準硬式野球部

4年生引退、未来に託す彼らの「声」



  今年の立大準硬式野球部は強かった。実力もさることながら、「チームとしての力」が今までにないほどに高かった。今年1年、レギュラーに名を連ねるのは2年生をはじめとする若手たちが中心。だが4年生はそれを黙って見ていたわけではない。「いい雰囲気を作って、チーム全体が盛り上がっていけるように」。4年生がベンチから大きな声でチームを盛り立てる。すると後輩たちも奮起して流れをものにする。互いの気迫が互いを刺激し、それが5季ぶりの3位・Aクラス入りという結果につながった。
  さて、盛り上げ役としてチームを支えてきた4年生たちに、それぞれインタビューを敢行した。1年を通してチームの成長を実感する者もいれば、3位という結果に満足していない者もいる。どんなリーグ戦だったか、どんな4年間だったか、後輩にどんなことを望むのか。1人1人のコメントをご覧いただきたい。




#10 主将・大津留海斗(理4)

――秋を振り返って
「優勝したかったなっていうのが本音。できるなら優勝したかったです。ピッチャーが頑張って投げてくれていたので、もう少しという感じでした。攻撃面で課題が残りました」
――4年間を振り返っての思い出
「一番最後の年が一番思い出に残ってます。練習は楽しかったかなと思います。純粋に野球が楽しかったっていうのが思い出ですね」
――立大準硬式野球部はどんな部でしたか
「やろうと思えば成長できるし、いつまでもやる気にならなければそのままになってしまう、自分がやるかやらないかではっきり分かれてしまう場所だと思います。それでもみんなが楽しく野球をやっている。でも楽しさの中に厳しさがある。そんな感じです」
――後輩へ望むこと
「優勝してください。お願いします」



#18 田原慎也(理4)

――3位になれた理由
「抽象的なことで言えば、試合に出ていない4年のチームづくり、ベンチ内の雰囲気づくりだとかそういうのが一番大きかったと思う。具体的に言うとピッチャーがすごく頑張ったシーズンだったので、ピッチャーが大量点を取られて負けたっていう試合がなくて、それが一番の要因だと思います」
――4年間を振り返って
「4年間を振り返ると自分自身、成績的にも毎シーズン伸び続けることができたし、それなりに努力は惜しまないでやったつもりだったので、優勝できなかったのは残念ですが、いい野球の終わり方だったのかなと思います」
――後輩へ望むこと
「戦力は今年のチームから落ちないと思うので、落ちないってことは勝つことが正直義務づけられるというか。最上級生のチームの雰囲気づくりとか、そういうところをしっかりやって優勝してほしいなと思います」



#16 高田賢斗(コ4)

――秋を振り返って
「今まで一緒に練習してきた仲間、4年生はほんとにプレー以外の面でも春より成長した部分、たとえば声とか後輩を支える姿とか、そういうのがすごく目立ちました。プレーのほうでは後輩たち中心だったんですけど、チャンスでのここ一番で点を取れるようになったのは春より成長できたかなと思います。
――4年間を振り返って
「4年間を振り返って苦しいことのほうが多かったんですけど、やっぱり周りを応援できるというか協力しあえる同期や仲間に出会えたっていうのは大きな財産です。
――後輩の投手たちへ望むこと
「今回リーグ戦で投げたのは谷(現2)、加藤(コ2)、中川(済1)の3人の後輩。その3人は絶対リーグを代表する選手になってもらって。ほかにもまだ埋もれているいいピッチャーがいるんで、そういう選手にも早くどんどん前に出てきてほしいなって思います」



#2 佐野隆大(現4)


――秋を振り返って
「うーん、もうちょっと勝てたかな。勝ち試合を落とした。4年生の力不足だったのかなと、すごく申し訳ないなっていう気持ちが一番大きい。Aクラス行っても、2位3位にいても意味ないので。やっぱり優勝しなきゃ2位でも6位でも変わらないし。悔しいですね」
――立大はどんなチームでしたか
「毎年毎年色は違うんですけど、楽しいチームですよ。みんな仲がいい。先輩が後輩に対していびることもなく、後輩が先輩に対して壁を作ることもなく、2年が4年に意見することもあるし、1年生はそんなに言えないけど夏合宿すぎてから4年生に意見することもあるし、そういうことができるチームですね。環境は素晴らしいと思います」
――後輩へ望むこと
「みんな優勝っていうと思うんだけど、頑張って優勝してください。努力して優勝してください。努力なくちゃ優勝はできません」



#15 加藤太浩(観4)


――秋を振り返って
「3位だったので最低ラインは守れたかなと。優勝したかったので残念です。残念が一言。1位じゃなかったらどこでも一緒かなっていうのがあるので」
――声でチームを引っ張るという意識はありましたか
「そうですね、やっぱり4年生として引っ張ることをしないといけないと思ったので、自分が(試合に)出ることよりもそっちに徹してやっていました。チームも下級生がすごく頑張ってくれたので、いいムードでずっと試合をすることができました」
――立大はどんなチームでしたか
「メリハリですかね。メリハリがすごくついていたので、抜くところはすごい抜いて、気合入れるところはちゃんと入れるっていうチームだったので、だらだらはしてなかったと思います」



#5 茅野裕樹(理4)

