春季リーグ戦2011
―早大戦展望―




 春季リーグ戦も第一戦の慶大戦、第二戦の明大戦を終え、次週は早くも折り返しとなる第三戦を迎える。慶大戦では主将・岡崎(コ4)の右手人差し指の骨折、大事な場面での失策による逆転負けなど想定外の事態が相次ぎ、大事な開幕戦のカードを落としてしまった立大。それでも明大戦では意地を見せ、六大学ナンバーワン投手と呼び声高い野村から貴重な勝ち点を奪い取った。ここまで勝ち点1の立大の次なる相手は昨秋のリーグ戦で斎藤、福井、大石のドラ1トリオを擁し、42度目の優勝を果たした伝統校・早稲田だ。

期待のルーキー・有原【提供・早稲田スポーツ】



 今年の元旦付で第18代監督として岡村猛氏が新監督に就任。新体制の下、リーグ戦連覇を目指す今季の早大だが、開幕投手陣がプロ野球界注目の粒ぞろいであった昨年とは打って変わり、神宮で勝ち星を挙げたことのない、ましてや4年生の大野、高橋しかリーグ戦を経験したことのない選手で構成されている。
開幕カードの東大との第二回戦。今季ローテーションの一角として台頭が期待される二年生右腕・横山が先発するも、5回には東大打線に捕まり、この回で降板。肘の不調でしばらくは調整と見込まれていた期待のルーキー有原(広陵=センバツ4強)をリリーフ登板させてなんとか引き分けに持ち込むなど、苦しい駒使いとなっている。また、続く2カード目の明大戦の二回戦でも、先発の横山がまたしても打たれ、4回に一挙6失点。7対0という大敗を喫している。

頼れる主将・土生【提供・早稲田スポーツ】
 しかし実戦経験が乏しく、試験的な起用が否めない投手陣に対し、昨年からの出場選手が多数残っている打線にはやはり警戒が必要だろう。4番には昨秋の首位打者であり、4季連続で打率3割台をマークしている頼れる主将・土生が居座る。後続には、昨秋捕手から一塁手にコンバートとなった杉山、今季はいまだヒット1本ではあるものの、昨春の首位打者である渡邉侑といった強打者が名を連ねる。明大戦の初戦では野村相手に初回先制点を奪い、点を取られてからも、7回に追加点を挙げるなど、粘り強い攻撃力を持っている早大打線。これを立大が抑えるには、やはり小室(コ3)、斎藤隼(社4)の先発に加え、安定したリリーフの確立が必須となる。また失策、四死球など余計な出塁は絶対に許されない。まさに立大の培ってきた「守備力」、「精神力」といった真価が試される相手と言える。

 もちろん、守っているだけで野球は勝てない。打線が投手をどこまで援護できるかも重要となってくる。岡崎、松本(コ3)、西藤(コ3)など今季以前からの主力選手が研究されている中でどこまで打つことができるか。今季からスタメン出場し、活躍している那賀(社4)、平原(文2)、平本(コ2)に加えて、我如古(営1)、大石(文3)、大林(コ4)など出場の機会を得た選手がどこまでチャンスをものにできるか。選手の調子を見極め、使い分ける大塚監督の采配も見所だ。

 優勝争いに踏みとどまるためには、もう負けられない。今年こそ悲願の優勝をその手に掴み、神宮に立大旋風を巻き起こしてほしい。

(4月26日 田中大志郎)






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