"R"を胸に全国の舞台で



〜全日本インカレインタビュー〜

◆天皇賜盃第83回日本学生陸上競技対校選手権◆
9月5日〜7日 熊谷スポーツ文化公園陸上競技場


  大学陸上界で最大の戦い、全日本インカレ。入賞で全国に立大の名を残した選手、出場を目標に記録を伸ばしてきた選手、この大会を最後に引退を迎えた選手…それぞれの思いを胸に10選手が出場した。競技を終えた選手たちの心境に迫った。

原田昭夫監督(79年度卒)
  「今まで短距離・中距離・フィールドを含めて4年生がしっかりこの時期まで取り組んでくれるというのは少なかったんですよ。日本インカレは学生最高の舞台なので、まず4年生がそこまでしっかり目指してくれたということが今後の陸上競技部のあり方にもつながっていくと思います。なかなか日本インカレに出るということも大変だし4年生で出られるというのは、標準記録突破していても、関東インカレ以降はどうしてもモチベーションが下がってしまうので、それを長谷部、鹿島、五嶋がしっかり保っていて、価値があったと思います。これからの陸上部はそういう風に、日本インカレを最終学年でしっかり目指すっていうスタイルができればいいなと思います。そういう意味では価値ある大会だったと思います。あとは、出水田は一週間くらいほとんど練習できない状態でした。その中で、1500mという大変な種目で1年生ながら日本インカレ入賞を達成できたのは非常に大きかったと思います。1年の阿部の準決勝も非常に大きかったですね。」

長谷部高正(営4)…110mH予選に出場
  「非常に準備もしっかり出来ていて良い緊張感でコンディション良く臨めて、想定通りのレースも展開出来て、自信がある状態でした。でも、実際にはタイムも良くなくて狙ってきた着順も取れませんでした。決勝進出を目指していましたが、準決勝進出も叶わず惨敗でした。調子は良かったのですが、気持ちが入りすぎていたのかなと思います。気負いすぎてしまう性格なので、やはり気持ちが自分でコントロールしている以上に入ってしまって、そこで心と体のバランスが乱れてしまったと思います。陸上というものは難しいなということを改めて学びました。」



鹿島太一(社4)…800m予選に出場
  「結果だけで見れば自己最低タイムではあるのですが、調整の段階から体調を崩したというか、熱中症とかになってしまって、うまく練習が積めなかったところがあったので、その中ではうまい位置取りでレースができたと思います。600mまでだったけれど、全国大会で前の方でレースができたのは自分の中ではかなり収穫なのかなと思います。(インカレという大舞台を経験して)幸せでした。中高と1回も関東大会すら出たことがなく、その中で大学4年間の中でどうにかして全国に出たいなという気持ちが微かながらありました。関カレで順位とともに運よくくっついてきた全カレB標準切りで出場でき、感慨深いものがありました。」

出水田眞紀(コ1)…1500m7位入賞、5000m13位
  「昨日走るはずだった5000mのレースが天候のために今日になって、色々と予定も変わってしまったのですが、こういう経験は本当にあるかないかの経験だと思うので、大変だったんですけど、良い経験になったと思います。ちょうど1か月前に怪我をして、走り始めたのが3週間前なので、それから考えれば出場できたこと自体が奇跡だと思えるのですが、怪我をしていなくてちゃんと練習を積んでいればメダルを狙いたい試合だったので、メダルとは程遠い結果にすごく悔しいです。ですが今の力通りの走りだったと思います。今回怪我をして練習できなかったことで、これだけ体力とかスピードとかも落ちてしまったのが身に沁みてわかって、練習の大切さが本当にわかりました。わかったからこそ、きついと思ったところで粘れると思うので、これから練習の内容としては変えることはないのですが、もっと一回一回の練習を大事にして臨む姿勢を持ってやっていきたいと思います。」


五嶋彩子(文4)…4×100mリレー 1走
  「1走として、スタートにミスしてしまうと失格なのですごく緊張しました。4年生で最後ということもあったと思います。今回の走りはスタートを抜いて(笑)、満足です。走ること自体を楽しめたので、これが最後のレースになったのは競技者として幸せなことだなと思います。立大での4年間は、思うようにいかないことや、アスリート推薦の選手との実力や経験の差で悩むこともあったんですけど、それでも正面からぶつかっていって最後までインカレにも出させてもらい、走りきれたことは本当に幸せだったと思います。」




