少林寺拳法部
全日への意気込み 日本武道館に全国から拳士達が集い、日頃の修練の成果を競い合う全日本学生大会。この大会を目前に控えて、立大少林寺拳法部も練習に熱が入っているようだ。そんな選手たちに、好成績を修めた関東大会の結果と、全日本へ向けての意気込みについて話を聞いた。
男子三段以上の部:阿武修一(文4)・金子広夢(法3) 全日本に向けて 金子:全国大会なので関西の強豪も出てきます。勝率も下がってきますが、やってきたことを全部出せれば良いなと思います。 阿武:課題は金子の足の使い方です。 金子:体が大きいので大きく見せたいのですが、足の筋肉が弱くてあまり動けていないんです。かえって小さく見えてしまう。 阿武:あとは気迫ですね。 金子:実際に戦っているように見せる演技力。殺気のようなものを見せれば評価してもらえます。どうすればその気迫を出せるのかということを考えてやっています。 金子:運用法はポイントは取れるのですが、型など、少林寺拳法らしく戦っているかどうかというところの評価が取れていません。打ってすぐ離れたり、武道的な側面を補強していきたいと思います。 阿武:最後なので悔いは残したくありません。入賞を目指し、残された時間で金子のことももっと鍛えていきたいと思います。 金子:阿武先輩についていき、入賞を目指して頑張ります。 男子二段の部:古川聡主将(済3)・波多野裕介(文2) 関東を振り返って 古川:関東大会を終えて、終わったという安心感から多少中弛みしている気がしているのですが、主将としてしっかり引き締めていきたいと思います。 関東の結果はOB先輩もすごく喜んでくださり、自分としてもそれが良い刺激になっています。心境としてはだいぶ変わりました。 全日本に向けて 古川:試合を意識し、失敗しないように心がけていますが、昨日も演武発表も失敗してしまいました。しかし関東の前は練習で失敗があまり無く、それで驕っていたところがあったので、逆に練習で失敗できて良いんじゃないかと思っています。 関東で良い成績が残せた分、奢りが出てしまわないよう全員が本選に出場出来るように指導しています。関東では先輩達が作り上げてきたものをそのまま引き継ぐ形でしたが、全日本では先輩達の功績を自分達なりに育てたものにしたいと思っています。 全体の目標はもちろん入賞ですが、今回は賞以外にも各部員には、関東の反省を活かせたかという自問自答をしてもらいたいです。 男子二段の部:波多野裕介 全日本に向けて 関東大会では失敗が多くて入賞につながらなかったので失敗をなくすために完成度を上げる練習をしています。やっているメニューは変わらないのですが攻撃一つ、受け一つに今までより気を付けるようにしています。ここはこういう動きなんだという意識。ここを狙いにいく動きだから相手がこういう動きなんだ、という流れ(「連」と呼ばれる)を大事にしています。動作に重さを出すことも心がけていることです。言われたことだけこなすようではだめなので、時間も限られていますが、自分なりの考えを持って残された時間を有効に使い、優勝したいと思います。 単独有段の部:吉成理奈(観3) 全日本に向けて 関東大会が終わってから、鏡を見ないで練習することが増えました。鏡を見て、直すことも大事ですが、実際の試合では鏡はないし、鏡に意識がいき過ぎて、相手を想定した演武をすることができなくなってしまいますので。 関東大会では自分的に満足できる演技ができましたが、ビデオなどで見てみると、まだだめなところがありました。全体での練習に加えて、個人的にも自宅で練習していました。全日本では、客観的に、誰が見てもいい演武だと思ってもらえて、相手が見える演武をしたいと思っています。関東大会で入賞者がたくさん出たことでチームも盛り上がってきています。また、個人的には関東の優勝者が(単独有段の部)女子だったので、女子でも優勝できるんだな、とモチベーションが上がりました。関東が終わって自分的には調子が悪いなと思っていましたが、周りからはすごく良くなってきていると言われるので、自信を持ってやっていきたいと思います。全日本まではもうあまり時間がなく、基礎的なことは変えられないので表現力の向上を中心に練習に取り組んでいきたいと思っています。後輩をうまく指導できないので、全日本で入賞している姿を見せて、あんな演武がしたいと思ってもらえるといいなと思っています。 女子三段以上の部:生田沙織(法4)・上之原和佳(理4) 関東を振り返って 生田:上之原とは一年生の時ペアを組んでいました。初めての大会が11月の全日本で、部内でも選手を選ぶために予選が行われましたが、結局大会には出られなかったのでそれがとても悔しかったです。 ずっと組んでいなかったけど、4年生で組み合わせを決められるので、じゃあ二人でリベンジしようということになったので、関東大会には強い気持ちを持って臨んでいました。 お互いに身長が低いのですが、小さくまとまってしまうと演武が映えないので、大きくキレのある演武を意識して組み立てていこうということになりました。キレを出すためには、速さも大事ですが、しっかり止まることも大事です。ただ速く動くだけではだめなので、メリハリのある動きを意識してやっています。