【東日本学生相撲リーグ戦展望】

目標は5位

打倒慶應


   9月30日、靖国神社相撲場で第66回東日本学生相撲リーグ戦が行われる。昨年度の同大会において8チーム中7位とギリギリでBクラス残留を果たした立大。今年も厳しい戦いが予想される中で、彼らが掲げた目標はBクラス5位入賞。今年3月に就任した坂田監督のもと、装い新たに”古豪復活”ののろしをあげられるか。直前に迫った大会の見どころをご案内する。

相撲場の貼り紙。目標はBクラス5位だ


   本番前、最後の調整の場となった28日の稽古。全メニューを消化した後も選手たちはなかなか稽古場を離れようとはせず、立会いの確認や申し合いを繰り返し行った。「良い感じに仕上がっている」。調子を尋ねると、選手たちは口裏を合わせたかのように同じ回答をした。これはチームとしてサイクルがうまく回っている証拠であろう。そのチームの中心を担っているのが主将の野口だ。稽古では雰囲気を良くしようと積極的に声を出し、後輩や助っ人へ何度も技術的なアドバイスをしていた。その野口は今大会にかける気持ちが人一倍強い。「自分にとっては最後のリーグ戦」。残された現役生活もそう長くはない。彼にとって昨年までのリーグ戦とは全く違う意味合いを持つに違いない。主将の活躍に要注目だ。

   相撲部員は野口のほかに二人いる。横田(現3)と小佐野(済2)だ。横田は小学1年生から相撲をはじめた、いわば“大ベテラン”だ。昨年の同大会では大将を務め、他の試合も含め高い勝率を誇る。立大のエースとして躍動が期待される。小佐野は入部当初に比べ、体重を約20kgも増量。昨年11月には初白星を挙げ、今年のトーナメントでは立大の大将を務めた。ただ今大会、他大の選手に比べるとまだまだ小柄。「まわしを取らせないように動いて勝つ」。作戦はばっちりだ。

長谷川を送り出す主将・野口。残りの現役生活で完全燃焼できるか


この大会は各チーム7人ずつが出場し、勝ち星の数によって勝敗が決まる。立大は部員が3人しかいないため、残りの4人を他部からの助っ人で補うことになる。相撲経験の浅い選手が半分以上を占めることから、「相撲部の3人できっちり白星を挙げることが重要」と横田は語った。だが、他競技者の強みもある。28日の稽古で柔道部からの助っ人である長谷川(コ1)が小佐野や野口を柔道特有の足技で負かす場面があった。セオリー通りに相撲を取らないレスリング部、柔道部の取り口は、「不意打ちになる」(小佐野)。また、今回の助っ人メンバーはレスリング、柔道で実績を残し、恵まれた体格の持ち主たちということもあり“過去最強の助っ人”と呼び声高い。彼らがいかに星を稼げるかも勝敗に大きく関わってくるだろう。

   相撲場に掲げられた今大会の目標。「Bクラス5位」の下に、“打倒慶應”と書かれていた。慶大はいつも立大の少し上の成績を残す。「ライバル視している。向こうは意識していないと思うが」(野口)。昨年は0−7と完敗を喫した。リベンジを狙う今大会、慶大は変わらず高い壁として立ちはだかる。今シーズン、慶大は3人もの全日本インカレ出場者を輩出している。特に時田(環4)は85kg未満級で全国8強入りを果たしている。昨年、主将の野口はこの実力者に黒星を喫している。“打倒慶應”のためには、この選手からの白星も狙わなくてはならない。

相撲部員の3人。左から横田、野口、小佐野





     もちろん、立ちはだかる壁は慶大だけではない。全日本インカレ115kg未満級で準優勝を果たした藤原を擁する明大。そして昨年の同大会でBクラス2位、3位となった法大と駒大。ほかにも立大にとっては格上のチームが出そろい、2部リーグとは言えハイレベルな大会である。目標の5位入賞に向け、立大の“武道家オールスター”の戦いがはじまる。



◆東日本学生相撲リーグ戦◆
9/30(土) 10時開始予定 (靖国神社相撲場)

(9月29日 森 亮太)





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