阿部彩花(コ1)…4×100mリレー 2走、100m予選、200m準決勝進出
  「予選はシーズンベストだったのですが、準決勝はシーズンで1番悪いタイムを出してしまって、周りが強い中でもしっかり走れないといけないなと思いました。(今後の課題は)まずは体力をつけることと、200mの距離にまだ慣れていなかったのでその距離に慣れるのと、スピードもまだつけていかないと思います。全体的に伸ばしていかないといけないと思いました。夏休みでダメになってしまった部分もあるので、冬はちゃんと考えていきたいです。」



香坂さゆり(済1)…4×400mリレー 1走、400m予選、400mH予選
  「400mHは、前半に攻めていかないと勝負にならないと思っていたので、前半攻めにいったのはいいのですが、やっぱり強い選手は前半くらいから攻めてきていたので、それを感じ取ってまずいと思いつつも後半も粘ったのですが、もたれてしまいました。組でビリにならなかったのは良かったとは思っていますが、それにしてもちょっとタイムが出ていないので、「悔しい」の一言です。ベストを狙っていたのですが、それよりもすごく遅かったです。今後は400mHに力を入れてやっていきたいです。来年立大の400mHの選手が増えて、おそらく強い子が入ってくるので、負けないようにみんなでモチベーションを上げて頑張ります。」


吉田実結(社1)…4×100mリレー 3走
  「高校時代のインターハイに比べ、大学のインカレは全く違った"大人のレベル"の大会なので、その差をとても実感し、もっと強くならなくてはならないと考えるきっかけになりました。大学に入ってから怪我が続き1度も最高の状態で走れてないのが残念ですが、怪我の調整が終わった中での自分のベストは尽くせたのかなって思います。リレーの走順は1走を200mでスタートに慣れてらっしゃる五嶋先輩、2走を高校時代から自分と2走・3走を走り続けている阿部さんが担当しました。彼女はずっと自分とライバルであり、良き仲間です。関東新人ではもっと練習を積んで、怪我もせず、最高のパフォーマンスで立教記録を更新できるようにしたいです。」


角名亜衣美(社3)…4×400mリレー 2走
  「久しぶりの公式戦で緊張しました。チームの目標が上を狙うということではなく自分たちなりに頑張るということだったので、気楽に走れたというか固くならずに最後まで頑張ろうと思って走れて、いいレースだったと思います。メンバー全員がいつでも自分が走れる準備をして臨めたのも良かったです。 今回も急に門ちゃん(門間)が走ってくれることになったんですけど、練習では見たこともないくらい粘っていて。不安もありましたしタイムもまだまだ遅かったですが、みんなが走ってる姿を見て、走って良かったと思いました。次につながるレースになりました。来年の関カレは決勝にも残りたいし、立教記録も出したいと思います。」


小塚瑞穂(法3)…4×400mリレー 3走
  「自分自身400mのフラット自体は全然走れていなくて、その分不安とか緊張ありましたが、今回女子マイルメンバーが1つになって走ろうという気持ちでやってきて、レースでは1つになったことを一番感じて達成感がありました。直前にできたチームで誰が走るか最後まで分からなくてずっと悩んでいたのですが、一人一人がやることを全力でできてすごくいいマイルだったと思います。今回走って、もっとこうやれば良かったということはなくて、やってきたことを出し切れたので、関カレは勝負を狙っていかないといけないと思います。」



門間彩(コ1)…4×400mリレー 4走
  「レースの内容は必死すぎて全然覚えてないんですけど、同期と先輩2人がつないでくれたバトンを少しでも速くゴールに持っていきたいという思いで走りました。本当は別の同期が走る予定だったんですが、その子の分もちゃんと走れたかなと思います。ラップタイムも60秒切れていましたが、もっと高いレベルで戦ったり、来年標準タイムを切るにはまだ足りないので、個人の走力をあげたいです。先輩たちと走って、本当に楽しかったです。」




    近年女子の活躍が目覚ましい立大。一方で男子は、長谷部、鹿島といった4年生が底力を発揮した。前主将として、「インカレに向かう姿勢を示せた」と長谷部。着実に実力をつけ、来年、そして再来年とインカレの舞台で活躍する選手がさらに多くなることだろう。立大陸上競技部の成長を予感させる大会となった。

(取材=糸瀬裕子、大島加奈子、長田優太、櫻井遥、添田美月、 永野伽那子、藤井俊、吉田健人/編集=櫻井遥)





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