体が小さい分、大きく見せるには、足さばきを工夫しないといけないので、柔軟も筋トレも全部しっかりやろうと話していました。体は小さいけど、いい動きをするなぁと思ってもらえるようにしたいです。 関東では、2・3・4位が同点で、主審の点数で4位になってしまったのが悔しかったので(合計点が同じ時は主審の得点が高い方が上位になる)全日ではあきらかに相手より1点上回る演武をするために、他大学や大会の入賞者の演武をビデオで見て、審判の見ているポイントを研究しました。自分たちの演技を何方向からもビデオで撮って、研究したり、見てもらったりして、客観的な意見も取り入れてきました。 上之原:関東ではあまりうまくいかなかったので終わった時点ではびっくりしていましたが、自分たちのやってきたことが評価されての4位という結果だと思うので、素直にうれしかったです。1年生の時に悔しい思いをしたので、リベンジしたいという気持ちもあるけれど、生田に入賞経験が多いのでそれに乗っかる形で、プレッシャーというよりも気楽にできていると思います。最初は、関東を目標にやっていたので、一度関東大会で気持ちをリセットして関東で見つけた課題や足りないものと向き合えるいい機会になりました。課題は技の正確さです。あとは、演技が決まりきっているので、蹴りや突きが嘘にならないような演技をしたいと思っています。関東で入賞者がたくさん出たことは先輩後輩問わず、いい刺激になっていて、下級生にも負けていられないなと思いました。 全日本に向けて 生田:関東大会後から、部員たちが結果に貪欲になってきていると思います。入賞者がこんなに出るのは初めてなので、自信もついてきていますし。三段以上の部は経験者も多く、難しい部門なのですが、大学から始めてもこれだけできるんだぞというのを後輩たちにも見せられればいいなと思っています。でも、やっぱり自分たちにとって最後の大会なので賞を取りたいです。そのために二人で、1点に執着して、こんなに伸びたっていうのを実感できるように、見せつけられるように、感謝をこめて精一杯やりたいです。最後の大会なので、やっぱり目標はわかりやすく、入賞することですね。賞を取りたいねと二人で言っているので、1点へ執着して質の高い演武をしたいと思います。 上之原:全日本では、見ている人の目を引き付けられるような、会場中の人たちの目を引く演技をしたいです。今回が最後の大会で、自分だけではここまで来られなかったと思うので、先輩や後輩に感謝して、最高の演武がしたいと思います。 女子団体演武:大澤咲絵(コ4)安田裕里(観4)・鵜藤綾子(現3)・仲川みなみ(文3)・横内陽子(コ3)・渡辺悠美(コ3) 関東を振り返って 大澤:関東大会以前は組演武と団体をかけ持ちしていましたが、今回はかけ持ちなしで団体を専属にするという新しい試みをしたので、練習が団体メインでできたのが良かったと思います。団体を専属にするのは元幹部の4年生が幹部のときに決めました。メンバーは4年生2人、3年生4人。私と組みたいと言ってくれた後輩と、いろいろ話して一緒にやってきた安田です。入賞経験のないメンバーです。 全日本に向けて 練習は、専属なので顔がそろえば団体練習をしています。一人一人が意見を言い合ってつくりあげるのですが、関東での入賞は後輩のおかげだと思っています。3年生はマイペースな代で、渡辺は動きに迫力があり、鵜藤はまとめてくれます。雰囲気としてはわきあいあいとやっていて、シンクロさせるより一人一人が最大限自分の動きをできるように意識しているので、自分の良さを生かしつつ相手を見る余裕が出てきたと思います。そのため個性も強みだと思っています。団体は全日本での入賞経験がありません。目標は入賞です。元気よくできればそれでいいと思っています。4年間、教職や福祉実習で練習に出られないこともありましたが、なんとか最後まで続けることができました。自分としては全日本で後輩に感謝の気持ちを表したいです。 女子運用法の部:渡辺悠美(コ3) 関東を振り返って 運用法を始めたのは1年のときで、大会には2年のとき2回出て、予選通過したことがなかったのですが、関東大会では優勝が目標でした。演武より運用法のほうが好きで、自ら出場したいと言いました。自分の強みは体が強く、当たり負けしないことだと思っています。弱みは精神面です。緊張しやすく、関東のことは緊張しすぎて覚えてないくらいです。 全日本に向けて 練習は演武と同じように基本練習をやって運用法の練習をしています。団体演武を掛け持ちしていますが先輩が運用法の練習を優先させてくださいますし、周りには常に協力してもらっています。自分は蹴りで取ることが多いので、全日本でも突きから蹴りにつなげて有効を取りたいです。強い大学が出てきますが、優勝できたらいいなと思います。 男女段外の部:津田穂奈美(コ1)・鳥居亮太(観1) 関東を振り返って 鳥居:本当に最近になってなんですけど、ようやく自分達で動き出せるようになってきました。 津田:もちろんまだまだ先輩達に教わることは多いですが。 全日本に向けて 鳥居:自分達で日々課題を見つけ、それを一つずつ潰していくという感じです。 