革命D 秋季リーグ戦2016 佐藤竜彦選手、田中和基選手 2016年度春期リーグ戦、優勝まであと一歩まで迫ったもののわずかに及ばず悔し涙を飲んだ。悲願34季ぶりの優勝をつかむため、選手、コーチ、マネージャー一人一人ができることはなにか。いよいよ開幕する秋のリーグで、「革命」の鍵になるであろう11名に話を伺った。 ◆佐藤竜彦(観4=國學院久我山)◆ ―春のシーズンの振り返ってみていかがでしたか 個人的には、ベストナインをとれたので良かったです。 ―優勝まであと一歩、何が足りなかったのでしょうか やはり、打者がもっと打っていれば勝てたと思います。難しいことではありますが。 ―ご自身にとっては飛躍の年となりましたが、その要因はありますか 試合に出られたから、あれほどの成績が出たと思うので特に大きな要因はないですかね。
やはり、明大の柳投手は打ちにくかったですね。投球技術がとてもあるなと思いました。(―逆に対戦して楽しかった相手は)高校の同級生である川口(明大)です。 ―ハーレムベースボールウィークでは本塁打王に輝きました 実際2本しか打っていないですけどね(笑)。最初のキュラソーとの試合と、オーストラリア戦で打ちました。そのあと後半は出ていなかったので。 ―オランダ自体はいかがでしたか 初めてのヨーロッパだったのでとても楽しかったです。ちゃんと教会などにも行き観光もしました。一応観光学部に所属しているので(笑)。 ―国際大会ははじめてですか そうですね。こうやって日本代表に選んでいただくことも初めてで。ずっと海外の選手と試合することが夢だったので、今回かなって嬉しかったです。小さいころからメジャーリーグを見るのが大好きで、メジャーリーグの自由で楽しそうに見えるけれども、要所要所きちんと締めているところとか、そのメリハリのきいた日本にはない感じの野球が好きだったからですね。 ―実際対戦してみていかがでしたか 実際投手のレベルなどは圧倒的に日本の方が良い物を持っていましたが、キュラソーには日本で一度も見たことのないような変化球を投げる投手もいましたし、そういう面では面白かったです。オランダの選手は27歳の選手とかもいて・・・33番の選手と仲良くなりましたね(笑)。雰囲気で話していましたけど。 ―ハーレムで喋った他大学の選手で印象に残っている選手はいますか 慶應の沓掛とかは少し変わったバッティング理論を持っていたので、話を聞いていて面白かったですね。六大学各チームのカラーがすごく出ていて、そこも触れてみて面白かったです。 ―帰ってきてからキャンプがありましたが、そこでの目標は何でしたか した。フリーバッティングからしっかりボールを見極めるという練習を日頃から意識的にしていました。(―収穫はありましたか)少しずつストライクゾーンが小さくなってきたとは思っています。 ―キャンプを経て現在の調子はいかがですか あまり芳しくないですね。全てにおいて。結果だけ見ればヒットも出ているのですが、体の調子があまり良くなくて。自分的には調子が良くないのに、結果が出ているので今怖いですね。 ―キャンプ後にはオールスターもありましたが、いかがでしたか 最初の相手が明治の水野と牛島のバッテリーであったのですが、かなりインコースを攻めてきて。オールスターでさえも相手を研究しているのだなと思いました。すごいですね。結果としては打ちましたけどね、ライトに。 ―今シーズンの具体的な目標はありますか 個人としてはもう一度ベストナインを取ることですね。チームとしてはもちろん優勝することです。 ―相手からもかなり研究される選手にもなると思うのですが 見ていたらわかると思うのですが、自分は来た球を返しているだけというか、あまりボールを張っていないので、このスタイルは変えずにやっていきたいなと思います。 ―いよいよラストシーズンになると思いますが、ここまでの三年間はいかがでしたか 難しいですね、のんびりやってきたので(笑)。自分のやりたいようにやってこられて、そういうスタイルをずっと貫き通せたので、立教で良かったなと思いますね。もちろん試合に出たいという風に思っていましたし、ここまで大所帯の野球部なのでなんとかスタメンの9人の中に入りたいと思っていました。三年間楽しさもありましたが、あっという間でもあったなと感じますね。外野手陣は特にずっと競争してきたので、特にあっという間でした。 ―竜彦さんから見たこの秋の注目選手は 熊谷(コ3=仙台育英)。春はあまり思うような結果が出てはいなかったですが、コツをつかんだら、良くなると思うんですよね。欲を出してしまうのが彼のまだまだなところなので、そこを捨てろといつも言っています(笑)。彼が本来の力を出せるようになれば、打線にも勢いもでると思いますし、彼に期待しています。
