野球部

東京六大学野球秋季リーグ戦2011
―春季リーグ戦プレイバック―


9月10日から開幕する2011年度東京六大学野球秋季リーグ戦。春は立大が勝ち点4で9年ぶりに2位となり、神宮球場を大いに盛り上げた。しかし、常に順風満帆だったというわけではない。この結果は幾度のピンチを乗り越えたからこそ得られたものである。秋季リーグ戦に入る前に、彼らの軌跡を今一度振り返りたい。






【慶大戦】無念のサヨナラ負け 最初の試練

1回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

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4

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0

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4

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0

0

0

0

2

0

0

0

2

(立)○小室、岡部−平本
(慶)●竹内大、菊池、白村、福谷−伊場


2回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0

1

0

0

0

0

4

1

0

6

0

0

4

0

0

0

0

0

0

4

(立)斎藤隼、●岡部、丸山、栃原−平本
(慶)田村、山形、○白村、竹内大、福谷−伊場

3回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

1

0

2

0

1

0

0

0

0

4

3

0

0

0

0

0

0

0

2x

5

(立)●小室−平本
(慶)竹内大、白村、○福谷−伊場、阿加多

開幕戦の相手は、昨秋の5連戦が記憶に新しい慶大。1回戦は平本(コ2)や平原(文2)らの活躍で3回に一挙4得点を挙げ、4季ぶりに開幕戦を白星で飾った。2回戦は先発した斎藤隼(社4)が先制本塁打を浴びるも、相手の隙を突いて4点を奪い逆転に成功。しかし次にマウンドを託された岡部(コ3)が7回に慶大の強力打線に捕まり、4−6という結果に終わった。なんとしても負けられない3回戦、1点リードで迎えた最終回。エラーが絡み同点に追いつかれると、その後好投していた小室がついに崩れ、まさかのサヨナラ負け。目の前に見えていたはずの勝利は、あとかたもなく霧散した。

【明大戦】接戦制し 待望の勝ち点

1回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

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0

2

0

1

0

0

0

3

0

0

0

0

0

1

0

0

0

1

(立)●小室、丸山、栃原、岡部賢−平本、山田
(慶)○野村−川辺

2回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0

2

0

0

2

0

0

0

0

4

0

2

0

0

1

0

0

0

0

3

(立)○斎藤隼、小室−平本
(慶)関谷、●岡、大久保、難波、森田−川辺


3回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0

0

1

0

0

0

0

0

0

1

2

0

0

0

0

1

0

0

×

3

(明)●野村、難波−川辺
(立)○小室−平本

明大との1回戦では、両校のエースが順調な立ち上がりを見せる。しかし4回、立大は失策と四球で二死満塁のピンチを招くと、川辺(明大)に中前適時打を浴び、痛恨の2失点。その後必死に食らいつくが、好投手・野村(明大)を前に反撃の糸口を見いだせず惜敗を喫した。2回戦では今季初スタメンの大林(コ4)が放った二塁打を口火に先制。その後も終始リードを保ち、4−3で勝利した。そして迎えた3回戦、那賀(社4)が躍動する。初回にレフトフェンス直撃の先制適時二塁打を放つと、6回にも貴重な適時打を放ち、明大を突き放した。初戦から3連投となる小室が完投勝利し、待望の勝ち点を手に入れた。

【早大戦】14季ぶり 早大に打ち勝つ

1回戦

1

2

3

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5

6

7

8

9

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

1

0

0

1

0

1

0

0

×

3

(早)●大野健、有原−市丸
(立)○小室−平本


2回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0

0

0

0

2

0

0

0

0

2

0

0

0

0

0

0

4

0

0

4

(立)●斎藤隼、岡部−平本、山田
(早)横山、○有原、高梨−市丸


3回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0

2

0

0

0

0

0

0

0

2

0

0

1

2

0

2

5

3

×

13

(早)●大野健、有原、梨、塚田−市丸
(立)○小室、岡部賢−山田

 続く相手は昨秋の王者・早大。1回戦では、制球難に陥った大野健(早大)から初回にノーヒットで先制点を奪うと、その後も相手の乱れに乗じ点を重ねる。一方で小室は早大打線を5安打で抑え、リーグ戦初となる完封勝利を収めた。続く2回戦、このまま連勝したい立大だったが、先制したものの勝負どころでミスが生まれ、悔しい逆転負けを喫した。しかし3回戦では終盤に打線が爆発。6回には長谷川(コ4)が今春の立大第1号となる本塁打を左翼席に放り込み、チームを活気づけると、8回には岡崎(コ4)がダメ押しの本塁打。計13安打で13得点を挙げて大勝し、早大から14季ぶりとなる勝ち点を奪った。