津田:(課題は)パート間の動きなどです。 津田:前回の大会とは規模が違うので、本当に勉強させていただくくらいの気持ちで、他大の良いところをたくさん吸収して終われればいいと思っています。 鳥居:自分は入賞を狙っています。いけると思います。 男女二段以上の部:安藤裕紀(済4)・和田佳菜子(観4) 関東を振り返って 安藤:演舞は腰を低く、姿勢をよく保つこと。前は使ってなかったんですけど、最近はビデオ等を使って客観的に自分の演技を分析するようにしています。運用法はいかに相手の裏を突くかが重要になります。最近は目も慣れてきて、回数もあがってきているので、良い感じですね。モチベーションは高いです。 全日本に向けて 安藤:最後なので、本当に全部をぶつけてやる勢いで挑みたいですね。悔いのないように。運用法は自分の4年間を全て出し切るつもりで挑みます。自分の足が壊れるまでやってやろうという気持ちです。目標は入賞ですね。演舞の方は本戦出場を目指します。 和田:足を少し痛めているので、練習は調整が主ですね。自分は形式にとらわれて、表面にこだわってしまいがちなので、もっとダイナミックに演技したいですね。男子と組むのが初めてなので、突き蹴りの重さに驚かされます。ケガも増えましたね。でも安藤がとても気を遣ってくれます。彼との団結力も上がりました。目標は入賞です。最後なので本戦には出場したいです。チームとしても、みんな更に上を目指しているので、負けられないです。 男子初段の部:永島慎也(理2)・豊田裕樹(観2) 関東を振り返って・全日本に向けて 永島:関東では賞を狙っていたのですが、予選も通過できませんでした。スピードが足りなかったと思うので、スピードを上げる努力をしています。 先日、波多野(文2)と神奈川オープン大会に出たのですが、上手い人と組んだことでスピードのある演武の感覚が少しわかった気がします。 豊田:関東では本番前に緊張してしまい、焦ってミスが多くなってしまいました。全日本までにもっと精神力を鍛えて、ミスが出ないようにしたいと思います。 女子二段の部 内田成美(観4)・山咲公美(コ3) 関東を振り返って・全日本に向けて 内田:関東では本戦に出場できなかったので、予選通過、入賞を目指しています。 間合いの遠さが響き、思うような表現点が取れなかったので、全日では緊張感、緊迫感のある演武が出来るようにしたいです。蹴りがくるとわかっていても、突きがきたときに大丈夫なくらい、緊迫感を持たなければなりません。山咲は後輩ですが、私が教わることもあり、切磋琢磨している良いパートナーです。最後なのですべてぶつけようと思います。 山咲:関東の予選落ちは技術点では取れていた分、すごく悔しかったです。お互いあまり構えが安定していなかったので、監督に教えていただいた構えをすごく意識して練習に取り組んでいます。動作の後の「復位」を心がけています。切るところは切り、動き一つ一つが流れないように心がけることが課題です。内田先輩は最後の大会なので、後悔のないようにしてもらいたいですね。本番は先輩のためにもすべてを出し切り、予選を通過したいと思います。 女子初段の部 山田桜子(現3)・岡部沙紀(観2) 関東を振り返って・全日本に向けて 山田:関東ではかっちりとした動きが出来ていませんでした。今は客観的な意見を取り入れるようにしています。岡部は練習熱心で、先輩の自分が引っ張られている部分もあります。 岡部:わからないことをわかりやすくすぐに教えてくださるので、とても練習しやすいです。 山田:私の受けのタイミングが早いことで岡部の動きが活きていませんでした。今はしっかり突き、蹴りが見えるように合わせて動くことを意識しています。 二人:入賞できるように頑張ります。 三人掛けの部:本多秀章(コ3)・片桐咲(法3)・我妻華衣(現4) 関東を振り返って・全日本に向けて 本多:関東では、本戦に2点届かず出場することが出来ませんでした。今は休みを返上して毎日努力しています。 片桐:表現点で劣っていました。今年から三人掛けは男女混合の部となり、女子二人で不利と言われているのですが、他大の女子の方で入賞されている方がいますので、言い訳にはなりません。 我妻:公式戦でこの3人が組んだことはなく、三人掛けの経験者は片桐だけでした。 本多:三人掛けは単独や組演武と違って、タイミングが一歩でも外れると余計わざとらしく見えてしまいます。三人掛けのリズムをつかむことが重要なのだと感じます。 片桐:構成は、経験者ということで土台は私が作ったのですが、後から二人の意見も組み込んでいきました。 三人:目標は入賞です。最優秀賞を狙うつもりで、最低でも6位には入りたいなと思います。 関東大会で数々の入賞者を出したことは、立大少林寺拳法部にとって、良い刺激になると同時に、選手たちの自信にもつながっているようだ。関東大会から一カ月という短い期間の中で、個々の課題に向き合い、修練に取り組んできた選手たち。きっとその成果を全日本で思う存分発揮してくれることだろう。 (11月5日 菅沼遥)
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