春季リーグ戦2012

―慶大戦展望―
HONKI‐G‐



   先週の東大戦で、待望の勝ち点を得た立大。次なる相手は慶大だ。

   慶大は初戦の法大戦で勝ち点を落としたものの、残りの2戦は難なく勝利。現在の順位は早大に次いで2位で、自力優勝の可能性も残している。立大戦をものにすれば、再びの「早慶戦による優勝決定戦」も夢ではない。春3連覇を狙う慶大の、今週末に賭ける想いは計り知れない。
   慶大の恐さは、火がついたときの得点力にある。伊藤隼太(現阪神)が抜けた穴は見当たらず、東大戦では2日間で20もの得点を挙げた。その立役者となっているのは、4年前に内部校である慶應義塾高を夏ベスト8まで導いた主力メンバーたち。なかでも3本の本塁打を放っている山崎錬(4年=慶應義塾)の勝負強さは凄まじい。打点はすでに9を数えており、明大石川とならんでリーグ最多。主将としての真価をいかんなく発揮している。さらに打率だけ見れば、そんな山崎より上をいく選手が2人いる。阿加多(4年=慶應義塾)と福富(4年=慶應義塾)だ。大学から捕手に転向した阿加多の打率は4割を超えており、スカウトから熱視線を送られている。福富は打率もさることながら、気をつけたいのは足の速さ。これまでに3つの盗塁を成功させ、勝利に貢献。そのほか高校時代に4番を任されていた鈴木裕(4年=慶應義塾)、藤本(2年=慶應義塾)、横尾(1年=日大三)、谷田(1年=慶應義塾)ら強打者が名を連ねる慶大打線。一瞬たりとも気が抜けない。

  一方で守備。先頭に立つのは今年も竹内大(4年=中京大中京)だ。変化球を多彩に使い分け、相手を翻弄(ほんろう)する。また、最速155`の"守護神"福谷(4年=横須賀)はキャンプ中のケガにより調整に遅れが目立った。しかし現在は11回を投げて被安打4・12奪三振と、回復を見せている。二枚看板の後ろにも只野(4年=慶應義塾)や山形(3年=土佐)らが控え、鉄壁を強固なものにしている。また野手は層が非常に厚く、試合終盤にはガラリとメンバーを変えてくることがほとんど。激しいレギュラー争いは、選手の士気を高める要因の一つとなっている。

   「相手がどこであろうと関係ない。立大の相手は立大。」とは大塚監督(昭和57年法卒=岐阜)の談。現在立大は守備のミスが目立つなど、チームとしてうまく機能しない状況にある。目標に据えるのはAクラス入り。これを果たすには、まずは己に打ち勝つことが求められる。ようやく手にした『勝ち点』が、彼らの背中を強く押してくれることを期待したい。

◆さあ、神宮へ行こう!◆
5/19(土) 対慶大 13:00〜
5/20(日) 対慶大 10:30〜

次回は「明大戦展望」です。お楽しみに!
(5月16日・井出明日香)





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