革命D

春季リーグ戦2016

田中和基選手、黒萩幸生選手


   本当の意味でチームが強くなるには、その代の4年生が活躍できるかどうかにかかってくると言っても過言ではない。下級生時代から、立大ナインに名を連ねてきた田中和基(法4=西南学院)。そして昨シーズン、ようやく頭角を現わし投手陣の一角を担った黒萩幸生(営4=遊学館)。他の5大学にとって立大がより脅威として意識されるには、この2人の4年生がキーマンであるだろう。ラストイヤーを迎える彼らの心境は・・・。


◆田中和基(法4=西南学院)

―昨シーズン振り返っていただけますか
   個人としては、結構打てたし怪我もせずに充実してましたね。でもチームとしては勝ち切れない試合が続いたので悔しいシーズンでしたね。3年の春に凄く成績的に落ち込んで、その理由としては相手に苦手なところを攻められ続けて、調子を落としてしまったのが挙げられます。その課題を修正できたのが去年の秋でした。

――春の宮崎キャンプはいかがでしたか
   最近両打ちをまた始めたので、その練習がメインでしたね。(―どうしてこの時期に両打ちなのか)まぁ昔から右打席は昔からやっていたので、それをまたやろうかなと。きっかけとしては特には無いんですよね(笑)左打席で去年東大の宮台投手(3年=湘南)からホームランを打っているので、自分の中で左投手に苦手意識はないんですけど、より自分の打撃の幅を広げたいと思って、また始めたという感じです。社会人対抗戦でも右打席に立ってみたんですけど、感覚が良くて実践も大丈夫かなと思います。

――最上級生としてプレーすることに今までとは心境の変化はありますか
   自分は下級生の時から試合には出させて頂いていたんですけど、どちらかというと自分で頑張るという意識でやっていたんですね。当時ももちろんチームの勝利は大事だったし、自分が打って勝てればいいな、とは思っていたんですよ。でも今年は、個人の成績ももちろん大事なんですけど、チームが勝つために自分が打たなきゃいけないなと思うようになりましたね。

――新主将の澤田圭佑(コ4=大阪桐蔭)選手はどういう主将ですか
   本当にやりやすい空気を作ってくれていますね。もちろん厳しいところは厳しいんですけど、下級生もしっかり意見を言うことができる環境を、澤田(圭佑)が作ってくれていると思いますね。自分たちの代は凄く仲が良くて、その空気は自分たちに合っているなという風に思います。

――ご自身は進学校出身です。周りの野球で名門校出身の選手たちと野球することについてはこの3年間いかがでしたか
   さっきも言いましたけど、自分たちの代は凄く仲がいいんですね。澤田(圭佑)も大阪桐蔭で甲子園優勝してますし、全国レベルの選手たちは沢山いるんですけど、そういう選手たちと雰囲気よく野球ができる環境だったんですね。なのでやりづらさは全く感じたことはないですし、のびのび野球に集中できましたね。

――下級生時代に、これだけは負けないぞと思われていた面はありますか
   打撃ではなかったですね。最初に出させてもらった時も打順が7番とかでしたし、どちらかというと肩とか足とかを期待されていたし自信はあったんですよ。(――打撃が開花された要因は)Bチームにいたときの話なんですけど、Bにもいいピッチャーがたくさんいるんですね。それで自分は練習の時に、いいピッチャーから打つことができて、アピールができたということが打撃に対する自信につながったかなと思います。下にいたときに打撃でチャンスがつかめたっていうのが今に繋がっています。

――打撃面ではどのようなことを意識されていましたか
   一番大事にしているのは、相手にインパクトを与えることです。やっぱりホームランが一番相手に印象を与えるじゃないですか。だから三振を恐れずにフルスイングで打席に向かうことは意識しています。
―ご自身は逆方向への長打が多いように思われますが)特に意識はしていなんですけど、去年はたまたま左中間とかそっちの打球が多かったという感じですね。自分はコースで狙うというより、球種で狙うタイプなので、来た球を強く振ることだけ意識していました。

――今季も打線の中軸を担われます
   打撃の面で行ったら佐藤(拓也=コ4 浦和学院)と笠松(悠哉=コ3 大阪桐蔭)と自分に期待がかかってくると思うですけど、それぞれタイプは違っていて、佐藤に関しては綺麗に成績を残すというか、バランスのいい結果が求められていて、逆に笠松は長打の面での期待がかかっていると思うんですよ。その点自分は長打と単打どっちつかずでもいいのかな、という風な考えをもっていますね。両方期待されるバッターが自分だと思っていますし、どちらかにこだわる必要もないというか、やりたいように打てるとは思っています。だからプレッシャーは特に感じていませんね。

自身のアピールポイントを「逆方向へのホームラン」と語った田中和
――試合前のルーティーンなどはありますか
   音楽を聞くことですね。いつも決まった曲を聞きます。ももいろクローバーZの『走れ!』という歌を毎回最初に聞きながら神宮に向かいます。

――最後に今シーズンの意気込みをお願いします
   簡単な話、2回に1回打てれば5割じゃないですか。去年は1/3で満足していたんですけど、もう一個上のレベルを目指したいですね。あと、ホームランは5本打ちたいです。そして打点15は目指したい。それくらい大きい目標を立てて臨みたいと思っています。それも、チームが勝つために自分が打つという信念はもちろん持って、リーグ戦優勝します。

――ありがとうございました!

