すな! (4月27日・石井文敏)
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