モーターボート・水上スキー部
こだわり続けた心技体
〜伊藤監督の改革〜


就任当初から部を改革している伊藤監督
  昨年9月のインカレ。男子の慶大優勝を目の当たりにし、選手と共に涙を流す当時コーチだった伊藤監督(04年度卒)の姿があった。インカレ直後に監督に昇格した彼は現在31歳の「ダントツに若い」指揮官だ。就任直後、彼は1つのチームコンセプトを掲げる。「心技体」。心技体がないチームは勝てないというのが彼の哲学だ。

   就任当初から指揮官の改革は始まる。コーチと連携してコツコツと技術を上げていった。心の部分では現代心理学部の大石教授にメンタルトレーニングの指導を仰いだ。そして彼が最も重きを置いたのが「体」、フィジカルの強化だ。栄養の面ではコミュニティ福祉学部の杉浦教授にアスリートの栄養の取り方を選手と共に学んだ。また、プロのフィジカルトレーナーを雇い練習メニューの改善を共にしてきた。水上での練習時間を削ってでもフィジカルの強化に力を注いだ。
部員に指示を出す監督


  フィジカルとメンタルを土台にし、技術を高めていく。その成果は確実に表れている。7月、8月に行われたチャンピオンシリーズでは男子は総合優勝。女子も2位に入った。「必然ですね。真面目にやってきたから」。

   現在、彼らは約1ヶ月に及ぶ琵琶湖合宿を行っている。合宿には苦い思い出がある。昨年の合宿では主力だった片山(11年度卒)、溝間(コ4)が相次いで負傷。万全の状態でインカレを迎えられなかった。今回はアスリートとして最も効果的な合宿とは何か、練習メニューだけでなく食事や睡眠、休息の取り方までトレーナーと一から話し合い、念密なスケジュールを組んだ。「ただ練習していればいいのではない。去年と同じ徹は踏まない」。

  2週間後に控えたインカレ。心技体にこだわる伊藤監督のサクセスストーリーは完結の時を迎える。
(8月20日・古谷駿太郎)





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