革命E

秋季リーグ戦2016

佐藤拓也副将、田村伊知郎副将


   2016年度春期リーグ戦、優勝まであと一歩まで迫ったもののわずかに及ばず悔し涙を飲んだ。悲願34季ぶりの優勝をつかむため、選手、コーチ、マネージャー一人一人ができることはなにか。いよいよ開幕する秋のリーグで、「革命」の鍵になるであろう11名に話を伺った。

◆佐藤拓也(コ4=浦和学院)◆

―春リーグを振り返っていかがですか
   自分の中でうまくチームに貢献できなかったというか、自分の結果を求めすぎてそれが逆に悪い方向に行ってしまったなという感じです。

―春の打撃面についてはどのように分析していますか
   そうですね。別に技術的な面とかは悪くはなかった思うのですが、結果を欲しがったというかうまく気持ちをコントロール出来なくてあまり力を出せなかったなと思います。

大学日本代表としての活動を振り返る佐藤拓
―侍ジャパン大学日本代表としての活動はいかがでしたか
   レベルの高い人たちとやるというのは、自分の中でもすごいいい経験になって楽しかったです。日米のときは自分の結果を求めすぎずに、純粋に勝つためにという風にやれて、それがいい結果に結びついたので、秋はそんなに求めすぎずに勝つためにと思ってやったら自然と結果はついてくるんじゃないかと思います。

―大学日本代表の副将を務めましたが
   最初はみんな遠慮していてなかなか打ち解けてなかったのですが、経験者が自分と柳(明大)と濱口(神大)と少ししかいなかったので、経験がある自分とかが中心となってまとめていかないとチームとしてうまくいかないなと思ったので、柳とかを中心に積極的にコミュニケーションを取るようにしました。

―キャンプの具体的な目標は
   日米行って、帰ってオランダ行って帰ってすぐキャンプだったのでちょっとバタバタしててあまり考える時間は無かったです。挙げるとするならば、七月ずっと実践が重なっていたので自分の思うような練習が出来なかった分、キャンプ中は自分に時間が使えたので、良かったと思います。

―現在のチーム状況はいかがでしょうか
   自分たちのペースで試合が運べたらすごい勢いもあって強いと思うのですが、うまくいかない時に引きずってしまってなかなか打破出来ないので、そこは変えていかないといけないと思う部分もあります。なので、ダメな時こそ何かすぐに切り替えられる何かをチーム全体で身に着けていかないと、秋は難しいのかなと思います。

佐藤拓から見た今年のチームは『超積極的』
―ここまでの3年間を振り返ってみていかがでしたか
   思ったよりあっという間で思った以上に早く最後のシーズンを迎えてしまったので、もうちょっとやれたかなと思う部分はあります。ですが逆に3年間、2年の春くらいまでは良かったのですが、2年秋から4年春まで自分なりにちょっと苦しんで、でもその苦しんだ時間も無駄じゃないと思うので4年の秋に挽回というか、最後いい形で終われたらいいなと思います。

―ご自身が野球をする上で大事にしていることは何でしょうか
   やっぱり野球をしてきているのも当たり前ではないので、感謝の気持ちっていうのを、誰に対してもそうですけど、心がけています。

―秋リーグ優勝するために必要なことはどこになると思いますか
   先ほどもいったのですが、良い時は自分たちのチームも勢いがあって良いんですけど、逆に悪かったときに試合の中でそのまま行かずに流れを変えられる何かができれば、自分たちのペースに持っていけると思うので、ダメなときにどうすればいいのかっていう解決策を早く見つけて、秋は10勝して優勝したいと思います。

―ありがとうございました!

◆佐藤拓也(さとう・たくや)1994年8月12日茨城県生まれ。コミュニティ福祉学部4年。右投左打/外野手/浦和学院/173a76`


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◆田村 伊知郎(コ4=報徳学園)◆

―昨シーズンを振り返ってみていかがでしたか
   良い思い出と、悔しい思いで。その二つがあったリーグ戦だと思います。

―具体的に良い思い出というのは
   一番今までのシーズンの中で、チームの勝ちに貢献できたという実感もありましたし、成績がそれを物語っていると思うのでそこに関しては良かったなと思います。(―悔しかった部分はやはり・・・)そうですね、明治戦です。

―いろいろなメディアで明大の胴上げの様子を一人ベンチに残って見つめていた、という記事がありましたが、あのときはどのような思いだったのでしょうか
   特に意識してあれをやろうと思っていたわけではないのですが、なんとなくあのまま引き上げていくことができなくて。その一通りをなぜかあの場所で見ようとなりました。本当に自然にいた、という感じですね。とりあえず春が終わったなって。後半優勝がかかった試合で、今まで投げたことがないような環境で投げていたので、気持ちの面でもいろいろな物を味わいました。それが一旦終わったのだなという意味で、力が抜けた部分もありましたし、なんとか秋はあの胴上げを自分たちがするんだという思いを持ちながら見ていました。

―明大戦の3連投というのは
   監督さんに「明日も行けるか?」と聞かれて、自分も行ける状態でしたし、行けますと答えて決まりましたね。一戦目より二戦目、二戦目より三戦目の方が、気持ちの面ではほぐれていましたね。あの場に慣れるという訳ではないのですが、なぜかほぐれていって。自分は3戦目がメンタル的には一番投げやすかったですし、体の疲労は感じないタイプなのでそこら辺の問題はなかったです。気持ちの面では一番充実してマウンドに上がれたのではないかなと思います。