◆田中和基(たなか・かずき)1994年8月8日 熊本県生まれ。法学部4年。右投両打/外野手/西南学院/180a72`


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◆黒萩幸生(営4=遊学館)

――昨シーズンを振り返って頂けますか
   やっとチームに関われたシーズンだったというか、出場機会もほとんど毎カード投げさせて頂いたので。チームのために野球ができたシーズンでしたね。(――収穫は何か)今までは確固たる自信がなかったんですけれども、ある程度抑えることができて、自分の中で自信が確立できたというのが一番の収穫でしたね。

――ご自身の投球におけるこだわりは何でしょう
   ストレートですね。速さがそんなにあるというわけではないのですが、誰よりも質にこだわって投げていますね。コントロールもそうですし、キレやノビなども大事にしています。

――立大の投手陣の関係性はいかがですか
   もちろん澤田(圭佑=コ4 大阪桐蔭)をはじめ、いいピッチャーが揃っていますしお互いにいい刺激を受けながら成長していけているかなという実感はあります。一年生にもいい選手が入ってきていることも刺激になりますね。

――最上級生になられて何か心境は変わりましたか
    今までは上がいたので、結果が出なくてもわり切れていた部分がありました。でも今年は自分にとっても同期にとっても最後の一年なので、より一球の重みが増しているかなと思いますね。

――同期の存在はご自身にとってどんな存在ですか
    自分の体感なのですが、自分が関わってきた代の中で一番仲がいいと自負している代なんですね。お互いよく理解し合えているので、野球の時においても自分のことを考えてくれての声掛けとかが多く聞こえてくるので、そういう所にも好影響が出ているかなと思いますね。

――ご自身が今挑戦されていることは何かありますか
     挑戦していることは特に珍しいことはないのですが、とにかく腕を振って投げることは大事にしています。さきほども言いましたが、やっぱり自分は真っすぐが生命線の投手なので、腕を振ってなげることで真っすぐが良くなる、そしてその分変化球が生きてくるので、当たり前のことではあるんですけど、とにかく腕は振ろうと思っています。あとは、自分の世界をきちんと作ることです。守ってもらってはいるんですけど、基本的にはマウンドでは一人なんですね。だから試合前もしっかり自分だけの時間を作って、程よく緊張しつつ試合に入るようにはしています。

――リリーフとしての登板が多かった昨シーズン。難しさを感じたことはありましたか
     高校時代は先発しかやってこなかった身なので、最初は難しさを感じていましたね。リリーフはやっぱり作られた試合に入っていかなきゃいけないし、いつ出番が回ってくるかわからないので緊張もしますね。試合への入りはすごく大事にしています。

――今シーズンのスローガンである『革命』の一端を担う存在として、意識されていることは
      毎年思っていることなんですけど、自分の力以上のことは出来ないんですよ。でもその自分の力を最大限に発揮することは出来るので、与えられた場面で最高のパフォーマンスをすることが自分の役割かなと思っています。

自身のアピールポイントを「魂の直球」と語った黒萩
――これまでの大学野球の三年間はいかがでしたか
   怪我もしましたし、納得いかない時間の方が多かったです。大学野球は、よくも悪くも誰も助けてくれないんですね。だから結果を残さないと評価されないし信頼も獲得できないので、信頼の獲得という意味では一番苦労した部分ですね。調子が上がらないときは、地元の方の声援がモチベーションでしたね。帰省した時に色々な人に声をかけてもらって、このままじゃ終われないという気持ちが増して、自分の中での野球人としてのプライドでここまで頑張ってきました。高校の時もそうだったんですけど、下級生のときに苦労して、最後の年で花を咲かすっていう野球人生だったんですね。だから大学野球も、今年一年で花を咲かせたいなと思います。

―最後に今シーズンの意気込みをお願いします
   自分が入学してから優勝したことはもちろんなくて、立教としても長らく遠ざかっている中で、今年は絶対優勝したいですし、池袋でのパレードを経験したいなと思っているので、自分ができることを精一杯やって優勝に貢献したいと思います!

――どうもありがとうございました!

◆黒萩幸生(くろはぎ・こうせい)1994年7月20日 石川県生まれ。経営学部4年。左投左打/投手/遊学館/180a75`


第6回は、丸目竜誠学生コーチチーフ(観4=宮崎南)と湊谷智将主務(法4=川越東)です。お楽しみに!



(4月1日 取材・唐澤大/編集・入江萌乃)





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