少林寺拳法部

ー関東大会を終えてAー



  主将として部をけん引する鳥居亮太(観4)と、次期幹部としてこれから部を背負っていく小澤育矢(現3)。関東学生大会、男子初段の部で4位入賞と果たした両選手が大会の感想と全日本学生大会への抱負を語ってくれた。

―大会を振り返って
小澤:自分は前回の大会で組演武に出ていなくて、久々の組演武だったので予選は結構緊張して少し動きが硬くなってしまったかなと思っています。本選はその反省を生かしてのびのびできたと思います。
鳥居:自分はもともとめちゃくちゃ緊張するほうで、全部の大会ですごく緊張します。今回もすごく緊張していたので、いつも通りの感じでした。(緊張は)ほぐさないんですよ、ほぐれないんで。緊張している状態でいつも通りだ、という感じです。
―去年の関東大会の成績に比べて上がったが
鳥居:去年の関東大会から確かに順位は上がっているんですけど、前回は先輩と組んで引っ張ってもらったっていうのがかなり大きかったので。今回は後輩と組んだことで引っ張る形になりました。前回より順位がちょっと上がったとかは実際にはあまり関係なくて。それよりも毎回失敗しないでできるっていうのは大きいんですね。結構失敗しちゃう部員とかもいるんですけど、やっぱり今までやった練習通り2人でも練習通りやろうって決めていたので。練習通りの実力が出てそれで何位になるかっていうのは多少運もありますし、他大学との組み合わせもあるんで。前回と比べて特別成績が良かったとかではなくて、前回は先輩に引っ張ってもらって今回は後輩を引っ張る形で、同じように結果が残せたということでよかったと思います。
小澤:前回の大会では男女茶帯で出たんですけど、やっぱり有段になるのとならないのとで全然違います。周りのレベルとか。男子演武ってことで結構周りも、強そうな演武でした。順位としては前回大会よりも1個下がってしまったんですけれど、全く部門が違うので自分の実力を出せたかなと思います。
―いつから組み始めた?
鳥居:前回の全日本が終わった後の12月です。相性はいいと思います。お互い大学から始めた同士で、結構彼は自分に似ている感じがあるんです。動きとか合ってやりやすかったですね。飲み込みも速かったですし。これで相性悪いって言われたら…(笑)
小澤:言わないです。(笑) 相性いいと思いました。相性もなんですけど自分はやっぱり尊敬する主将と組めて、自分がついていかなければいけないので、すごくやる気が出ました。モチベーションを高く保てました。部の中でも主将と組める人ってそんなにいないので。自分が選ばれたのだと思って一生懸命やりました。
―鳥居さんから見た小澤さんの印象は
鳥居:そうですね、ストイック。自分にめちゃくちゃ厳しいですね。自分に厳しくて向上心があって。後輩ですけど結構尊敬できると思います。なかなかいない自慢の後輩だと思います。自分もそんなに自分に厳しくできていたかというと、先輩と組んだら先輩に甘えるじゃないですけど先輩が引っ張ってくれるからって思いがあったんで。そういうところが自分と違っていいなと思います。(どちらかが引っ張るというよりお互いが影響する感じ?)そうですね。引っ張ろうと思ったらすごく引っ張らなくてもついてきてくれるというか。
―小澤さんから見た鳥居さんの印象は
小澤:技術もそうなんですけど、精神的に大人というか。部を隅々まで見ているんです。自分たちが入賞するだけでなく、ほかの選手のことも見ていて。自分たちだけじゃなくてほかの人たちのケアまでできているのが尊敬できると思いました。入部してからずっと先輩と一緒にやってきたんで。先輩の中でもかなりうまくて、ずっと憧れの先輩でした。
―自分たちの強みは
小澤:演武の構成を練る段階でこだわりを持って作ったというか。この動きだったらだいたいこういう構成になるっていうのはあるんですけど、そういうのにとらわれないで(演武を)練れたんじゃないかなと。他の組がやらないような動きとかもあったと思うんで、そういうところで違いを出せたのかなと。
―主将として出た大会で意識したことは?
鳥居:主将としての大会は二回目の大会なんですけど。でも前回は主将になったばかりで、ほとんど前の主将がやってきたことを大会前に代わっただけだったんで。特に何か自分ができたってことではないんですけど、今回はまずやっぱり自分が入賞することっていうのは一番大事だと思っていて。賞の数が何個取れたかという結果だけじゃないんですけど、やっぱりそれがないとだめなんですよ。まず賞を自分が必ず一つは取るっていうのはあったんですけど、小澤が言ってくれたようにやっぱり今までの主将の方々は、自分だけじゃなくて部全体を見て指導とかができていたので、自分もそういう風ならないといけないなと思っていました。その組ごとに課題があるので、それはできるだけ声をかけたりするようにはしてきましたね。
―今大会、部全体としての目標はあったか
