剣道部 全日本に向けて この日の男子は15人強が集まり練習を開始。準備体操、素振りから基本打ちまで、一本一本を丁寧にこなす姿が印象的だった。量より質、自主性を大切に考えて練習を行うのが大学の剣道。立大の特徴であるダイナミックで正統派な剣道も、誰に指導されるでもなく、先輩の背中を見ながら個々人が受け継いできたものなのだ。 今年の剣道部の特徴は例年以上に下級生の人数が多いことだ。1・2年生全体を合わせると28人にのぼり、上級生よりも10人強多い。そして全体に活気があふれている。実力があり闊達(かったつ)な下級生が新しい風を部に送り込み、上級生が伝統を守り、雰囲気を締めながらも影響されていく。もちろん約50人の大所帯をまとめるのはそう簡単なことではないが、今年の剣道部はいい意味で異色であり、それが良い方向に向いているように思う。 練習中は気迫に満ちた空気も、終われば先輩後輩の垣根を越えてじゃれあう。個性の調和が今年の立大の特徴であり、数々の好成績を生み出してきた要因だろう。 「練習量は大会に向けて徐々に落としては行っても、気持ちだけは高まっていますね。まだまだいけるかな、と。」(小川) 彼らの力はいつも未知数だ。全員の気持ちがひとつとなった時、予想以上の成果を生み出す。全日本の舞台に立つ彼らはどんなものを見せてくれるのだろうか。今から楽しみだ。 ◆選手紹介【 @学部学科、学年 A出身高校 B全日本へ向けて】 @理学部物理学科 4年 A香川県立高松西高等学校 B「(引退が)やっと来たな、やりきったなと。4年間部活に打ち込んできたので、思い残すことなく引退したい。自分は不器用で、器用な技は打てない。大技になってしまうけれど、気持ちで勝ちたいです。目標はベスト16、8入り。去年以上の成績を出します。」 @現代心理学部心理学科 4年 A埼玉県私立川越東高等学校 B「練習も一回一回集中してやってきたので、引退があっという間。全日本はいろんな人が見に来てくれる。卒業した先輩や、両親や就職先の人も。ただ全日本に出られるだけでなく、そのような人たちの恩返しになればと思います。一本を取れるだけでなく、剣の道を志すような剣道がしたい。」 @文学部史学科 2年 A埼玉県春日部高等学校 B「付き面と引き面が得意。あの子の心に届く面を打った。全日本でも己を信じるのみです。」 @コミュニティ福祉学部スポーツウェルネス学科 2年 A埼玉県松山高等学校 B「華がないけど泥臭く試合をする。四年生があと少しで引退し、このチームで試合ができるのも最後なので、先輩に花を持たせられるようにしたい。入賞目指して頑張ります。」 @社会学部社会学科 2年 A埼玉県私立立教新座高等学校 B「持ち味はスピード。体の出で勝ちたい。好きな言葉は流星浮木、明鏡止水(おじいちゃんから教わった)。チームにどれだけ貢献できるかが大事。出た試合全部勝ちます。」 @法学部法学科 2年 A兵庫県私立育英高等学校 B「(自分の剣道のいいこところは)相手を引き出して切るところ。キャプテンが素晴らしいこの部活、先輩のおかげで部活が成り立っているので、感謝の気持ちを忘れずに。全日本に向けて、一日一日、一回一回の稽古を大切に行っていきたい。」 @文学部史学科 2年 A福岡県私立東福岡高等学校 B勢いのあるメンが特徴。立ち上がりの一本や相打ちをものにする度胸がある。関東予選では負け試合なしと、きっちりと副将の仕事を果たした。全日本でもその強気の攻めを見せてほしい。 @文学部文学科日本文学専修 1年 A宮崎県高千穂高等学校 B「やさしい先輩方に囲まれています。(特に松本先輩にお世話になっています。)全日本まで練習頑張ろうかな、と。唯一の一年生として先輩方に迷惑をかけられない。頑張って全勝しようと思います。」 (10月22日・石田明日香) |