【法大戦】逆境はねのけ 劇的勝利

1回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0

1

0

0

0

0

0

0

0

1

1

1

0

4

0

0

0

1

0

7

(早)●三嶋、吉越、北山、梅田−原田
(立)○小室、岡部賢−山田


2回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

0

3

0

0

1

0

0

0

3

0

7

3

0

4

0

0

0

0

0

0

0

7

(立)斎藤隼、栃原、丸山、岡部賢、小室−山田
(法)三上朋、北山、船本−原田


3回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

0

2

2

1

3

0

0

0

0

0

8

0

0

0

4

0

0

0

3

1

9

(法)三嶋、船本、三上朋、●吉越−原田
(立)丸山、栃原、岡部、○佐藤勇−山田

早大戦の勢いそのままに迎えた法大戦。1回戦は序盤から打線がつながりを見せる。初回、岡崎の適時打で先制すると、1点リードで迎えた4回には平原、松本(コ3)の適時打が飛び出し4得点を挙げ、大差をつけて勝利した。しかし2回戦では原田(法大)の3ラン本塁打でいきなりの劣勢に。直後に5連打の猛攻で同点に追いつくも、先発・斎藤隼が再び法大打線に捉えられてしまう。3点差で迎えた9回、岡崎と那賀が二者連続本塁打を放ち、劇的な展開で引き分けに持ち込んだ。逆境に対する強さは3回戦でも発揮された。5回までに4−8とリードを許したが、8回に西藤(コ3)の適時三塁打などで1点差まで詰め寄る。土壇場9回に追いつくと、10回に主将・岡崎の放った打球は中前へ。涙のサヨナラ勝ちを収めた。

【東大戦】「絶対に負けられない」 東大に快勝

1回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0

3

0

1

3

0

0

0

1

8

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

(立)○小室、丸山−山田
(東)●鈴木、南、平泉、吉松−田中


2回戦

1

2

3

4

5

6

7

8

9

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

1

0

0

0

0

3

0

1

×

5

(東)●香取、鈴木−田中
(立)○斎藤、岡部−山田


慶大との優勝争いのため、もう一敗も許されない。そんなプレッシャーの中で東大戦が行われた。1回戦は立大が序盤から東大を翻弄(ほんろう)する。この日4打点を挙げた山田(コ3)の自身初となる本塁打だけでなく、大林の走者一掃の適時二塁打など、打線が絶好調。小室と丸山(法4)の継投で東大を無得点に抑え先勝した。続く2回戦では初回に松本の中前適時打で1点を先制。6回には二死満塁の場面で代打田中(コ3)が走者一掃の左越え適時打を放ち得点差を広げる。これまで不調気味だった斎藤隼も東大打線に連打を許さず見事な投球を見せ、連勝に貢献。これにより立大は勝ち点を4とし、9年ぶりとなる"2位以上"を確定させた。





今まで思うような結果が出ず、優勝争いに加われなかった立大。しかし春は最後の最後まで優勝の可能性を残し、それに向かって全員でひたむきにプレーすることのできた、とても価値のあるリーグ戦だった。


慶大にあまりにも悔しい敗北を喫し、一時はチームの士気に陰りが出たこともあったという。しかしそんな状況にも負けない強さを持っているのが今年の立大だ。一試合も落とせない独特の緊張感、頼れる主将をけがで欠いた不安。それら一切をチームの力に変え、優勝に手の届くところまで迫った。


「今年の立大はなにかが違う」。今春のリーグ戦を見た誰もが同じ感想を抱いたのではないか。残すはもう優勝のみ。今季はどんなプレーでスタンドを沸かせてくれるのか、今から楽しみで仕方がない。
(9月7日・井出明日香)

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