量より質。無駄な練習はやりたくないですし、必要なことをやればいつでも良い結果が出ると思うんです。なので、量より質は重要視していますね。 ―では最後に今シーズンの意気込みをお願いします 優勝したいので、チームの力になれるように。欲を捨ててつなぐバッティングをしたいと思うので、とにかくヒットを打ちたいと思います。 ―ありがとうございました! ◆佐藤竜彦(さとう・たつひこ)1994年11月21日東京都生まれ。観光学部4年。右投右打/外野手/國學院久我山/182a83` ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆田中和基(法4=西南学院)◆ ―春のシーズンを振り返ってみていかがでしたか 明大三回戦の1アウト満塁の場面でゲッツーを打ってしまったことが一番印象に残っています。チャンスで打てなかったことで優勝できなかったことに繋がっていると思うので、そこだけが本当に春のシーズンを振り返って一番悔しかったことですね。(―ご自身にとっては悔いに残るシーズンでしたか)そうですね。あの1本が本当に悔いでした。 ―前半戦では左右両打席で本塁打を放ちましたが、その点はいかがでしょうか そういう面では収穫も多かったのですが、やはり自分の欠点がはっきりと表れたので、秋にもつながっていくと思います(―具体的にはどういった部分でしょうか) 自分は三振が多いことをあまり気にしないのですが、シーズン途中で気にしてしまって当てにいくバッティングをしてしまって、自分のバッティングができなくなってしまいました。明治三回戦のゲッツーの時も、思い切り振っていけばよかったのですが、「満塁だから確実に1点を取りにいこう」と考えたことで最悪の結果を招いてしまったので、自分らしく思い切りよく振っていくことが大事だなと再認識しました。 ―この夏参加された、日本代表選考合宿から得たものなどはありますか 今まではレギュラーを取るために必死で目の前のことに集中していました。去年の秋ごろから自分が注目されるようになってきて、驕っているわけではなく周りをよく見ることができるようになったと思います。今までは他の人のプレーを見るといっても自分が這い上がるために必死でやってきたのですが、今は周りを見てこういう意見もあるのだなとか、他の選手たちと交流することによっていろいろな野球観が得られたと思います。 ―夏のキャンプはいかがでしたか キャンプで佐藤竜(観4=國學院久我山)と自分はほとんど試合に出ていなくて、守備もやりませんでした。その分、バッティングにかける時間を多く取れた事が良かったと感じています。国際試合や代表合宿で他大学の選手と触れて、バッティング間もいろいろと考えるものがあったので、いいところは伸ばして、改善するところは改善して、自分のバッティングと向き合う良いキャンプになったと思います。(―どういった部分を1番伸ばせましたか) 自分は両打ちになって、右打席ではまだ1シーズンしか打ったことがないので穴も結構あると思います。その穴が完璧に埋められたわけではないですが、左右どちらでも打てるという状態になっています。右打席での欠点が少し減ったと思います。 ―ここまでの3年間を振り返ってみていかがですか 去年の4年生はさみしいと言っていましたが、自分は今とてもワクワクしているというか、秋リーグが楽しみだと思っています。試合に出させてもらっているので、研究もされているでしょうし、逆に自分も相手投手を分析して臨めると思います。また他大学のエース級の投手がプロに進むことが多いので、やはりそういったレベルを打てなければ自分の成長を感じることができないと思います。シーズン中にプロへと進む選手が決まりますし、プロ入りする投手を打ってこそだと思うのでそういった意味で秋リーグは楽しみに感じています。
あまり気になっていないです。僕と佐藤拓(コ4=浦和学院)では評価のされ方が違ってくると思っています。拓也の場合は今後の成長というよりは今の拓也の形を評価されると思います。僕の場合はまだまだ荒いですし、能力で見てもらっていると思うので、結果よりも自分がこういう選手だというものを出せればよいです。スカウトの目を気にするよりは、自分が楽しく思い切りプレーする方が結果的にスカウトの目にも良く映ると思うので、楽しんでやっていきたいです。 ―秋優勝するために何が1番必要になってくると思いますか 野球で負けるときというのは、1つのミスや大事な場面で1本打てないだとかそのような1つのプレーで流れが変わるものだと思います。その1つのミスをしないということと、立教のスタイルとしては相手のエースが投げているときにどれだけ崩せるかということを大事にして、初戦を取れれば勝てるチームだと思います。