「戮力同心」

秋季リーグ戦直前

野球部智徳寮インタビューC


高田涼太選手、藤野隼大選手


    春季リーグ戦。最も成長を遂げた選手を挙げるとしたら、#27藤野隼大の名は必ず挙がるだろう。昨年までは出場0であった彼。今季は、自慢の守備力が安定感を増し、正捕手の座を奪取した――。一方、彼の姿をベンチから見届ける男がいた。#22高田涼太。昨年まで主力捕手として、立教守備陣の要として彼はホームを守っていた。秋季はさらなるレギュラー争いが繰り広げられるであろうポジションの2人に話を聞いてきた。

◆高田涼太(コ4=浦和学院)◆

――日本一長い3か月間でした。春季を振り返っていかがですか
  嬉しいの一言ですね。パレードはまさかあんなになると思っていなかったのでありがたいなという気持ちと、「秋も勝てよ」という一言に燃えてきましたね。

パレードでかけてもらう声が力になると答えた高田
――パレードでは3年生等、後輩の乗る車でしたが
  4年生と乗っていてもあれかなって思ったので3年生と乗って「お前らもがんばれよ」とか一丁前に言ってましたけど、決して4年生だけで勝ったわけではなくて、3年2年1年の力も大きかったと思うので、感謝したいですね。

――自身はレギュラー奪取をかけて臨んだ秋季。振り返っていかがですか
  スタート(先発)で立てていないのは一番の悔しさであり、スタメンじゃない時点で自分の中では0点ですけど、だからといって終わりなのかっていうとそうじゃないと思ったので、できることをやってチームの勝ちに行ければいいかなと思って春は臨みました。

――その言葉のとおり、代打で随所に勝負強い打撃を見せていましたが、代打は難しいものでしょうか
  難しいという人もいますけど、かける思いというか、期待をしてもらっているっていうところで勢いを持てる代打でいたかったので、立つ以上スタメンで出ていても1打席を無駄にしたくないという気持ちは変わらないので、あんまり気負いすぎても結果はでないので、とにかくピッチャーの球を打つことを考えて立ちました。

――春季の象徴として、円陣での声掛けを担当していましたが
  ただ自分が引っ張っていきたいという姿が自然と表れているのかなと思います。もともとキャッチャーというポジションで、声も出せる方だと思っています。自分の良さを考えたときに、引っ張っていく部分や活気づけていく部分だと思って、まして熊谷(コ4=仙台育英)が引っ張っていく立場で同じような人間が増えていけば自然とチームもレベルアップすると思いますし、熊谷自身も少し楽な部分が出てくると思いますし、サポートできてるなと思うので、あまりキャプテンとか関係なく引っ張っていきたいというのが純粋な気持ちです。

代打で結果を残した今季。高田は「かける思い」が

重要であると説いた

――円陣ではどのような話をするものなのですか
  良いプレー悪いプレーあってもこの回だぞっていうのは常に言っていまして、とにかく1点取るぞっていう部分です。あとは投手の攻め方だったり自分が見てて思うことを伝えたいというか、出ている選手中心に共有して、ただ共有しても点を取らないと意味がないので、点をとるぞっていうのを声出して伝えていますね。(――毎イニング円陣を行っていたことについて)9イニングあって必ず1回ごとに感じるものはあると思いますし、みんなが守備を終えてそのままベンチに下がって何かわかるものがあるのかっていったら難しいと思うので、「さっきの打席どうだった」とか「ピッチャーどう」とか聞くだけでも攻撃のプラスになると思いますし、そういう話の共有としてチームとしてまとまるには円陣はいいかなと思います。

――昨年までの投手陣も受けてきた中で、今年の投手陣はいかがですか
  結果としては今の方が上なので、いいピッチャーに越したことはないですけど、球威とか立ち姿は澤田さん(現オリックス)や田村さん(現埼玉西武)の方があったので。先輩の方が厳しいことも言われたり、アドバイスも多かったので、昨年出させてもらっていい経験はできたので、後輩に伝えられているかはわからないですけど、後輩も最近しゃべりますけど、受け身が多いのはやっぱり後輩なのかな。自分もなかなかガツガツ言えなかったので気持ちはわかるんですけど言いっぱなしにならないようには心がけています。

――4年間、共に戦った同期に対して特別な思い入れはあるのですか
  まだ最後の秋があるので、野球続けるかどうかも分かれると思うんですけど、出る人出ない人に関わらず、この秋にかけてほしいという思いは強いです。「野球やらないからもういいや」ではなくて、どんな立場であろうと大学にいる以上同じチームメートなので、今年にかけてほしい思いはあります。

ただ「勝」つのみ。高田は連覇に向け、重要

なことに勝利を挙げた

――秋は連覇がかかります。最後に今季の意気込みと、ファンの皆さんに一言お願いします
  スタンドに来てくださった方には良い思いをしていただきたいので、やるからには勝ちたいので、勝って良い報告をしたいですね。個人的には野球やっている以上数字や結果がすべてなので、とにかくいけるところまでいきたい。盗塁阻止率や失点率の平均数字だったりありますけど、10割目指して求めていかないと、一丁前に5割とか言ってる場合じゃないと思うので、とにかく自分ができることを出し切って、結果が出ればよかったなと思えればいいかと思います!