チームへの熱い思いを語る田村
―この春の飛躍の要因は何だと思いますか
   この春一番良かったのは、最終学年で、自分の成績以上にチームの勝ちを追い求めていたことが良かったと思います。チームのために投げるという気持ちでマウンドに上がれましたし、その心構えが一番良かったのではないかなと感じていますね。法政戦で打たれて、一通り変化球とかやってきたことを全て捨てて、真っ直ぐとスライダーの2球種だけで戦うという自分本来のスタイルにやっと四年の春で割り切ることができたのも大きかったと思います。

―春を終えて、周りの環境は変わりましたか
   そうですね。周りの人が変わるとかはないですが、日本代表としてマリンフィールドで戦ったときも観客の数が違ったりだとか、今まで自分が野球をやってきた舞台と違う部分も経験できたということはすごく感じていました。アメリカ人やオランダ人と戦えましたし、そういう意味で今までやっていた所から少し広がったなと感じましたね。

―この夏は相当ハードであったと思いますが、振り返ってみていかがでしたか
   幸せでしたね、この夏は。疲れとかも全然感じなかったですし、代表のユニフォームを着るという経験も初めてであったので、ずっと立教の中でも試合を投げられなかったときから考えると、すごく幸せな時間を過ごしているなと感じていました。(―日の丸のユニフォームは違いますか) 違いますね。君が代の聞こえ方がいつもと違うんですよ(笑)。そこで初めて国を背負ったというか、日本を実感したというか(笑)。そのようなことを考えたこともなかったので、改めて今代表で戦っているんだなということを感じましたね。

―秋は第一戦目の先発が予想されますが、プレッシャーはありますか
   打線も調子良いですし、一人で背負い込んで重い心で帰りたくないので、むしろ今まで通り1試合目2試合目ある中の1試合を投げるピッチャーという程度の気持ちで。変わらず勝ちに向けて投げたいなと思いますね。

―田村選手のメンタルの強さというのはどこから来ているのですか
   僕強いですかね(笑)。でも元から強かったわけではなくて、いろいろな経験が強くしてくれたというか。今までたくさん失敗もしましたし、ここ三年間を見ていただければほとんど成功がなく失敗も多かったので、その中から学ぶことも大きかったですし、わりと失敗の方が強く印象に残るじゃないですか。より強固な教訓となってマウンドでは絶対弱気になっちゃダメだ!みたいな。それは、マウンドで弱気になって失敗したからそのような気持ちになったと思いますし、それはやはり経験が物を言いますね。

―マウンド上ではこうあろうと意識していることはありますか
   自分のひるんだ姿がでた瞬間に勝負あったと思うんですよ。最近いろいろな場所で「気迫が前面に出ている」とか言われたり書かれたりするのですが、それは絶対に自分が弱気にならないための建前というか、意識がそうさせていると思うんです。メンタル強いのかは分からないですが、マウンドで絶対弱気にならない、弱気になったら勝負の舞台に立てないのでまずそこだけは整えようというか。勝負に向かう上でのメンタルだけは常に保っておこうというのはマウンドでも心がけていますし、それはいままでのマウンドでの経験があって、生まれた物なので、今までの積み重ねが生きてきたのではないかなと思います。

田村から見た今年のチームは『謎』
―優勝の鍵になる選手はどなただと思われますか
   熊谷(コ3=仙台育英)とかが頑張ってくれたら大きいのかなと思いますね。来年は間違いなくチームを引っ張っていく立場になると思いますし、彼が頑張ってくれたら結構大きいなと思いますね。

―ここまでの三年間振り返ってみていかがでしたか
   宝物ですね。この三年間ほとんど良い思い出というか良い結果というのはでなかったですが、この先野球とか生きていく上でも大事なことを学びましたし、そういう面を学ばせてくれた立教大学に感謝ですね(笑)。


―やはり同期の存在も大きいですか
   そうですね、仲間にも恵まれましたし、先に活躍したりする選手もいてそういうのも自分の三年間にとっては必要な存在であったのかなと思いますね。

―チームに対する思いが熱い印象を受けます
   自分で言ったら変ですよね(笑)。でも、自分一人の力ってそれほどたいした物ではないじゃないですか、一人でできることなんて。だからどちらかといえば自分は周りを巻き込んだりできる人が強いと思うのですよね。守る物が自分の成績だけとか、自分のことだけになるとその人が持っている力なんて大きくないと思うので、50人仮にいたとして、50人のために投げようと思ったら50人分の力を得た状態で戦えるというイメージがあるので、そういう意味でいろいろな人を巻き込んでという形ではないですが、チームのことを思って投げればという風に思うんですよ。

―田村さんが野球をする上で一番大切にしていることは何ですか
   そんなかっこいい物はないですが、「変えない勇気」は大事だなと思っています。今まで積み上げて作ったフォームを進化させようと思って変えてしまうことも多いと思うのですが、あえてそこを変えない勇気といいますか。日々の野球に対する姿勢でもそうで、ドラフトが見えてきても今までと変えないであったり、変わりたくなったりすることはあると思うのですが、変えないこと、変わらない事は結構大事だなと思います。

―最後に秋の具体的な目標をお願いします
   個人の成績は全く気にしていないですし、チームのために投げるというのは変わらないのですが、第三者から見て5勝ないし6勝できたら優勝にはぐっと近づくと思うのですね。チームのために投げて、5勝、6勝挙げられればそれなりに責任も果たせるのかなと思いますね。

―ありがとうございました!

◆田村伊知郎(たむら・いちろう)1994年9月19日兵庫県生まれ。コミュニティ福祉学部3年。右投左打/投手/報徳学園/174a78`




最終回は、澤田圭佑主将(コ4=大阪桐蔭)です。お楽しみに!


(9月6日 取材・板橋文恵、入江萌乃/編集・入江萌乃)





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