箱根駅伝予選会



インタビュー特集



  長距離ブロック男子にとっての最大の目標・箱根駅伝予選会。出場選手の10000mのベストタイムは過去最高レベルであり立教記録更新も期待されたが、わずかに及ばなかった。しかし、4年生が全員出場で意地を見せ、下級生が上位を占めて成長を示した今大会は来年への大きな布石となるに違いない。学内での選考会を勝ち抜き20qを走った12人、そして原田監督、中村長距離コーチに心境を伺った。

池田拓史(社4)376位 1:07:17

  想定していたグループ走では、みんな僕よりベストが速い前半グループで引っ張ってもらえればいいかなと思っていましたが、最初の1、2キロで動きが良くなかったのであえてつかずに1人でペースをつくりましたが、徐々に落ちていってしまったことが反省です。あと、途中で内田に抜かれたときに「一緒に行きましょう」と声を掛けてもらって3キロくらいは併走できました。やっぱり後輩にも有終の美としていい走りを見せたかったんですけど、腰痛も出てしまいなかなかいい結果を出すことは難しかったです。足が止まりそうなくらいきつかったんですけど、各所で応援してもらえてそれが心強かったですね。レースとしては満足ではないですが、楽しく走れたので良かったと思います。4年間を振り返って、目立った結果は残せなかったんですけど、本当にメンバーに恵まれました。最後4年生の長距離みんなで走れたことが楽しくて、いい4年間だったなと思います。

小野寺秀平(法4) 319位 1:05:52

  暑かったこともあり結構きつくて、目標のタイムには届きませんでした。柔軟に対応できれば良かったんですが、タイムにこだわりすぎて後半で失速してしまったことが反省です。 最初は決めた目標通りにグループ走で行ったんですけど、そのタイムだともたないなというのが今日のコンディション的にはありました。グループで走っているということもあり、各々調整せずそのままみんなで行ってしまって、その結果第2集団が後半失速してしまいました。そこが集団走の難しいところかなと思います。立教記録も狙えるチームだったので、頑張ってきたんですけど…、頑張ってきた分、目標を下げることはしたくなくて。自分の力を過大評価してしまった感じはあります。来年の後輩たちには、こういった暑いコンディションでもきちんと記録を出せるように頑張ってもらいたいと思います。


佐藤泰紀(コ4) 386位 1:07:33
  4年生で最後だったので追い込めるところまで追い込むつもりだったのですが、気候も暑くて大変でした。最初の10キロくらいは冷静に走れて記録を狙おうとは思って、粘れるところまでは粘れたかなと思います。予選会には、去年出られなかったのがすごく悔しくて。現4年生で自分だけ出られなかったので、その分汚名返上というか記録を残そうと思ったのですが、少し悔しい結果になってしまいました。(高木チーフについて)本当に頑張ってくれました。その一言に尽きます。1年生の頃は「長い距離無理かも」とか言っていたのですが、頼れる存在になってよくチームを見てしっかりやってくれて本当に頼りにしていてありがたかったです。今のチームは仲が良い中でも勝負意識を持っているとは思うのですが、がちがちに言い合う仲でもいいのかなと思います。緊張感はあるのですが、遠慮がちな人も遠慮せずに言って、チームのレベルアップ向上になることを期待しています。


木勇希(法4) 320位 1:05:53
  10時間45分と立教記録を目指して走りました。自分は貯金をつくらなければいけない立場だったんですけど、暑いのもあってペースが落ち込むのが早くて、個人としても全体としても目標を達成することができず悔しい結果でした。今日に向けて、夏合宿では人生で一番走る夏にしようと自分の中では決めていて、最後の年なので確実に記録を出そうと思ってやっていました。去年立教記録に2秒に迫る記録で、今年1年間はあの2秒の悔しさを忘れないで取り組んでいたんですけども、結果を残せなかったので残念です。(パートチーフとして)慶大など他大との合同練習は去年よりも回数は多くするようにしていました。他大のエースたちと競い合いながら練習することで、お互いを高め合っていくことができたと思います。あと、パート内で縦横関係なく、コミュニケーションを常々とっていくことも大事にしていました。練習終わった後にご飯に行くだとか、陸上の話だけではなくていろいろな話をすることでチームとしての絆を深めていこうということをしていました。 次期チーフの横田(社3)は部員の中でもしっかりと物事を考えることができるのと、周りをよく見ているという良い点を生かして、個々だけじゃなくパート全体、男子だけではなく女子も見るようにして、大きいチームを作ってくれたらなと思います。


柳原真人(法4)316位 1:05:47

  今日は自分の実力が出せたということがまずは第一です。そこでもうちょっと気温を考えてペース設定を下げれば、もう少しタイムは伸ばせたかなと思っています。去年2秒に泣いたのが自分のせいだったので、そこで色々とこの日のためにやってきました。今年はやっぱりチームの存在が1番大きくて。自分は一応、関カレとか大きい大会で結構走らせてもらっていたんですけど、故障とか不調とかちょっと苦しい時期があったので、やっぱりチームのみんながいて、自分も前に行こうって思えました。それで今日までやって来られたのが本当に幸せです。今後のチームは、もっと目を外に向けることが大事かなと思います。大学の中で競ったりとか、もうちょっと外の大学に目を向けて合同練習とかそういう取り組みを多く行っていければ、個々のモチベーションが上がり、本選出場にもつながるんじゃないかなと思います。自分も今後も競技を続けて、走りで応援できたらいいなと思っています。


