秋季リーグ展望

◆平成27年度関東学生ソフトテニス秋季リーグ戦◆
10月10〜11日 千葉県・白子サニーテニスコート


   ずっと届かなかった夢を次こそは。ソフトテニス関東学生秋季リーグが、きたる10月10日、千葉県白子テニスコートで開催される。2部に在籍する立大ソフトテニス部は悲願である一部昇格を果たすべく、まずは2部1位に与えられる入れ替え戦への挑戦権を狙う。形式はダブルス4ペアとシングルス1人で戦う団体戦で、立大は昨秋、今春と連続して2位。数年前までは3部降格を防ぐことが精一杯だったチームが、今では1部の座を脅かす集団へと躍進を遂げている。立大は8月から高橋(現4)に代わり坂本(コ3)が新主将に就任。この代替わりを機に、千葉監督は来年以降を見据え大幅なペア変更に着手した。本文では「秋季リーグ戦展望」と題し、決戦を控えた立大の新布陣を紹介する。

一本目 先手必勝ペア
ハイタッチをする石川(左)と中村    
 将来性はピカイチの二人だ
   一本目での出場が予想されるのは石川(コ1)・中村(コ2)ペア。これまでは石川・小野勇(現2)ペア、古川(文4)・中村ペアでの起用が多かったが、古川が今年度で卒業することを見越して「前衛の中で素質面は彼が一番」(高橋前主将)という中村を石川の前衛に配置した。後衛の石川は、春こそ山田の負傷でシングルスに回ったが本職はダブルス。1年生ながら早くも中心選手としての地位を確立させている。前主将・高橋に「ストロークでは石川に負けるかもしれない」と言わしめるほどのラリー力に加え、正確なコントロールも併せ持つのが魅力。立大としてはここで確実に一勝して、先手必勝の形に持ち込みたいところ。



二・四本目 実績&期待ペア
喜び合う川俣(左)と佐藤     
抜群の連携が見られそうだ

   2本目もしくは4本目での出場が濃厚なのは佐藤(コ1)・川俣(現4)ペア。8月のインカレでベスト16に勝ち上がったことは記憶に新しい。先週の六大戦でもインカレ覇者の安藤優・安藤圭ペア(早大)から3ゲームを奪うなど、夏の好調をそのまま維持している。佐藤の見どころは、この夏に強化してきたパッシング。スキあらば強烈な一打を叩きこむ。一方、4年生の川俣はこれが最後のリーグ戦となる。佐藤からの信頼は厚く、インカレ同様、佐藤に迷いが生じた際に的確な助言を行うことが期待される。まさに"いぶし銀"の働きで自身のキャリアに"1部昇格"の花を添えたい。石川・中村ペアが勝てばさらなる追撃、同ペアに黒星がついた場合はゲームの全体的な立て直しが任務となる。



雄たけびをあげる峯村     
アグレッシブな攻めに期待だ
   同じく峯村(コ1)・安藤(済2)ペアも2本目か4本目に出番がありそうだ。この二人も石川・中村に続く新しいペア。後衛の峯村は、佼成高校時代に新人大会優勝、インターハイ出場を果たしている。春季リーグで初勝利を挙げた際には初々しい笑顔が印象的だったが、夏を経て勝負師としての顔が板についてきた。春の出場は山田の代役という意味合いが強かっただけに、今回は実力でつかみ取ったレギュラーの座。インカレ後に語った「秋季はちゃんと枠に入る」という言葉を見事現実のものとした。峯村を支える前衛の安藤は、1年生の春からリーグ戦に出場し続けている実力者。昨春は4年生と、昨秋は前主将の高橋と組んでいただけに経験値は前衛の中で随一と言えよう。相手に思うようなプレーをさせない秀逸な間の取り方が強みだ。このペアが勝てば立大の勝利は揺るぎないものとなるだろう。

三本目 復活待たれる風来坊
ショットを放つ山田     
写真からでも荒々しさが伝わる
   この男の復調なくして一部昇格の夢は実現しない。3本目のシングルスに登場するのは、この秋のキーマン・山田(文2)だ。春季リーグでは転倒した際に右腕を負傷。以降、校内戦でも上位5ペアに入れずインカレ出場を逃すなど、悩める日々が続いている。しかし、自身を塞ぐ壁が高いのは、それを越えられるだけの実力がある証拠。そもそも立大が2部で上位に食い込めるようになったのは、昨春、昨秋とシングルスで5戦4勝をあげた山田の存在があったからだ。前主将の高橋も「山田がシングラーとして入学して選手層が厚くなった」と分析する。山田の個性はシングルスにおいて最も引き出される。コートを縦横無尽に駆け回り、攻め込まれれば倍の威力で打ち返す。名門・岡山理大からやってきた風来坊が復活の狼煙を上げる。


五本目 "ラスト"に懸ける
球の強さが武器の高橋    
 熱いプレーで魅せる
   背中で語る前主将の勇姿もこれが見納めとなる。勝負を決める5本目に登場するのは、前主将高橋(現4)・小野勇(現2)ペアだ。高橋はこれが正真正銘の最終戦。即戦力ルーキーとして台頭した1年時から、主将としての責務を全うし終えた今日この日まで。1部昇格を目指してひたすらに戦ってきた。「もう主将ではない自分にできるのは、結果を出すことだけ。その姿を見せられれば後輩も何か気付いてくれるはず」と、己の情熱を全てこのコートに置いていく覚悟で挑む。事実、この秋季リーグで立大が一部昇格を果たしても、自身は卒業してしまうため一部ではプレーできない。ここで奮起するのは後輩の未来のために他ならない。千葉監督も「2勝2敗で5本目に回って、高橋が燃えないわけがない」と期待を寄せる。そして、前衛としてサポートに回るのが小野勇。高校時代のキャリアは立大の前衛でトップクラスだ。高橋も「前衛で一番落ち着きがある」点を高く評価する。目標はもちろん全勝賞。5本目の勝敗がチームの結果に直結するだけに、重圧に負けない忍耐力が求められる。

さあ出陣の時だ!
   2部を1位で終えるには、5勝0敗で終えることが絶対条件だ。今春も国学院大戦で喫した1敗によって涙をのんだ。その国学院大は1部に昇格。代わりに降格した法大と、昨秋の2部優勝校の東経大(入れ替え戦では敗退)が主なライバルとなる。法大には先週の六大戦で敗戦。春季リーグで勝利を収めた東経大も、すでに2部1位の可能性が消えていたためフルメンバーではなかった。今秋も厳しい戦いになるだろう。それでも、目の前の一球に懸ける泥臭さで何が何でも1位の座に上り詰めてほしい。


(10月8日/取材・編集=栗原一徳)





Copyright (C) 立教スポーツ編集部, All Rights Reserved.