戮力同心J

秋季リーグ戦2017

―法大戦展望―


   横綱が土俵際に立たされている。17日の慶大2回戦で敗れ、勝ち点を落としたことにより立大は優勝前線から後退。2季連続優勝の可能性は、「立大が法大に2連勝、東大が明大に2連勝、早大が慶大に2連勝した場合」のみで、まさに徳俵に足がかかった状態。しかし、試合後、懸命に前を向く指揮官がいた。
   「1試合目の反省を生かして今日なんとかする、という意識が足りなかったので、そこをなんとかするためにどうすればいいか選手で話し合えと言いました。まだ来週がありますからね。4連勝のあとに4連敗という結果はもう仕方がないとして、引きずらずに1カードを絶対に勝つというみなぎったゲームをしたいです」。

   明日から、立大は法大との今季最終カードに挑む。最後の最後まで、可能性がある限り、諦めるわけにはいかない。


菅野を打ち崩せば、勝利は見えてくる
   今季、法大は東大に15年ぶりの勝ち点を許したが、早大、慶大に土をつけるなど地力は見せている。なんといっても、強みはリーグトップの打率を誇る打線だ。特に、打率.368でリーグ2位の14安打を放っている向山(3年=法政二)、リーグ4位の打率.387を残す毛利(2年=愛工大名電)には注意が必要。4番には2本塁打の中山(3年=履正社)が座るなど、バットを振れる選手が多い。
   投手陣は、大黒柱の孤軍奮闘が目立つ。菅野(3年=小高工)は防御率こそ3.50だが、ハーラートップの4勝を挙げている。10試合中8試合に登板し、フル回転の様相。早大戦では、1回戦で117球完投、中2日で迎えた2回戦でも173球を投げ2試合連続の完投勝利と波に乗る。

   対して、立大の初戦先発は田中誠(コ2=大阪桐蔭)。ここまで、わずか1勝だが防御率は2.30と安定感はさすがといったところ。今季の立大は、田中以降が苦戦を強いている。2回戦が主戦場の手塚(コ2=福島)は、規定到達中の中でワーストの防御率6.75と苦しんでいる。最近3試合は4回3分の2で11失点と本調子とは程遠い内容で不安を残す。6試合に登板の中川(コ1=桐光学園)も防御率5.65と別人のよう。さらに、比屋根(営1=興南)、橋本(済3=大分上野丘)、宮崎(コ2=相模原)の救援陣もピリッとしない。投手陣の挽回が勝利の最低条件だろう。

チーム3冠王の藤野、攻守に期待がかかる

   打線も、不安材料は多い。笠松(コ4=大阪桐蔭)は規定打席到達の中、最低の打率.091。9月24日の早大戦を最後に、19打席連続で無安打が続いている。溝口監督も、慶大2回戦では途中交代を命じ、我慢は限界だ。大不振の“元”4番が最後に意地を見せるか。1番を任されている主将・熊谷(コ4=仙台育英)も、17打席連続無安打中と核弾頭としての仕事を果たせていない。ドラフト候補コンビの復調も勝ち点奪取のカギを握る。
   その中でも、ハッスルしているのが藤野(営2=川越東)。打率.400、3本塁打、7打点とすべてがチームトップの数字をマークする。首位打者も視界に入る正捕手の存在感は増している。

   思えば、日本一のスタートは法大からだった。あれから半年。2季連続の優勝は厳しい状況だが、王者にはプライドがある。「4年生の集大成として意地を見せつけたい」と主将。法大に勝つ。ナインの気持ちは一致している。


◆さあ、神宮へ行こう!◆
10/21(土) 対法大 11:00〜
10/22(日) 対法大 13:30〜(開始予定)

(10月20日・浅野光青)





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