スケート部スピード部門
河合奏聖 向かう3年目のシーズン 「自分に負けない」 大学1年目、彼女はジュニアでアジア4位という輝かしい成績を残したが、昨シーズンは1年間通して結果を保つことができず満足したシーズンとはならなかった。全日本距離別(10月1・2日)を幕開けに始まった2011‐2012シーズン。彼女は何を思い感じているのか、川越で練習に励む彼女に迫った。 彼女が所属する川越SSCはとてもアットホームなクラブである。子供から大人まで、同じリンクで練習を行う。1番の年長者である彼女は、一緒に練習する小学生たちのお姉さん的存在。この和気あいあいとした雰囲気が、河合の強さを生んだのだろう。
「(昨シーズン)前半は85点ぐらい、後半は気持ち的に落ちたのであまり。10月上旬に行われたユニバーシアード選考会負けてから目標を見失ってしまった」。昨シーズンを振り返ってもらうと彼女はそう口にした。ユニバーシアード選考会、500Mで7位・1000Mで10位・1500Mで10位の総合9位。1000Mで決勝に残っていれば出場できていた。あと少し届かなかった、あと少し…。その後も大会は続いていったが、シーズンで重要視していた大会での敗戦や練習中の転倒により腰の悪化もあいまって苦しいシーズンとなった。 そのような中でも、昨年の最終戦である全日本選抜で14位に入ったことで全日本距離別の参加資格をもらえたことは、大きな励みになっただろう。
三年目に向け、オフ期間もみっちり練習を行った。スケートに専念するため夏休みは他大と長野・野辺山での合同合宿や埼玉県の合宿に参加。1日3?4時間は平気で滑りっぱなしというほど、1日中スケート漬け。彼女が所属する川越SSCでも週2回リンクで練習し、土日は陸上トレーニング。積極的に自主トレも行った。しかし教職課程を取っている彼女は、学業と部活の両立に苦しみ練習量が減ったという。「必修が増えて勉強がきつくなってきました。5限がある日は練習に遅れてしまうので…」と文武両道の難しさを口にした。一方コーチは「そんな時だからこそ練習の時は練習に集中するしかない。オリンピックに出た小平奈緒さん(相澤病院)も教職をとっていたのだから」と指摘。スケートに専念するため、夏休みは他チームと長野県の野辺山で合同合宿を実施し、自らを追い込んでいった。 今シーズン開幕戦、彼女は長野・野辺山にいた。500Mで順々決勝敗退、1000M・1500M予選敗退で総合16位。「全体的には良くないが、昨年より良い出来だった」と試合を振り返った。3年目となるシーズン。本人はあまり調子が良くないと答えていたが、コーチ曰く「不調だとは思わない。一周のラップタイムが去年の今頃と比べてもかなり縮んでいる。彼女が悲観してしまうのはスタミナ切れに不安があるから。それも練習不足から来るもの。後ろ向きな性格で、悩んでしまうこともある。試合の度に不安になって、一週間前は滑れなくなるくらいだけど、本番には強い」。そしてコーチの言葉通り、10月22、23日に行われたインカレでは500Mで銀メダルを獲得。復調をアピールした。学校と部活の両立がうまくいけば、「全種目上に上に行けるように」。彼女の願いはきっとかなうはずだ。東日本・全日本に向けて、河合の挑戦は続く。
(11月4日・山本香) |