――秋を振り返って
「僕らの学年が2位になったことがなかったので2位以上を目指していたんですけど、Aクラスということで最低限はOKなのかなっていうのと、個人的にはプレーであんまり貢献できなかったなっていうのがあってその面では少しやり残した感はあります。ですがベンチでの役割だったりに徹したのでそこでは役に立てたのかなという感じが少しします」
――後輩へ望むこと
「どんな状況でもやっぱり諦めないことだったり、向上心を持つことが大切なのかなって思います」
――注目の後輩選手はいますか
「結構たくさんいるんですけど、(新主将)安随かなって思っていて、今季3割8分くらい打って打率(リーグ)4位ってことで、すごく成績としてはよかったんですけど、来年からはキャプテンだったり就職活動だったり様々な重圧がのしかかると思うので、そこで今季と同じ結果が残せるのかっていうところに注目しています」



#7 清水堅太(済4)

――秋を振り返って
「強くなったと思うので、来年僕は見にこれるかわかんないですけど、その時に勝ってくれればいいなと思います」
――秋のチームの様子は
「秋でチームが崩れていたのは毎年の恒例のことですが、今年崩れなかったのは4年生が大津留主塔にしっかりしてくれたのかなと思います」
――立大はどんなチームでしたか
「一番の特徴は仲がいいチームですね」
――後輩へ望むこと
「もちろん優勝目指してほしいなと思っています」



#8 文字真生(済4)


――秋を振り返って
「いろいろと感じるものはあるんですけど、最低でもAクラスには入りたいと思っていたので、入れたことはよかったと思います。チームとしても個人としてももっとできたかなという部分はあったので、引退なんですけど悔いが残るシーズンでした」
――自身の調子は
「ずっと調子は悪かったんですけど、最後にホームランを打つことができたのでそれは良かったと思います。ピッチャー陣が頑張ってくれていたので、打線がもう少し応えてあげられたらなというのはありますね」
――後輩へ一言
「後輩たちはいい選手が多いので優勝してくれると思います」



マネージャー・金田一伶奈(法4)

――秋を振り返って
「前年度も5位でしたし、(Aクラスは)久しぶりだったので、しかも自分の同期が一番上に立って雰囲気づくりとかも、戦略的には下の学年のほうが中心だけれども自分たちは他のことで貢献しようというのがすごい伝わってきていて。特に雰囲気作りでみんな頑張ってて。そういうのが全部相まって3位という結果につながって良かったなと。みんながみんな役割を果たしていたからこういう結果になれたのかなと思います」
――4年間マネージャーとしてやってきて
「実際楽しいことよりもつらいことのほうが多くて(笑)、でもすごく色々な人に支えられてるから辞めようっていう風にならなかったなと思ってて。支えてくれるのは家族もですし、準硬以外の友達にも支えてもらって、でも一番支えてくれるのは準硬の人たち。仲間に恵まれたから辞めようとも思わず、つらいところも乗り越えられました」
――後輩へメッセージ
「私自身4年の最後のほうになって、あーすればよかったなとか後悔するとか思い残すことがあったりとかして。でもそれをやろうとしたときにはもう結構自分が準硬式野球部にいるのが当たり前じゃなくなりかけてる時で、準硬にいることが当たり前の間に自分ができることとか、やらなきゃいけないことをしっかりやればいいんじゃないかなと思います」



マネージャー・富田華央(法4)

――4年間マネージャーとしてやってきて
「今振り返ると楽しかったかなと思いますけど、その時その時はつらいことが多かったです」
――大変だったことは
「マネージャーが一時期とても少なくなったので、その時にどう今までと変わらないように練習を進めていくか、試合を進めていくかというのを一番上に立って考えるのが難しかったです」
――楽しかったことは
「試合で勝った時と飲み会ですね」
――後輩のマネージャーに向けて
「辛いこともたくさんあるかもしれないけど頑張ってやりきってほしいです」



#9 新主将・安随大樹(営3)


――秋を振り返って
「チームとしては結構ピッチャー中心に守備頑張れてたかなと思うんですけど、バッティングの面でチーム打率が低かったのと、打点とフォアボールとかそういう細かいところができてなかったので、来年はそういうところを詰めて1位、優勝目指していきたいなと思います」
――自身は打率がリーグ4位
「4位だったんですよ! あと一歩でベストナインってところで惜しかったんですけど、それも4年生最後だから頑張ろうと思った結果がこういう風な結果だったので、4年生に感謝したいなと思います」
――秋のチームの調子は
「4年生がそういう盛り上げ役に徹してくれたおかげで、下級生が安心して試合に出れてたっていうのがすごく大きいかなと思います。本当感謝です」
――新主将になって
「本当にやってやろうと、全日本に行って優勝してやろうって気持ちと、あと今まで副主将をやってきて、4年生の幹部の皆さんが残してくれたものを次に副キャプテンになった人に自分がどう伝えていくかっていうのが役割だと思っているので、自分がうまくまとめられたらなと思います」
――これからの課題は
「ピッチャーで田原さんがいなくなっちゃったので、もう1人投げれるピッチャーを探していくのと、守備という面では大事なところでミスをしない。バッティングはこれからチーム打率3割くらいいけるようなチームにしていくために、これからみんなでどうやっていくか考えて練習に取り組んでいきたいなと思います」







残念ながら、#17 野間(済4)、#12 西野(文4)、#1 眞田(文4)の3人からお話をうかがう機会を設けることができませんでした。申し訳ありません。
4年間取材にご協力いただき、ありがとうございました。
インタビューにご協力いただいた選手やマネージャーの方々に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました!

(1月4日 聞き手・小野錬、高橋里沙、高山統志)





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