内田晃太郎(済3) 336位 1:06:22
  立教記録を更新するというチームの目標に少しでも貢献できるようにという気持ちで走りました。大体想定していたタイム通りに走れたので、個人としては悪くはない走りだったかなと思います。まあまあ満足といった感じです。今後は、今年の5月に主将になってからずっと怪我でレースに出ていなかったので、そろそろ活躍して皆に何かを示せたらなと思います。



黒崎晃(社3) 296位 1:05:29

  今日のレースのポイントは序盤ですね。準備ができていなかったので10キロ手前でかなりきつかったんですが、そこで力を見極めて、ペースを抑えて走れたことが大崩れしなかった要因だとは思います。4月とか8月とか一番準備しなくてはいけないときに全然走れなくなってしまって、10月の今日まで焦って仕上げたんですが、やっぱり準備は大切だなと思いました。来年の目標は、個人ではチームトップでゴールすること。チームとしては立教記録更新です。昨年、一昨年といい具合で近づいていて、でも果たすことはできなかったので、来年は確実に更新できるようにしたいです。




前田啓志(法3) 438位 1:08:58

  4年生が最後なので4年生の目標に少しでも貢献できればなという気持ちで走りましたが、初めての20キロで後半からばててしまって良いレースとは言えなかったです。自分の経験不足と、更に言えば実力がなかったのかなと感じています。来年は、上位10人のうち5人が4年生でいなくなってしまうので、それだけの力を埋めなければいけないです。自分がチームを引っ張って行けるよう頑張って、立教記録を更新したいなと思います。


山本竜童(法3) 511位 1:11:42

  今日は一番お世話になった4年生のために、立教記録が出せるメンバーでそれに貢献しようと思って走りました。ですが、10キロ付近から体のあちこちが気になりはじめて、少し焦ってしまって、公園に入ってからは全然足が動かなくて一歩進むのも辛くて、最悪でした。今日で代替わりということで、良いタイムを出して最上級学年でチームを引っ張っていこうと思ったんですがそれができなかったので、これからの練習などであと1年間チームを引っ張っていけるよう頑張りたいと思います。来年の目標はもちろん立教記録の更新と、順位も上げていきたいと思います。




大西政徳(コ2) 190位 1:02:57

  今日は気温が上がってきて暑いなという感じだったんで、最初慌てないようにということを意識して走って、また個人としてタイムを稼がなければならない立場だったので焦らずとも攻めの走りを心がけました。チーム全体の目標を一人一人考えたときに、自分が63分を確実に切らなければいけないということでプレッシャーを感じることもありましたが、「今年は自分がやらなきゃ」という思いがあって、去年に比べて積極的に走れたかなというのがあります。(今年の練習で大切にしてきたことは?)去年2秒足りなくて本当に悔しい結果だったので、普段のレースでも1秒を大事にということを考えて、ラスト1キロからの1秒とかそういうところを意識して1年間レースなど強化してきました。



長山郁也(コ2) 477位 1:10:17

  最初の5キロで正直あまり余裕がなくなってしまいました。目標には届かなかったのですが、初めてのメンバー入りで楽しく走れました。自分が予選会出場の12番目の選手だったので、落ちた人の分も含めて走ろうという思いは強かったです。今日までの準備では、夏合宿で1回も離れることなく距離を踏めて、それで自信がつきました。また、9月の予選会選考の日体大記録会で大幅にベストを更新することができ、怪我なく練習できたことが調子の上昇につながりました。






皆川尚人(文2) 315位 1:05:46

  4年生に本当に色々と面倒を見てもらっていたので、今日は4年生のために少しでもいい結果を出したいなと思って走りました。気温がちょっと高くて、目標としていたタイムには届かなかったのですけれど、部のみんなの応援が走っているときにすごくあって楽しく走ることができました。ですが、自分の走りには満足していないので、来年は選抜に入ることができるような走りをすることができたらいいなと思います。また、立教記録を切りたいと思います。





原田昭夫監督(79年度卒)
  (箱根は4年生のためにあると監督はよく仰いますが、4年生の活躍はどうでしたか?)今年長距離の4年生が全員エントリーして全員が走れて、(チームのタイムとなる)10番以内に入っているので、それは価値があると思いますね。そういう姿を4年生がしっかり見せないと次の世代が育っていかない。幹部交代しているけど、3年生がしっかりまとまるには4年生が良いところを見せないといけないと思います。来年また4年生が全員エントリーできるようになってくれればチームも良くなると思います。

中村嘉孝コーチ(08年度卒)
  ちょっと暑かったのでそれをペース面で想定できてなくて、普段ベストコンディションで走れるペース配分で走っていたので、そこで後半にガタが来てしまったかなという印象です。そこの柔軟性があったらもう少し全体的な総合タイムは良かったかなと思いますが、立教記録を切りたいという思いがすごく強かったので、それに向けて走るには引くに引けないというか、記録を狙った結果だったと思います。4年生中心に夏合宿なども自分たちで意識を高めて、ほとんど学生主体で本当に頑張ってやってくれていました。それを思うと悔しいと思いますが、また後輩たちが今年走ったメンバー中心に頑張ってくれると思います。立教は、学生が自分たちでメニューを決めて自分たちで合宿も組んで自分たちで向かっていく、というところが強みだと思って頑張ってほしいなと期待しています。


    下級生の多くが語ってくれた「4年生のためにも」という思い。悔しくも立教記録更新を果たすことはできなかったが、選手たちはすでに来年へ気持ちを切り替えている。立大の強みである学生主体の体制を活かし、一歩一歩着実な成長を続けてほしい。

(取材=糸瀬裕子、宇野静華、長田優太、大島佳奈子、櫻井遥、 添田美月、永野伽那子、藤井俊、編集=櫻井遥)





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