――どうもありがとうございました!

◆高田涼太(たかだ・りょうた)1995年5月11日埼玉県生まれ。コミュニティ福祉学部4年。右投右打/捕手/浦和学院/182a82`


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◆藤野隼大(営2=川越東)◆

――日本一から3か月が経ちました。反響は続いていたりしますか
  だいぶ期間も経ちましたし、チーム内でも切り替えて秋に向かっているので。今日また立教が表紙の雑誌が発売されたと思うのですが、それでまた浮かれるというのはなくて、春の余韻というのは消えた感じです。

チーム防御率はリーグ1位。

藤野が振り返るその表情は緩んでいだ

――激闘の春季を振り返って。自信となった数字はありますか
  まず目に見える収穫というのは、投手の防御率が全体で一位。それは優勝できた要因の一つだと思うので、誇れます。個人的には、正直打率でいきなり3割超えるとは思っていなかったので、それは良かったです。課題としては、結果は防御率1位でしたが、まだまだ減らせる失点があったので、そこの詰めかなと思います。

――春季王者として、秋季は重圧おかかってくるのではないでしょうか
  結果的には日本一になったのですが、日本一になったから秋もならなきゃいけないというわけではなくて。明治みたいにずっとずっと優勝を課されているようなチームではないので。毎回チャレンジャーとして試合できればいいなと思っています。

――秋季に向け、重圧はないのでしょうか
  プレッシャーがないと言ったらさすがに優勝したのに「なんだ立大」となってしまうので、ある程度あるのですが。優勝しなきゃ優勝しなきゃというのはなくて、あくまで一戦一戦越えた結果で、また優勝できればいいと思っています。

色紙に名前を書く藤野。秋季に向け、

彼の活躍にこれからも注目だ

――キャッチャーから見て、投手陣の調子はいかがですか
  選手権で長く戦って疲労もたまっていましたが、終わってから2、3か月しっかり調整できて、だいぶ調子も上がってきていて、良い状態だと思います。

――夏にはオールスターにも初出場されました。どのような気持ちで臨みましたか
  普段関わることのできない他大のすごくうまい選手だとか、キャッチャーでしたら郡司選手(慶大2年=仙台育英)と関わる機会があったので、色々な話を聞いてみようと思いました。プレーは思い切りやってあのメンバーの中でどれだけできるのかということをやってみたいと思っていました。

――秋季は連覇がかかりますが、どのような形で貢献していきたいですか
  具体的な目標は、もう一度防御率1位で失点を1番少なくしたいのと、春は自分の中では盗塁阻止が思ったようにできなかったので、その点でピッチャーを援護できたらなと思います。(――防御率1位のために必要なことは何ですか)春と同じ感覚でいくと、夏で各打者も成長してきていると思うので、油断せずにしっかり毎回毎回投手とのミーティングをして、研究をしっかりやっていく必要があると思います。

春秋連覇を成し遂げるため、「一戦必勝」で臨む

と語る藤野。その謙虚な姿勢が、必ずやチームを救う

――最後に改めて秋季に向けての目標、そして応援してくださるファンの皆さんに一言お願いします
  正直本当に(春季は)三割超えるとは思っていなくて、その成績を目指してやってしまうと、もちろんそれくらい打てれば良いのですが、チームのためになるようなバッティングを心がけていきたいです。本心は…郡司には負けたくないです! もちろん優勝する気持ちでやるのですが、一試合一試合を戦う気持ちで、応援してくださる方々へ感謝をこめて。もちろん勝ち負けも大事ですが、いい試合を見せられるような戦いをしていきたいと思います!

――どうもありがとうございました!

◆藤野隼大(ふじの・はやた)1998年1月7日埼玉県生まれ。経営学部2年。右投右打/捕手/川越東/181a82`?


第5回は、笠松悠哉選手(コ4=大阪桐蔭)、峯本匠選手(コ3=大阪桐蔭)です。お楽しみに!



(8月31日 取材・浅野光青、川村健裕、渡邉紘也/編集・川村健裕)