初戦にこだわっていきたいです。 ―打撃陣の調子はいかがですか 最近はみんな上がってきていると思います。今までは立教の7番、8番,9番は全く打てないというイメージがあったと思うのですが、春も結果的にいえばそういった状態になってしまっていたと思います。ですが最近では、捕手の上野(コ4=長崎日大)と田(コ3=浦和学院)がどちらも打てる雰囲気を持っていますし、高橋信(コ4=長野日大)もキャンプからずっといいバッティングをしているので、穴がなくなったと思います。どの打順でもどの回でも点が取れるというのが強みだと思います。 ―外野陣も層が厚いと思いますが、意識しますか 自分が打てなければスタメン落ちすることがあり得るチームだと思います。結果を見られると思いがちですが結局は総合的な部分を評価されると思います。1打席打てなかったということよりも、盗塁をしたりいい守備をしたりすることが大事だと思うので総合的なところを今シーズンは考えていきたいと思っています。 ―今、後輩に伝えたいことはありますか 思ったよりも4年間が早いということです。澤田などとも最近この4年間あっという間だったということを話したりします。楽しくやってほしいです。 ―田中選手にとって同期の存在とは 僕の学年はライバルになってくる選手が多くいて、仲は良いのですが実力の世界なので。外野陣は特に仲が良くて楽しいのですが、気を抜いたらレギュラーを取られてしまう状況なので、いい友達であり、いいライバルという感じです。 ―現役最多本塁打を放っていますが、本塁打に対するこだわりはありますか もともと本塁打を打てるタイプではないですし、とりあえず今の4年生には抜かれないように頑張ろうと思います。あと2本打てば10本目ですし、トップのまま引退したいと思っています。(―左右打席でどちらの方が本塁打を打てるイメージがありますか)例えば同じコースに投げてくるマシンがあったとして、100球ずつ打つとしたら、右打席での方が多く打てると思います。同じ球をずっと投げてくれたら右の方が打てると思うのですが、相手は投手でどうなるかわからないので。右の方が飛ばせるとは思うのですが、今はどちらの方が打てるということはあまりなく、同じバランスになってきていると思います。 ―リーグ戦に出場する際に緊張はしますか 最初は緊張していたのですが、リーグ戦では初戦はワクワクしますが、2週目以降は生活のリズムになってくるので、自分は春と秋一気にやってくれてもいいというぐらいに考えていますし、生活のサイクルになるので緊張はしないです。重要視はしていますが1週間に1度の週末の楽しみというように考えているので緊張というよりはワクワクする方が大きいと思います。 ―田中選手が野球をするうえで1番大切にしていることは何ですか 「克己心」という自分に負けないことと、「冥冥の志」という四字熟語なのですが、他人の見ていないところで努力するという意味です。その2つの言葉を自分の座右の銘としています。各シーズン波はあると思うのですが、今までの自分にできなかった結果を求め続けていきたいです。去年の秋に調子が良かったのですが今春にそれ以上を求めた結果良くなかったので、秋はとりあえず春の成績を超えるということや、1日1日で見ても前の日より良ければいいという考えを持って野球をやっています。
―1日1日を大切にしていくということですが初戦の法政戦はどのようなところがカギになってくると思いますか 法政は初戦を先に終えているので、そこの差がでなければ勝てるのではないかと思います。立教の選手が変に緊張してしまったり、田村(コ4=報徳学園)がいつも通りの投球ができなかったりすると良くないと思います。法政の菅野選手は先週から修正してきていると思うのですが、立教が普段通りやっていけば,菅野選手が良くなっていたとしてもカバーできるので、立教がダメで法政が良くなるという状況にならなければ絶対に勝てると思います。 ―最後に今シーズンの意気込みをお願いします 自分はこれまで4シーズンやってきて、4回のうち2回、あと1勝という所で優勝を逃してきたので、今シーズンは何としても優勝を勝ち取りたいと思います。絶対に優勝します。 ―ありがとうございました! ◆田中和基(たなか・かずき)1994年8月8日 熊本県生まれ。法学部4年。右投両打/外野手/西南学院/180a72` 次回は、佐藤拓也選手(コ4=浦和学院)と田村伊知郎選手(コ4=報徳学園)です。お楽しみに! (9月6日、9月14日 取材・入江萌乃、渡邉紘也/編集・入江萌乃)
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