厳しい現実から トラックシーズンの開幕は非常に厳しいものとなった。男子の大会であるが、4月4日に行われた東京六大学対校戦は5位の東大に圧倒的な点差をつけられ最下位、優勝奪還を狙った私学六大学対校戦では東経大に敗れ2位。長谷部、鹿島、佐藤太(26年度卒)ら卒業生が抜けた穴は大きく、立大は厳しい現実を味わった。しかし、彼らはここから成長を遂げている。関カレ直前の記録会で好タイムを連発する4年生、怪我からの復帰が期待される部員、有力な女子部員そして新入生。チームが一丸となれば勝利をつかみ取ることができるのが立大陸上競技部。応援を背中に戦う選手たちに期待したいところだ。
今年の関カレ最大の注目選手と言っても良いだろう。それが第94代主将を務める内田晃太郎(済4)だ。昨シーズンは11月に初の800mでありながら関カレA標準を突破したが、終盤から怪我に悩まされた。3月末に行われた春季オープンでは1500mに出場はしたものの、途中棄権。その後の公式戦も出場するまでには回復はできず、チームに大きな痛手となった。内田は今大会800mに出場予定。1分53秒60の自己ベストを持つ彼のタイムであれば、表彰台も遠くはないはずだ。主将としてのプレッシャーもあるが、彼の走りでチームは強くなるに違いない。 そしてもう1人、不調でなかなか結果を出せなかったのが勝嵜大輝(コ3)だ。100m、200m、400m、リレー2種目と出場予定数は部の中でも最高であり、彼の結果がチームの結果を大きく左右することが予想される。長身から放たれる大きなストライドは強力な武器。トラックを鮮やかに駆け抜ける彼の走りにも注目だ。 内田、勝嵜の活躍がチームの軸となる。関カレでは今まで蓄えてきた実力を遺憾なく発揮してもらいたい。
最上級生の意地 関カレは4年生全員で戦う最後の大会でもある。それゆえ、下級生以上に関カレへの意欲というものは非常に強いものだ。 400mHには副将の水野佑紀(理4)が出場予定。主将・内田が選手として出場できなかった今年度の公式戦では、彼が選手としてチームを盛り上げた。東京六大学戦では決勝進出、そして5月3日に行われた日体大競技会では400mHにおいて53秒50の関カレA標準を突破し、大会前に大きな弾みをつけている。この勢いのままに軽快にハードルを越える水野の上位進出が期待できそうだ。
副将といえばもう1人、角名亜衣美(社4)が400mHとリレー種目に出場予定だ。最近は1分03秒33の記録で決して満足のいく結果ではないはずだが、女子の先頭でチームを率いてきた彼女の姿にも注目してもらいたい。 1500mで出場する前田啓志(法4)にも注目だ。インタビューでは自らを誠実に振り返る姿が見られることもあった彼。ベスト更新の回数も非常に多く、関カレでは強敵選手に食らいつく姿が見られるだろう。近日では4月25日に行われた日体大長距離競技会において1500m3分56秒14で自己ベストを更新している。成長が止まらない彼の走りには目が離せない。 毎年、4年生は本番になると図り知れない力を発揮することが多い。最上級生の意地が見られるのも関カレの醍醐味(だいごみ)である。下級生にはない力を十分に発揮してもらいたい。 <次ページへ続く>
<
1
2
|