「戮力同心」
秋季リーグ戦直前 野球部智徳寮インタビューF 井上浩太主務、市原一樹学生コーチチーフ 熊谷(コ4=仙台育英)、笠松(コ4=大阪桐蔭)が「日本一の選手」であれば、彼らは日本一のスタッフ陣である。チームの運営を任せられる主務・井上浩太。春の激闘では、選手たちとともに思わず喜ぶ彼の姿が目に浮かぶ――。そして、チームを支える学生コーチ陣のチーフ・#50市原一樹。立大の全得点は、彼の活躍失くしてはあり得なかったであろう。まさに、縁の下の力持ち。彼らの語る、立教「日本一」とは――。 ◆井上浩太(コ4=福岡大大濠)◆
きつかったですね。試合数も多かったですし、火曜日までいった試合が多かったので長く感じました。今季は早慶戦の結果を待って優勝というパターンだったので、特に明大戦が終わってから優勝決まるまでの一週間は地獄のようでした。「待つしかない状況」というのが本当にじれったいというか、あの一週間はきつかったですね。慶大に勝ったときはほっとしました。 ――今年は当番校でしたが、当番校の主務ならではの大変さはありましたか 自分がちゃんと気を配ってやっていかないと、他の五大学もどうしていいか分からないという状況になってしまうので、常に自分が先を読んで、次に何をするかというのを明確にしていかないといけなかったっていうところで、そこは苦労した部分ではありますね。 ――優勝後にはパレードもありましたが、快挙後の反響はいかがですか お祝いの言葉とかはいろんな人からいただいて、すごいことを成し遂げたんだなとは思いましたね。正直、武大(国際武道大戦)が終わった後はそんなに実感は沸かなかったんですけど、時間が経つにつれて自分たちがやったことのすごさっていうのを痛感しました。 ――春季において、一番うれしかったことというとパレードになるのでしょうか やっぱりパレードが一番楽しかったですかね。あの光景はおそらく死んでも忘れないです。なかなか見られる景色ではないので、あんな経験はオリンピック出た選手かプロ野球選手くらいじゃないですか。それを大学生のうちに経験できたっていうのはうれしいですね。
やっぱりパレードが一番楽しかったですかね。あの光景はおそらく死んでも忘れないです。なかなか見られる景色ではないので、あんな経験はオリンピック出た選手かプロ野球選手くらいじゃないですか。それを大学生のうちに経験できたっていうのはうれしいですね。 ――数ある激動の中で、今季一番印象に残っている試合はありますか 慶大にボコボコに打たれた試合は印象に残っていますね。あれが無ければ逆に優勝できていないと思うのであれは印象的でしたね。あとは明大との3回戦で笠松が打った試合や、大東(コ4=長良)がサヨナラ打った試合はすごく印象に残っていますね。 ――今名前が挙がった通り、打撃陣では同期の活躍が目立ちました 頼もしいなというか、昨年は笠松が不振にあえいでいて、山根(営4=浦和学院)もケガで思うようにできていなかった中でああいう結果が出て、大東もチームで一番努力し続けて出てきた結果なので、そういった選手が活躍してくれるのはすごくうれしいですね。 ――日本一が獲れると思った瞬間はありますか 波があったので、法大の1回戦で去年だったら追いつけていない場面を追いつけて、引き分けに持ち込んだっていうところで「いけるかな」って思ったんですけど、その後の慶大戦で勝ち点を落としてしまったから…。早大の1回戦で完封負けもしたけどまた勝って、でも明大でまた負けてって感じだったので最後まで分からなかったですね。それはうち(立大)だけではなくてどこの大学もそうだったと思うんですけど、春季を通じてそういうリーグ戦だったのかなって思います。(――今までに優勝したという経験はありますか)そんな胴上げをするほどの優勝は無くて、小学校のときも全部準優勝だし、大学の新人戦で2季連続優勝したくらいで。こんな優勝騒ぎは初です(笑)
1年秋の明大の4回戦、2−8で負けた試合とかですかね。あと3年春の目の前で明大に優勝決められたやつとか。うれしい試合はこだわっても仕方ないから、悔しかったのをバネになっているという感じです。 ――では、最後に応援して下さるファンの皆さんに一言お願いします 春のインタビュー時は「頑張ってきた選手を見に来てください」と言いました。秋は、春の結果に満足することなく選手も地道に取り組んできたので、その成果を神宮球場に見に来てください! ――どうもありがとうございました! ◆井上浩太(いのうえ・こうた)1995年6月18日福岡県生まれ。コミュニティ福祉学部4年。右投右打/マネージャー/福岡大大濠/175a65` ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆市原一樹(コ4=富士学苑)◆
