試練のリーグ戦の先に 先輩の思いと後輩の意地
「最終成績5勝4敗、3部4位で2部復帰」。これが立大の今秋のリーグ戦の結果だ。リーグ全勝を掲げていた立大にとっては、決して満足のいく結果ではなかった。そして、もう1つの目標でもあった「清水(文4)と横山(コ4)のいない新チームの基盤づくり」もなかなか思うように進まなかった。 また庄司(営3)が夏の練習でけがをして試合に出れず、竹内もけがの影響で万全の状態ではない中迎えた今リーグ。「下級生の成長」を掲げていたチームにとって、良い出だしとは決して言えなかった。さらに、初戦の都留文科大戦で三輪(観3)が負傷してしまう。来年の軸となるべき選手が次々と離脱した立大。2部復帰だけは逃せないため、清水のもとにボールが集まるのは必至だった。「このチームは良くも悪くも清水のチーム」(横山)の悪い面が出てしまった。その清水も「結局4年生2人が中心で動いて、やりたいことがあまりできなかった」と悔しさを滲ませていた。 その中でも明るい材料もあった。まずは、ケガ人続出によりリーグ戦初スタメンを任された小形(社3)だ。春は出場機会が少なく、なかなか活躍を見せることができなかったが、めぐってきたチャンスを存分に生かした。印象的だったのは初戦の都留文科大戦。他の選手たちに「今日のMVPは小形」と言わせるほどの活躍を見せた。さらに、苦しい状況の中でも新チームの基盤が垣間見ることができた場面もあった。清水が持病の腰痛のため途中交代してしまった上智大戦。今まで中心として引っ張ってきた清水の交代というピンチに、後輩たちが奮起しない訳がなかった。清水に代わって出た今リーグ初出場の庄司が1セットだけで8本ものスパイクを決め、またそれまで止められていた小形も3連続で得点をあげるなどの活躍を見せる。「下級生主体のチーム」として勝利を得ることができた。そして、個人賞では野間(済2)がブロック賞を受賞した。「もっと本気になればもっとやれる」(清水)と、野間にかかる期待も大きい。最後の最後に「下級生の成長」がこうして形となったことは、今の立大にはとても大きなものだったと言えるだろう。
◆今後の予定◆
第65回秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会 12月3日〜9日 墨田区総合体育館など (11月23日 長倉慧)
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