立大レスリング部、 "エッグ"い体の源とは・・・?



   ホカホカご飯の上に卵を落とし、醤油を少し垂らす。あとはかきこむだけ。

   立大レスリング部は、練習後30分以内の食トレで体づくりを行う。今回の主役は、卵かけごはんだ!

実戦さながらの練習をする選手たち


   この日は試験前(取材日は7月11日)のため「軽い練習ですが」と前置きしたが、みっちり体を追い込んだ。「1!2!3!」と全員で声を出しながらのアップに始まり、サーキットトレーニング。その次のスパーリングでは、ペアを変え実戦さながらに体と体をぶつけあった。最後に、仕上げとばかりに腕立てトレーニングが始まろうとした、その時。芝(法2)が「やれよ」。記者の私に向けられた言葉だった。急遽、ぶっとい腕に掴まれて輪に加わる。

   腕立てしながら前後に体を移動させるトレーニング。まるで子羊のようになりながらもなんとか最後まで30回、やり切った。しかし、選手に言わせれば、「こんなもん」。普段はこの3倍の90回はやるという。選手の凄さを、(中高6年間野球部に所属した自分でも)この身をもって実感したのだった。こうして1時間弱の練習を終えた。
「さあ、飯だ」。
ズラリと材料が並ぶ


    宮川(法4)の合図とともに、マット上での食トレが始まる。この日はマネージャーが不在だったため、横田(法1)が大きい体を屈めながら、丁寧にご飯を盛っていく。そして、ここで材料も登場。主役の卵(卵かけごはん用)に、海苔、高菜、しそわかめ、まぐろたたき、大葉、ネギ、なめたけ、スパム。総勢9種類のまさにTKGビュッフェ状態である。その後は、個人戦。各自が好きな組み合わせでご飯の上を埋めていった。宮川、横田、美濃口(理1)はオーソドックスに卵だけ。芝は卵に好物のまぐろたたきを加える。この日練習に参加していたOBの方は卵にスパムを盛った。そして、一斉にご飯をかきこむ。




   私は卵、ネギ、なめたけの組み合わせをいただいた。「卵かけごはんになめたけ?!スパム?!」と思うかもしれないが、これが想像以上に合う。


   「こだわりは、バリエーションです。具材は、みんなで買いに行って、各自が好きなものとってきたらこうなりました(笑)。タンパク質とアミノ酸を練習後30分以内にとることが重要で、それが卵に含まれていて、ご飯にはエネルギーがつまってるので。卵かけごはんは手軽で、栄養価が高いので食べます」。

   食のスペシャルコーチがいる。監督の紹介で、1年に3〜4回ほどプロ野球「横浜DeNAベイスターズ」の管理栄養士である、小泉智子氏が立大レスリング部のために食事の勉強会を開いてくれる。そこで、体づくりに重要な栄養やレスリングをやる上で大切な体重管理方法を学んでいる。卵かけご飯もその知識を活かしたものだ。他には海藻、豚肉が疲労回復や夏バテに効くと聞き、日々の食生活に取り入れている。

選手4人、マネージャー1人の総勢5人で活動する立大レスリング部。実際に練習場でご飯を食べるのは月に1回ぐらいだというが、全員で焼肉に行ったり、お好み焼きや鍋を囲むことでチームの結束を高めてきた。レスリングは一見すると個人競技だが、団体戦ではチーム力も重要とされる。
集合写真。左から美濃口、横田、芝、宮川






   成果は、出つつある。春のリーグ戦では、他部からの助っ人を借りながらも2部で2位。入れ替え戦では惜しくも敗れたが、1部昇格への歩みを着実に進めている。
   DeNA仕込みの食トレで"エッグ"い体を作り上げ、強敵へタックルし続ける。
(8月28日・取材・浅野光青、広瀬春香/編集・浅野光青)





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