男子
格上の帝京大を相手に互角の戦いを演じたリーグ最終戦。「もう、思いっきりやるだけ」(遠藤=社2)。気持ちが乗り、射がさえていた。109中−113中で敗れはしたものの、チームの成長は明らかなものだった。乗れば強い。ずっと、そういうチームだった。公式戦になると、どうしても本来の力が出せなかった。乗り切れず、的中数が上がらず、競り負けた。1年前、前主将の赤羽根(社4)は眉間にしわを寄せ「ほら、もう笑ってるんですよ」とぼやいていた。新人戦3回戦、46中−86中で大敗した直後、選手たちはもう談笑を始めていた。相手は1部校の日大。対して立大は4部。敗戦は当然だったが、足りないのは技術だけではなかった。 しかし、帝京大戦前の雰囲気は違った。「勝ちたい」。部員の誰もがそう語った。どの部員の言葉にも不思議な説得力があった。負ける姿が想像できないほど、自信に満ちた表情をしていた。 だから、帝京大戦での敗北には、どこか意外という感さえあった。強豪があっさり試合を落としたときのような、あの"意外さ"があった。 リーグ戦終了後、チームは生須(法3)を新主将に据え、新たなスタートを切った。目標は変わらず、3部昇格。大黒柱・赤羽根の穴は大きいが、1年生にも弓道経験者が多く在籍し、選手層は厚い。そして幸運なことに、昨年のリーグ戦を経験した選手が多く残っている。 今年はやってくれる。そんな期待を膨らまさずにはいられない。 女子
「リーグが楽しみ」。昨夏のインカレ後、出場選手を分析していた前女子責任者の岡田(コ4)は顔をほころばせた。練習法や雰囲気を改め、過酷な練習に明け暮れた夏だった。その甲斐あって、リーグ初戦は58中−37中と快勝。4人中3人がリーグ戦初出場、初立はガチガチに緊張していたにも関わらず、だ。「今年こそ2部にいけるかもしれない」。誰もが心のどこかで期待していた。男女同時昇格さえ噂された。しかし、夢は夢のままで終わってしまった。第3戦も最終戦もわずか2中の差で勝利を逃し、泣きながらブロック2位という結果を噛み締めた。 彼女たちの頬を涙が伝うのは、これが初めてではない。一昨年は入れ替え戦まで進みながら実力を発揮できず、昨年は入れ替え戦まであと一歩というところで無念の敗北を喫した。年々募る「勝ちたい気持ち」に加えて、着実に技術も身につけてきた。部員も増えて戦力は充実している。それなのに、何故――。 敗因について、彼女たちは多くを語らない。ただ、的に向かって一心に矢を放つ横顔は以前にもまして気迫に満ちている。 新たに女子責任者となった吉田(文3)は特に、昨年の新人戦から急激に力を伸ばした選手だ。リーグ戦では主力として活躍しただけに人一倍悔しさを味わっている。そんな彼女の下で、チームはどう成長するのだろうか。 今度こそ、2部へ。彼女たちもそろそろ笑って良い頃だ。 (3月23日・森田直、太田佳希)
※男子は8人がそれぞれ20射、合計160射の的中数を競う
女子は4人がそれぞれ20射、合計80射の的中数を競う |