正直、あそこまで厳しいリーグ戦になるとは思っていなくて、最初に法大戦で12回引き分けから始まって、なかなか勝たせてくれないなというのがありました。でも、試合をしていくなかでチームとして成長して行けたという実感はあります。 ――チームの成長をコーチとして見て、主にどの点が成長したと感じますか リーグ戦に入る前からチームで戦おう、一体感でやっていこうという意識はありましたが、いざ試合でやると最初のほうはそれぞれの選手の結果に目が行きがちだったのですが、試合を重ねるにつれて一人の選手の結果よりは、自分がダメでもチームのためにどのように行動しようかという意識が増えて、チーム力があがってそれが優勝につながったと思います。 ――春季は飛躍した選手が多い印象を受けました。個人的に活躍がうれしかった選手はいますか 1番は笠松(コ4=大阪桐蔭)が嬉しかったです。かなり近い距離で笠松とは接してきて、リーグ戦前後の笠松の態度、チームに向き合う意識が大きく変わってきて、やはり笠松もこれまで華々しい道を歩いてきたというプライドもあって自分の成績を1番に考えていた選手なので日ごろから口うるさく声をかけ続けて、最後に明大戦でサヨナラタイムリーを打ってくれたので、これまで粘り強く言ってきて良かったなと思いました。自分の中でのMVPは笠松だと思います。 ――ご自身はランナーコーチャ―として全得点に絡みましたが、大舞台でのランナーコーチは声など、聞こえるものなのでしょうか 本当に聞こえないですね(笑)ランナーがセカンドに到達したら、点差とかアウトカウントとか守備位置とかいろんなことを考えながらやっているので、自分の判断がチームに直結しますし、集中していますし、歓声はほとんど聞こえなかったです。(――春季でご自身が1番良い判断をしたシーンはどのシーンでしょうか)法大戦で、飯迫(社3=神戸国際大付)のタイムリーで松崎(文3=横浜)が回ってもう一回戻ってタッチしたプレーがあったのですが、それが一番の判断ですね。試合が中盤で一点ビハインドだったので、これ(松崎)を回してアウトになったら痛い場面でもありましたが、気付いたら回していて、結果セーフで同点に追いついて。そこから点をどんどんとってくれたのでそれが良い効果になったのかなと思います。試合後も選手に良い判断だったと言われました。やはり、リーグの序盤でもあったので緊張していて、その中で突発的な判断で成功につながったので嬉しかったです。
高取(コ4=日大二)がなかなか試合経験少ないなかで結果を残して、ランナーでくると興奮していたので。冷静に行けよと声をかけています。もちろんこっちも嬉しいのですが、冷静にさせるのが大切なので(笑) ――夏季キャンプ、秋季オープン戦等を見ていて、注目の選手はいらっしゃいますか 笠松と、あとは種田(営3=大垣日大)はかなりあがってきてます。今は1番、2番で良い状態にあがってきているので、期待しています。 ――秋季はご自身にとっても最後のシーズンとなりますがいかがですか 立大でやる最後のシーズンでもありますし、自分の野球人生でも最後になるのでまだまだ実感はないのですが、ほんわりした感じといいますか、終わってもまだあるのかなと、実感はないと思います。でも、最後だからと特別なことをするわけでもなく、今まで同様冷静にやっていかないと、学生コーチという立場は感情的になったら選手に移ってしまうので冷静に的確な判断、発言をして選手のことを考えていきたいです。
選手自身も連覇を1番にやっているとともに、もう1回あの大きな喜びをファンの方とともに味わいたいとみんなが思っているので、優勝パレードでもあれだけ来てくださりましたし、優勝報告会でも多くのファンの方が応援してくださっていることを肌で感じたので、もう一度大きな喜びを味わいたいです! ――どうもありがとうございました! ◆市原一樹(いちはら・かずき)1996年1月8日三重県生まれ。コミュニティ福祉学部4年。右投右打/学生コーチ/富士学苑/176a70` 第8回は、飯迫恵士選手(社3=神戸国際大付)、寺山寛人選手(社3=神戸国際大付)です。お楽しみに!
(8月31日 取材・入江萌乃、浅野光青/編集・川村健裕)
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