ラグビー部

入替戦直前インタビュー
――加藤コーチ、入替戦への意気込み――


  今春からフルタイムコーチに就任、川崎前監督の残したランニングラグビーに、"シンキングラグビー"を盛り込み、ブレイクダウン、接点の強化に重きを置いて現場を動かしてきた加藤コーチ。入替戦直前のこの時期、指揮官は何を思いグランドに立っているのか。夏からのチーム作り、対抗戦を振り返りながら、意気込みを語ってもらった。

■夏合宿にはどんな狙いがありましたか。

  夏合宿は来年以降対抗戦Aで戦っていくことを想定して、早大、天理大、関東学院大、近畿大、京都産業大など強豪校と試合や合同練習を組みました。強豪校の文化を吸収して、学んだことを活かして対抗戦を戦って欲しいという思いがありました。

■対抗戦を振り返ってください。

  実戦の中で学んでいくことが多くありました。Bでは立教はターゲット校とされ、研究されている中で戦ってきました。自分達に見えていなかった弱点がそれによって見えてきた部分もあり、Bグループにいたからこそ、一戦一戦成長出来たという実感があります。100点ゲームもありましたが、どの試合もかなり緊張感を持ってやっていました。100点や、失点があまりないというのは、一人も気を抜いていた選手がいないということの表れだと思います。収穫としては、相手に関係なく自分達のラグビーを追求していく姿勢がすごく見えてきたことがあげられます。ずっとAグループにいた4年生は、最後の年にこういう経験が出来たことはすごく良かったのではないかと思います。

■特に印象に残っている試合を教えてください。

  慶大、明大との定期戦です。慶大に勝てたことはやはり自信になりますし、強豪相手に負ける意識を払拭(ふっしょく)出来たと思います。悪天候で行われた明治戦はFWの勝負になりましたが、春から取り組んできたモールが形になってきたことが実感できました。DFの面で言えば、Bグループでは感じられない圧力を受けたことが、良い刺激になったのではないかなと思います。

■ジュニア選手権を振り返ってください。

  自分の責任でもあるのですが、ジュニア選手権を勝たせるためにBチームを尊重したことで、Bチームで満足してしまうような体質が序盤に出来てしまいました。全体的に試合に臨む姿勢が出来ていなかったように思いました。やはりAチーム入りを目指す選手で構成されるチームでなければ、試合には勝てないということで、途中からあえてAチームから漏れた選手という少し突き放した扱いをしました。ジュニアで勝つよりAに上がるほうが難しい、という空気を出した辺りからチームの雰囲気が変わってきたように思います。もちろん反発もありました。ただ、そういった悔しさが拓殖戦の引き分けを生んだのかなと思っています。

■指導理念に関して

  4年生にはラグビーに専念して欲しいという思いが念頭にありました。現役時代、自分がフルタイムコーチのいない環境を経験していたということもあって、指導者とプレーヤーの両立の難しさはわかっていましたので。だからこそ、最初は反発がありましたが、自分が責任を持って指導に当たりたいと思ってやってきました。しかし、自分がラグビーを全てわかっているわけではないので、専門ごとに力を合わせて指導にあたるというのは春から継続してやってきました。美濃田コーチにはハンドリング、奥冨コーチにはFW、大場コーチにはスクラム、金澤コーチにはBK、若林さんにはフィットネスをお願いしています。選手たちはとても恵まれた環境にいると思います。

■4年生はどんな学年ですか。

  一生懸命にやっている代だと思います。この時期に全員Aチームでプレーしていることもそうですし、良い見本になる学年です。学生スポーツなので、最上級生は一番大事だと考えています。

■入替戦への意気込みを聞かせてください。

  Aグループとの一番の違いは接点、ブレイクダウンの部分です。これには年間を通じて徹底的にこだわってきました。入替戦では接点で実力を発揮し、前半を30点差で折り返して試合を決めるという目標を設定しました。接点を圧倒するんだというプライドの意味を含んだ目標です。去年の対抗戦は5位と6位の差が30点でした。選手権に照準を合わせている我々には、相手に関係なく一年間やってきたことを徹底できるかが問われると思います。Aに上がることは目標ですが、それだけに縛られては欲しくないです。12月10日を今シーズンのベストゲームにしてほしいと思います。立教の、最後の入替戦にしたいと思っていますので、ご声援、よろしくお願いします。
(12月5日 田中大志郎)





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