鳥居:みんなの前で具体的に数字を出したりはしていません。やっぱりどうしてもその組ごとで目標っていうのは変わってきていて、全員が全員一位を目指すってわけでもないので。全体でそういうことは思ってなかったですけど、やっぱりこっちから見たらこの組はどこを目標にしているんだろうなっていうのは大体わかるので、その各ペアの目標に向けて声掛けするようにはしていました。
―それぞれ大学から少林寺拳法を始めたきっかけは?
鳥居:それ最近結構聞かれるんですよ、就活とかで。(笑) 自分はもともとずっと野球をやっていたんで、最初に見学に来た時に少林寺拳法っていうものをあんまり知らなくて。何も知らない状態であの演武を見たときに、「すごい!」っていう衝撃を受けました。あの感覚は結構すごかったです。
小澤:精神的にも肉体的にも強くなりたいなと思ってこの部活を選びました。やっぱ突き蹴りがあるので、単純に肉体的には強くなるかなと思って。武道なのでやっぱり上下関係とかもあると思うんですけど、普通のサークルじゃ得られない精神的な強さも身につけたいなと思って入部しました。実際入学当初とは全然違いますよ、本当に。腑抜けだったんで少しは成長しました。
―お二人にとって少林寺拳法とはなんですか?
小澤:ほかのことに比べて本気で勝負できるものだと思っています。部活としてなんですけど、今までの部活って割と適当っていうか。こんな一生懸命やったことはありませんでした。以前やっていたのはサッカーだったんですが、やる気も特にないし賞もとれないし。まぁなんとなくやればいいかくらいに思っていたんですけど。それが本当に一変して、生活全てを部活のために置いているくらい。バイトも部活をやるためにするし、本当にもう全て部活。自分の中で部活が一番大事です。
鳥居:自分としては今少林寺だけがすごく頑張っているものではなくて。野球をやっていた時は野球だけを頑張っていましたし、どんなものでも全力で頑張れる性格ではないと思うので、たまたま全力で頑張れるものに出会えてきたのかなという風に思います。「部活をやっていてほかのことができないとかじゃなくて、全部頑張ればいいんだよ」って先輩がおっしゃっていて。少林寺があるからこれができないっていうんじゃなくて、これだけきついことをやっていればまぁ何でもできるだろうと。精神力はつきますよ。もともとあんまり深く考えない性格なんで。(笑)
―今年の少林寺拳法部に期待したいことは?
鳥居:今1年生が11人入ってきてくれて経験者と未経験者もどっちもいるんですけど、未経験者がどれだけうまくなるかってその時の上級生にかかっていると思うんですよ。だから、1年生を育てて全日本で戦えるようにしたいというのが一つです。もう一つは、今主将なんですけどあと約4か月で自分は引退で。小澤の代は実力のある人もいてしっかりしているし間違いなくいい代になるなと思うので、そういう面では自分たちが引退した次の代に期待したいと思います。
―上の代を支えていく上でしたいと思うこと
小澤:先輩たちに良くしてもらって期待もかけてもらっているので、大会で入賞することが全てじゃなくてほかに大切なものもたくさんあると思うんですけど。でもやっぱり入賞って形で恩返しがしたいですね。この賞を取ったよって結果があればやっぱり先輩たちも嬉しいと思うので。そういう形で恩返しがしたいです。(約4か月後には幹部学年ですが実感は?)なんとなく考え始めています。練習の中で練習を仕切るのが幹部学年なので、その練習をどんな感じでやろうかとかも考えていますし。やっぱり今のうちに先輩を見とこうと思っています。
―今後に向けて、お互いに一言ずつ言葉をかけるとしたら
小澤:二段以上でも賞を取って、格好良く終わってほしいです。
鳥居:今回組んでみて次に誰と組んでもやれると思ったので、幹部になって最初の大会で絶対賞を取るように頑張って欲しいです。
―全日本に向けての抱負
鳥居:もう泣いても笑っても最後の大会なので、自分たちは。その時はもう主将ではないので、大会にしっかり集中して悔いを残さないようにやりたいと思います。
小澤:去年の全日本は部内選考で負けてしまって、大会に出られなくて。今年は本当にその悔しかった思いを全部晴らすようにすごい気合いを入れています。これまでにないくらいに練習したいと思っています。

  関東大会で好成績を残した2人。次に迎える全日本学生大会は、鳥居にとっては大学生活最後の大会、小澤にとっては幹部として引っ張る初めての大会となる。それぞれにとって違った意味合いを持つものの重要な大会となることは間違いない。今回の課題を糧として修練を積み、11月の大舞台でその成果を存分に発揮してほしい。
(5月29日・取材=古川香菜子、島崎まりん/編集=島アまりん)

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